現地の動き - Pick Up

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    350. 新たな食料システムの構築を目指す国際農研の取組〜食料プログラム

    国際農研では、新たな食料システムの構築を目指し、生産性・持続性・頑強性向上技術の開発を進める5年間の「食料プログラム」を令和3年4月から開始しました。このプログラムでは、多様化する開発途上地域の食料システムに関わるニーズに対応した技術開発を通じて、対象地域の安定的な食料生産、国際的な食料需給及び食料栄養安全保障に貢献し、生産性の向上と栄養改善を達成することを目的として活動を進めていきます。
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    349. 気候変動対策技術や資源循環・環境保全技術の開発〜環境プログラム

    私たち国際農研は、熱帯地域の開発途上国の国立農業研究機関等と協力し、気候変動の影響に苦しむ小規模農家が必要とする持続的で環境調和型の技術開発に取り組んでいます。また、日本の科学技術イノベーションの集大成である「みどりの食料システム戦略」がアジアモンスーン地域の取組モデルとなるよう、当該地域の国々との国際共同研究を進めています。
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    348. 地球の窒素循環を改善するトウモロコシ由来の物質の発見

    近代農業は窒素肥料の多量投入により維持されています。その一方で、トウモロコシをはじめとする畑で育てる作物では施肥された窒素肥料の50%以上を利用できず、利用されなかった窒素肥料は農地外へと流出する問題が生じています。このムダの多くは、土壌微生物による「硝化」を原因としています。国際農研では、作物が根から産出する物質の持つBNI(生物的硝化抑制)を活用して、農地からの窒素損失を低減することを目指しています。このたび、研究グループはトウモロコシ根からBNI物質を探索し、1種類の新規高活性物質「ゼアノン」を含む4物質を発見しました。見出した4物質を足掛かりにして、国際農研は新たな農業システム構築を進めていきます。
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    347. 2021年アース・オーバーシュート・デイ

    アース・オーバーシュート・デイ(Earth Overshoot Day)とは、特定の年において人類の生態系資源やサービスに対する需要が地球による再生供給能力を超えてしまう日として定義されます。2021年は7月29日であり、COVID-19パンデミック抑止政策等の影響を受けた昨年の8月22日よりも3か月早まり、2019年の水準に逆戻りしました。
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    346. 国連食料システムサミット プレサミット:コロナ禍での希望の兆し

    今年9月にニューヨークで国連総会と並行して国連食料システムサミットが開催され、フードシステムについての国際的な議論が行われます。それに先立ち、今週7月26日から28日まで、イタリア・ローマで国連食料システムサミットのプレサミットが開催されました。このプレサミットは「人々のサミット」とされ、政府関係者、農家、若者、女性、先住民、市民社会、民間など、さまざまな立場の多くの人々を結び付けました。
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    345. カウンティング・カーボン―温室効果ガス排出・吸収計測の方法

    昨今、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量から、森林などによる吸収量を差し引いてゼロを達成することを意味する、「カーボンニュートラル」が話題となっています。ボトムアップとトップダウンの双方のアプローチを用い、観察値とモデル推計値を組み合わせ、温室効果ガス排出源推計の精緻化を向上させることで、農業・化石燃料からのカーボン排出を自然プロセスと区別することが可能になります。欧州宇宙機関によると、現在の排出スピードのままでは、温暖化を1.5℃以下におさえる上で10年しか残されていません。
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    344. 新型コロナウイルスパンデミックの栄養への影響:低中所得国でさらに1億4100万人が健康的な食事を入手できなくなる

    7月26日から本日28日まで、イタリアで国連食料システムサミットのプレサミットが開催されており、食・栄養に関する地球規模課題が議論されています。「栄養のために立ち上がろう」コンソーシアム(Standing Together for Nutrition Consortium: ST4N)は栄養学、経済学、食料・健康システムの研究者の学際的なコンソーシアムです。今回は、新型コロナウイルスが低中所得国の栄養に与えた影響について、Nature Food誌に掲載された「栄養のために立ち上がろう」コンソーシアム(Standing Together for Nutrition Consortium: ST4N)による論文2本を紹介します。

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    343. 節水技術への適応を改善することにより、気候変動に対応するイネを育種する

    コメは、世界の人口のほぼ半数にとって主要な食料源であり、最も重要な食用作物の一つです。一方、水田からのメタン放出は温室効果ガスの主要な原因の一つとなっています。気候変動にレジリエントなイネの育種と同時に、水田からのメタン排出を抑制する栽培技術の開発に合わせたイネの育種も必要になります。このたび、国際農研のMatthias Wissuwa主任研究員も参画した総説「節水技術への適応を改善することにより、気候変動に対応するイネを育種する」が、Theoretical and Applied Genetics誌でオンライン公表されました。

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    342. 国際農研 研究プログラム・プロジェクト紹介サイトの公開

    国際農研では、令和3年4月1日からスタートした第5期中長期計画(令和7年度までの5年間)において、新たな研究プログラム・プロジェクト体制のもとで研究活動を行っています。このたび、研究プログラム・プロジェクトの紹介サイトを公開しました。ぜひご覧ください。

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    341. OECD-FAO農業アウトルック報告書出版記念イベント 開催報告

    ちょうど1週間前の2021年7月14日(水)、国連食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所主催、国際農研協力の下、「OECD-FAO農業アウトルック報告書出版記念イベント」がオンラインで開催されました。今回のイベントでは、7月5日(月)に公表された2030年を見通す報告書に基づき、報告書執筆に携わった専門家がその内容を講演するとともに、日本の農業アウトルックの専門家と意見を交わしました。
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    340. 「2021年世界の食料安全保障と栄養の現状(SOFI)」概要

    今月12日、ニューヨークで発行された最新版「世界の食料安全保障と栄養の現状」(SOFI2021) 報告書によれば、世界の飢餓人口はさらに増加し最大8億1100万人と推計されました。栄養不足人口は増加、子どもの発育阻害の改善は鈍化し、世界中で成人の過体重と肥満が増加しております。SOFIはもともと国際連合食糧農業機関(FAO)の旗艦報告書の1つであり、5つの国連機関(FAO, IFAD, UNICEF, WFP, WHO)が共同で制作しています。本日のPick Upでは、FAO駐日連絡事務所と国際農研の協力で、報告書概要の抄訳を掲載します。

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    339. 2021年6-7月、北半球で観察される極端気象現象

    2021年6-7月、北半球の各地域で極端な異常気象が観察されています。米国北西部・カナダ西部は、6月末から熱波に襲われ、40℃を超える史上最高気温を更新しています。一方、欧州では7月にはいり、100年に1度と言われる豪雨による洪水が人的・物的被害をもたらしています。極端気象の直接の原因については分析が待たれますが、専門家は気候変動の影響を指摘しています。2021年は、第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)や国連食料システムサミットなどの多くの国際的イニシアチブが予定されており、異常気象の頻発による最悪のインパクトを回避するために各国がコミットメントをとれるかどうかの成否を分ける年とされています。
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    338. グローバルフードシステム

    昨年から続くCOVID-19パンデミックにより、世界の食料システムは多大な影響を受けています。国連は今年の9月に国連食料システムサミットを主催する前に、7月26日から3日間、イタリアのローマで開催するプレサミットにて持続可能な食料システムについての議論を行います。これまでもPick Upでグローバルフードシステムを巡る話題について取り上げてきましたが、プレサミットを前に今一度整理をしたいと思います。
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    337. 環境に優しくお米の収量も増える夢の技術

    近年、温室効果ガスの排出削減の話題が巷を賑わせています。農業分野において、実は牛のげっぷが1番の温室効果ガスの排出源(GHG)なのですが、水田もまたGHGの大きな発生源です。これは、田んぼに水を張ることで土の中の酸素が少なくなり、土中の微生物がメタンガスを作るのが原因です。国際農研は、千葉大学、ベトナム・カントー大学と共同で、メコンデルタの水田にGHG排出量を減らす間断灌漑技術を試みたところ、灌漑の水量と温室効果ガス排出を削減し、水稲の収量も増加できることを明らかにしました。
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    336. 報告書「2021年世界の食料安全保障と栄養の現状(SOFI)」:飢餓人口は昨年より1億1800万人増加

    7月12日、「世界の食料安全保障と栄養の現状(The State of Food Security and Nutrition in the World Report: SOFI)」の2021年版が発行されました。報告書によると、コロナ感染症の影響を受け、世界の飢餓人口は2019年から2020年の1年で1億1800万人増加しました。こうした最新の国際情勢を知る機会は非常に重要です。その一環として、本日7月14日(水)日本時間15:00 – 16:30、国際連合食糧農業機関(FAO)の駐日連絡事務所主催、国際農研協力により、ウェビナー「OECD-FAO 農業アウトルック報告書 出版記念イベント」を開催します。
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    335. 有機資材を活用して、マダガスカル稲作の低生産性を克服する

    作物の生育には窒素やリンをはじめ10種類以上の土壌養分が必要とされ、一回の収穫ごとに使われた養分を補い続ける必要があります。開発途上国の小規模農業セクターは、化学肥料としてのリンを補充する余裕がなく、結果として土壌がやせ、慢性的な低生産に陥っています。国際農研では、化学肥料の代わりとして、農家が使える有機資材を有効活用するための肥培管理技術の開発に取り組むことで、マダガスカルを含むアフリカの貧栄養土壌におけるコメの安定生産に貢献することを目指しています。
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    334. 農村開発の再考

    2021年5月、国連の経済社会局(UNDESA)より、World Social Report 2021が公表されました。今年のテーマは「農村開発の再考 Reconsidering Rural Development」です。世界において極度の貧困に直面している5人のうち4人が農村に住んでいるとされています。報告書は、農村の誰一人も取り残さない開発として、地球環境保全や技術革新、国ごとの状況を十分に踏まえた農村開発の方向性を述べています。国際農研では農村開発への取組として、農村を舞台に、農村の人々とともに環境保全や農業生産性と生活水準の向上をめざすアクションリサーチ型の研究を数多く行っています。
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    333. 7月11日は世界人口デー

    1987年の7月11日に世界の人口が50億人を超えたことから、1990年に国連総会で国際デーとして決議されました。2021年の世界人口は78億7500万人。2030年に85億人、2050年には97億人、2100年には109億人に達すると予測されています。本文では人口上位15カ国の推移が動画として見ることができます。
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    332. 食料システム転換のための科学・技術・イノベーションの役割

    2021年9月、国連食料システムサミット(UN Food Systems Summit: UNFSS)が予定されています。効率的でありながら誰も取り残さず、ショックに対する強靭性を有し、かつ持続的なフードシステムの構築に成功するか否かは、フードシステムの多様性に配慮しながら、科学・技術・イノベーション(science, technology and innovation)を活用できるかにかかっています。科学グループが主催する「サイエンス・デイ」が本日7月8日から二日にわたって開催され、食料システム転換における科学・技術・イノベーションの役割について議論されます。
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    331. 養分供給力に乏しい土壌を克服する稲作技術 

    昨今の気候変動対策をめぐる議論では、食料生産における化学肥料の非有効利用が温室効果ガス排出に貢献していることが問題視されています。他方、アフリカなどの途上国地域における風化土壌では、化学肥料の効果が出にくく、農民による過小施用が低生産性の原因になってきました。開発途上国地域では、現場の土壌に合わせた作物品種開発と施肥方法の工夫を通じ、なるべく少ない化学肥料使用で高い収量達成を可能にする、言い換えると収量向上と環境配慮を両立させうる技術の開発が求められています。