現地の動き - Pick Up
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732. 健康的な食事のコストのグローバルな指標
国連食糧農業機関(FAO)の統計データハブ(FAOSTAT)に、健康的な食事のコストとそれを入手できない人口についての指標が公開されました。ラテンアメリカとカリブ海では他の地域と比較して健康的な食事のコストが最も高くなっています。 -
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731. 食料システムとシンデミック
WHOがCOVID-19をパンデミックと宣言してから3年が経ちますが、この間、世界各地でコストプッシュ型の食料インフレが続く一方、極端気象・植物病害虫・家畜感染症の拡大など食料生産にショックを及ぼす異常事態が頻発化するようになり、食料システムをめぐる不確実性が増幅しました。その食料システムは、80億の世界人口のうち7– 8億人が飢餓に直面し、30億人が過体重・肥満を患っているという歪んだ栄養・健康状態にあり、プラネタリー・バウンダリーを超える主要因となっています。言い換えると、肥満・低栄養・気候変動が併存する 「シンデミック (Syndemic)」に人類が直面しています。 -
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730. 2023年2月 世界食料価格動向
国連食糧農業機関(FAO)は、3月3日、世界食料価格動向を公表しました。2023年2月の値は平均129.8ポイントで、前月からわずか0.6%ではありながらも11カ月連続の下落となり、2022年3月につけた最高値から29.9ポイント(18.7%)低い水準となりました。2月の下落は、植物油、乳製品、および部分的な穀物・肉類の価格下落が、砂糖価格指標の急上昇を相殺したことを反映しました。 -
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729. 2022年世界における温室効果ガス排出
3月2日、国際エネルギー機関(IEA)は、エネルギー関連の温室効果ガス排出量に関する報告書を公表し、2022年の世界の二酸化炭素排出量は前年から0.9%増加、史上最高値を記録したと発表しました。一方、報告書は、世界的なエネルギー危機のもとで化石燃料使用量が増加したインパクトを、太陽光・風力発電やエネルギー利用効率向上が相殺したことで当初懸念されたよりは伸び率が抑制されたことに言及し、クリーンエネルギー転換への加速を訴えました。 -
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728. 世界の淡水貯水量の変化
地球の表面の3分の2は水で覆われていて、およそ14億立方キロメートルの水があると言われています。しかし、一言で水と言っても我々が使用できる水は海水をのぞいた淡水だけであり、地球上の水のわずか2.5%程度にすぎません。さらに、氷河や地下水などを除いた人が利用しやすい状態である淡水(河川や湖沼等)は0.01%しかありません。今日はその貴重な淡水資源について、国際水管理研究所(IWMI)の研究者らが執筆した報告書「世界の淡水貯水量の変化」より、貯水量の変化と要因について紹介します。
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727. FAO報告書「草地における土壌炭素のグローバル評価」
土壌は、海洋に続く2番目に大きな炭素吸収源で、草地には世界の土壌有機炭素(SOC)蓄積量の約20%が含まれており、地球規模の気候変動にも重要な役割を担っていますFAOが最近公表した報告書「Global assessment of soil carbon in grasslands-From current stock estimates to sequestration potential-(草地における土壌炭素のグローバル評価~現在の資源量推定から吸収量ポテンシャルまで~)」を紹介します。 -
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726. 果物と人と地球のいい関係とは? ~熱帯・亜熱帯は果物の宝庫~
熱帯・亜熱帯の果樹を日常の食生活に取り入れることで、美味しく楽しく栄養を摂ることができます。他方、品質の揃った果樹の栽培は簡単なものではなく、絶えず変化する地球環境にうまく対応していくためには、多種多様な遺伝資源を調べ、役に立つものを利活用していくことが必要になります。本日は、石垣島の熱帯・島嶼研究拠点で熱帯果樹の研究に取り組む国際農研の研究者が、果物と人と地球のいい関係について語ります。 -
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725. 木のてっぺんで熱帯雨林の恵みを調べる 〜地上 50mでの光合成〜
熱帯雨林と聞くとどんな森を思い浮べますか? 熱帯雨林は生物の宝庫であり、人類に様々な恩恵を与えてきただけでなく、二酸化炭素を貯蔵することから温暖化の緩和にも役立っています。本日の記事は、熱帯雨林の現場で活躍する国際農研の若手研究者の視点で、熱帯雨林の力を知り、守るための研究について紹介します。 -
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724. ロシアのウクライナ侵攻から1年
2022年2月24日にロシアがウクライナに侵攻してから1年が経ち、世界食料安全保障を取り巻く情勢の不確実性が一気に増しました。世界の食料安全保障には、地政学的な要因によるサプライチェーン寸断を回避する国際協調努力が必要とともに、食料作物生産性の停滞している地域における技術支援が極めて重要な意義を持っています。 -
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723. 建造環境への気候変動リスク
過去50年間にわたり、干ばつ、嵐、洪水、極端な気温、といった極端気象の数は増加し、経済損失の規模は年々拡大、脆弱な社会層の食料栄養安全保障に影響を及ぼしています。気候変動はまた、資産やインフラの破壊をもたらすことで、経済的に大きなダメージをもたらし、サプライチェーンの寸断は世界経済をけん引する投資動向にも影響を及ぼします。2月20日、中国・インド・アメリカの行政地域だけでトップ100の半数以上を占めるという気候リスクの評価が公表され、世界のメディアで話題になりました。 -
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722. ワイルダーPLが2023年度日本農学賞/読売農学賞の受賞者に決定されました
水産領域 マーシー・ワイルダー プロジェクトリーダーが、一般社団法人日本農学会の「2023年度日本農学賞/読売農学賞」を受賞することが決まりました。 -
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721. キヌアの日 ~キヌア研究における国際農研の貢献~
「キヌアの日」の由来は、FAOが2013年2月20日に「国際キヌア年」の開幕式典を開催したこと、2016年の同日に日本キヌア協会が発足したことから。今日のPick Upはキヌアを特集します。 -
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720. 最近の世界食料価格動向と食料安全保障
国連食糧農業機関(FAO) の報告や世界銀行のブログによると、国際食料価格は昨年のピークから落ち着いてきてはいるものの、食料の国内価格は世界中で高止まりしており、多くの国でインフレが報告されています。 -
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719. 2023年1月、世界の海氷は史上最低水準に
世界気象機関(WMO)は、2023年1月に北極海・南極大陸の海氷を合わせた世界の海氷面積が史上最低水準を記録したと発表しました。専門家によると、この値は必ずしもトレンドではなく、気象に関連した変動の範囲である可能性も否定できないものの、44年間にわたる衛星観測によっても海氷が急激に後退していることが確認されています。 -
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718. 食料システムにおける損失と損害への対応
これまで、国連気候変動枠組条約における交渉では、気候変動への緩和と適応という二つの戦略についての議論が行われてきました。しかし、気候変動対応が「少なすぎ、遅すぎる」ことで、「損失と損害(loss and damage: L&D)」という第三の交渉が必要になってきました。このたび、Nature Food誌にて発表された「食料システムにおける損失と損害への対応」とする論考は、危機ごとの人道支援的な対応ではなく、現場のニーズに即した長期的な視点からの支援の必要性を訴えました。 -
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717. アメリカにおける農業気候変動対策実施体制
1週間前、アメリカではバイデン大統領が一般教書演説を行い、気候変動を「地球壊滅の脅威existential threat」と評し、未来の世代ために現在の世代が責任を分担して気候変動対策を行う必要性を強調しました。バイデン大統領も引き合いに題した昨年8月に発表されたインフレ抑制法における農業保全プログラム実施体制について少し調べてみました。 -
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716. 食料栄養安全保障危機に対するアクション
2月8日、5つの国際機関のトップらが共同声明を発表、最近トルコ・シリアを襲った大地震の被災者への支援を表明しつつ、世界的に貧困と食料安全保障を取り巻く環境が悪化していることに警鐘を鳴らしました。声明は、「飢餓のホットスポット」救済や貿易促進など、緊急支援および長期的な強靭性強化の取り組みの双方のバランスに配慮した対応の必要性を訴えました。 -
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715. 2月10日は「世界マメの日」 ~近年のササゲ研究~
国連は、2016年の「国際マメ年」を記念して、2月10日を「世界マメの日」とすることを2018年12月開催の国連総会で定めました。世界マメの日のPick Upでは、テキストマイニングという手法で近年行われたササゲ研究を探ってみたいと思います。 -
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714. 土壌微生物の力で食料生産と土壌肥沃度の向上を両立
サブサハラ・アフリカでは、作物の生産性が低く、食料不足が慢性化しています。国際農研では、現地の小規模農家が入手できる材料を用いたリン鉱石土壌添加堆肥の製造技術を確立しました。また、リン鉱石土壌添加堆肥を用いることで化学肥料と同等の増収効果を得られるだけでなく、土壌の生物性や化学性を向上できることを明らかにしました。本成果は世界的な肥料価格の急騰に対する有効な技術になることが期待されます。 -
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713. 主食作物の生産性向上が農家の栄養改善に与える影響
マダガスカル農村部において、水稲の生産性向上は自家消費量の増加と市場での栄養価の高い食品購入につながり、質と量の両面で農家の栄養改善に有効であることが明らかになりました。