現地の動き - Pick Up

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    387. 本日は食料のロスと廃棄に関する啓発の国際デー

    9月29日は、国連の定める「食料のロスと廃棄に関する国際デー」です。世界的にみると、食品損失と食品廃棄(以下あわせて食品ロス)は、グローバルフードシステムで利用される総エネルギー量の38%を占め、この食料だけで20億人を養うことができると言われ、世界の温室効果ガス排出の8-10%は食品ロスに関連すると言われています。持続可能な開発目標(SDGs)の目標12.3は食品ロスの削減であり、食品ロス削減のための行動は待ったなしです。
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    386. 情報収集分析の重要性:新プロジェクト【戦略情報プロ】の紹介

    今日は「情報への普遍的アクセスのための国際デー」です。情報は力であり、普遍的なアクセスにより、健全で包括的な知識社会の礎となります。国際農研は、2021年4月から開始した第5期の中長期計画の中で、複雑化・多様化する開発途上地域・熱帯亜熱帯地域の農林水産業や、地球規模の食料システムに係る課題や開発ニーズに関する情報を多角的に収集・分析し、国内外に広く情報を発信するため、情報プログラムの中に『戦略的情報収集分析提供プロジェクト【戦略情報】』を立ち上げました。
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    385. 国連食料システムサミット:人々、地球、そして繁栄のために

    9月23日、フードシステム変革についての国際的な議論を行う国連食料システムサミットが開催されました。本サミットは「人々のサミット(People’s summit)」と銘打ちましたが、国連のサミットがこれほどまでにオープンに開かれたのは初めてのことです。議長の行動概要声明では、SDGsを世界的に進展させ、基本的人権を確保する方法として、1)栄養をすべての人に 2)自然をベースとした解決策 3)公正な生活、適正な仕事、コミュニティの強化 4)脆弱性、ショックやストレスへの強靭性 4)実現方法のサポート、の5つの主要領域が挙げられています。

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    384.気候変動が引き起こす人口移動のうねり

    2021年9月、世界銀行は気候変動が引き起こす人口移動についての報告書を発表しました。報告書は、2050年までに、サブサハラアフリカ、東アジア・太平洋、南アジア、北アフリカ、ラテンアメリカ、東欧・中央アジアの6地域において、気候変動に起因する人口移動が2.16憶人に及ぶ可能性を予測しています。基本的に、人々は水アクセスや作物生産性の低い地域や海面上昇の影響を受けやすい地域から都市や農業適地に移動していきます。報告書は、世界規模で温室効果ガス排出削減努力をし、環境に優しく包括的で強靭な開発によって、気候変動を起因とする国内移動を最大80%回避することが可能であるとしています。
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    383. アジアモンスーン地域における持続的な食料システム実現に向けたイノベーション

    農林水産省は2021年5月に『みどりの食料システム戦略』を策定し、食料生産性に影響を与えることなく、温室効果ガス排出等の環境負荷を軽減しうるイノベーションの重要性を強調しました。万能なイノベーションは存在しないが、似たような環境・社会条件を共有する地域間で、社会実装の推進に関する知見を共有することで、食料栄養安全保障の確保と気候変動対応の加速化が期待されます。アジアモンスーン地域に位置する日本にとり、地域で活躍する農業研究・開発機関とのネットワークを通じ、農林水産業分野でのイノベーションを推進することは極めて重要な意味を持ちます。国際農研は11月17日、オンラインにて、国際シンポジウム「アジアモンスーン地域における持続的な食料システム実現に向けたイノベーション -『みどりの食料システム戦略』に資する国際連携に向けたプラットフォーム」を開催します。
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    382.科学の下で団結せよ ― United in Science 2021 

    2021年9月、国連総会の開催に合わせ、気候変動関連の報告書が次々と発表されています。9月16日、世界気象機関(WMO)を中心とした国連機関は、最新の気候科学関連情報をまとめた「科学の下で団結せよ United in Science 2021」を公表、全ての国が気候変動対策にコミットする必要を訴えました。翌日の9月17日、国連はパリ協定に参加する191か国の各加盟国が国連に提出する国別削減目標(NDC: Nationally Determined Contributions)をとりまとめた報告書を公表、野心的な目標を掲げた国を歓迎しつつもさらなる削減目標を求めました。 
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    381. アフリカにおける持続的で強靭なフードシステム構築のためのアクション

    2021年9月7日、アフリカ緑の革命フォーラムサミットにおいて公表された報告書によると、サブサハラアフリカにおける2000年来の目覚ましい農業生産の成長を牽引した要因の75%は耕地面積の拡大によるもので、作物収量向上の貢献は25%にとどまりました。地域の人口は今後も増加すると予測される中、既存の農地での生産性向上がフードシステムの強靭性と持続性を高める最も重要な対策の一つです。国際農研の食料プログラムでは、アフリカ稲作システム・アフリカ畑作支援の二つのプロジェクトを通じ、地域・世界の食料栄養安全保障に貢献できる技術開発を行っています。
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    380. 地球にやさしい食生活を社会全体で実現するために

    一週間後の2021年9月23日、国連食料システムサミットが開催され、地球と人類の健康に資する食料システム構築のための変革について国際的に議論されます。食料システム転換のカギとされているのが、「地球にやさしい食生活(プラネタリーヘルスダイエット)へのシフト」です。このたび、一般財団法人「地球・人間環境フォーラム」が発行する情報誌「グローバルネット」2021年9月号にて「地球にやさしい食生活を社会全体で実現するために」と題する論考を寄稿しました。
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    379. 国際社会は生物多様性保護に野心的な対策を

    IUCN(国際自然保護連合)主催の第7回世界自然保護会議が、9月3日~11日に開催されました。IUCNは動物、植物、菌類の地球規模での保全状況に関する包括的な情報として絶滅危惧種レッドリストを1964年から発表していますが、現在、評価対象生物種の28%にあたる38,500以上の種が絶滅の危機に瀕していると報告しています。会議では、2025年までにアマゾンの80%を保護すること、地上および海洋の30%を保全対象とすること、海洋における深海採掘を中止すること、国際社会が野心的なOne Healthアプローチを採用することなどを盛り込んだ決議が採択されました。
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    378. 気温抑制・生物多様性回復・健康保護のための国際協調の緊急性

    2021年9月上旬、世界の200誌を超える医学誌の編集長らが共同で論説を発表し、世界の指導者たちに対し、気候変動が世界の公衆衛生にとって最大の危機であること、気温上昇抑制・生物多様性回復・健康保護のための緊急の対応策が必要であること、について訴えました。世界的な気温上昇は、直接の健康被害に加え、主要な作物の収量を抑制します。脆弱層への負の影響を放置することで結局は全ての国々が影響を受けることになることから、共同論説は国際協調の緊急性を訴えました。
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    377. フードシステム転換:飢餓を撲滅し地球を保全するための7つのプライオリティ

    今日、世界のフードシステムは人類の健康と地球の環境に影響を及ぼしています。2021年9月23日に開催される国連食料システムサミット(UNFSS)に先立ち、国連食料システムサミット・科学者グループ議長を務めるvon Braun教授らが、Nature誌の論考にて、持続的で公正かつ強靭なフードシステム構築へ向けた7つのプライオリティを提案しました。
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    376. 北極の温暖化と北半球の寒波の関係

    気候変動の議論では、産業革命以来の気温上昇と極端現象の増加が懸念されています。とりわけ北極での気温上昇は世界のどこよりも速く進行しています。一方で、2021年9月にScience誌で発表された論文は、北極の温暖化が成層圏の極渦の崩れ(stratospheric polar vortex (SPV) disruption)をもたらすことで、北半球の中緯度地域における極端寒波の襲来につながる可能性を示唆しました。気候変動は不確実性を多く含み、農業への影響を通じて食料安全保障にも影響を及ぼすことから、地球規模で取り組まなければならない課題であることは確実です。
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    375. 食料システム転換のためのSTI(科学技術イノベーション)

    2021年、国連食料システムサミットや東京栄養サミットの開催を機に、食料システム転換が国際的なアジェンダとして注目されています。これを受け、外務省の科学技術外交推進会議は、「地球の健康(planetary health、地球環境と人間の健康の連関):食料システム転換のための科学技術」提言をとりまとめました。 提言では、飢餓・栄養不良を改善し地球環境にも配慮した食料システム転換を図るべく、日本の強みを活かした科学技術イノベーション(Science, Technology, Innovation: STI)を策定、国際農研が開発した技術も紹介されています。
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    374. 気候変動適応拠点形成国際ワークショップ(Southeast Asia Research-based Network on Climate Change Adaptation Science: SARNCCAS)の開催

    2018年度から始められた、茨城大学 地球・地域環境共創機構(GLEC)は、地球規模の環境変動に対して、持続的な社会を実現するために、各分野での現地調査に基づく横断的な研究を進め、高い学術的成果を発信するための研究・教育の拠点です。実際に、ハノイにある日越大学やベトナム経済研究所など東南アジア各国の機関と、気候変動研究に関する人材育成や共同研究を進め、確固たるネットワークを形成しています。2021年9月16日と17日の2日間にわたり気候変動適応研究拠点形成国際ワークショップがオンラインで開催され、国際農研は共催として参加します。
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    373. グローバル・リサーチ・アライアンス(GRA)畜産研究グループ(LRG)国内ネットワーク会合の開催

    気候変動問題の原因とされる温室効果ガス排出について、その削減に関する国際的な協力の枠組み等を議論する気候変動枠組条約締約国会議(COP)が毎年開催されています。温室効果ガス排出削減に国際的な関心が高まる中、Global Research Alliance (GRA)は農業由来温室効果ガス排出削減及び気候変動への対応に係る研究分野における国際協調に資する枠組みとして発足しました。畜産分野における我が国の研究勢力のプレゼンス向上のため、関連する行政部局及び国内の当該分野研究者を集め、現状共有及び今後の方針策定に向けた国内ネットワーク会合を9月16日(木)にオンライン開催予定です。
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    372. 地球に優しい、少ない窒素で高い生産性を持つスーパー・コムギの開発に成功

    2050年までに世界人口は100億人近くになると予測される中、食料確保に必須である食料システムの生産性を犠牲にすることなく、環境負荷を最小化するイノベーションが必要とされています。そのためには、地球規模の物質循環の中で、作物と土壌及び土壌微生物叢の相互作用を科学的に理解しつつ、作物の持つ潜在的な力を効率よく利用する技術 が求められます。国際農研は、国際コムギ・トウモロコシ改良センター(CIMMYT)、バスク大学、日本大学生物資源科学部と共同で、少ない窒素肥料で高い生産性を持つBNI(生物的硝化抑制)強化コムギを開発しました。
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    371. 世界の樹種の約三分の一が絶滅の危機に瀕している

    樹木は森林の分布や構成を決定し、生物多様性やカーボン吸収源の重要な構成要素となっています。グローバル・ツリー・アセスメントという研究プロジェクトが、世界の58,497種の樹種について絶滅危機リスク等の情報をとりまとめた結果、世界の樹種の約三分の一が絶滅の危機に瀕していると報告されました。樹種に対する脅威として、森林伐採や生息域の消失、木材等の乱獲、侵略的外来病害虫の拡散が挙げられており、気候変動も目に見えるインパクトを与えているとされます。
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    370. 過去50年間、気候変動は極端現象を大幅に上昇させているが、早期警戒システムのお陰で人的被害は小さくなる傾向に

    2021年8月31日、世界気象機関(WMO)は、1970-2019年の50年間にわたる気象・気候・水関連の極端現象による死亡者数と経済損失に関する包括的な報告書を公表しました。この期間、気候変動の影響だけでなく、それらに関する報告も向上したことから、災害の数は5倍に増加しましたが、同時に、早期警戒システムと災害マネジメントのお陰で、犠牲者の数は3分の1以下に大幅に減少しています。やはり最近公表された2020年気候白書(the State of the Climate in 2020)によると、2020年、パンデミックによる経済危機中にもかかわらず、温室効果ガスは過去最高値を記録し、102個のハリケーンや台風が命名されました。
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    369. 気候変動用語の一般人向け解説の必要性

    2020年10月、日本政府が2050年までに脱炭素化を宣言した後、気候変動への対応が社会の在り方を大きく変えようとしており、関連ニュースも多く報道されるようになっています。他方、専門家の使用する気候変動関連の用語はしばし一般人には馴染み難いという問題があります。南カリフォルニア大学などが行った調査は、研究者が気候変動を説明する際に使う用語は非常に複雑すぎ、対策への支持を広く獲得するには、一般の人が理解可能な普段使いの言葉を用いて、気候変動への危機についてより分かりやすい方法でコミュニケーションする必要性を訴えました。
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    368. 第10回アジア作物学会議(ACSAC10 : 10th Asian Crop Science Association Conference)

    2021年9月8日〜10日、日本作物学会等が主催する第10回アジア作物学会議がオンラインで開催されます。会議には、アジア各地から作物生産に関連する分野の第一線の研究者、技術者等が参加し、アジアの作物の持続的生産に関わる最新の研究成果についての議論が行われます。国際農研は本会議を後援しており、理事長の小山修がキーノートレクチャーを行うとともに、特別セッションを運営します。