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685. 土壌の生物多様性

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685. 土壌の生物多様性

12月19日に閉会した国連生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)では、「昆明モントリオール・グローバル生物多様性フレームワーク(Kunming-Montreal Global biodiversity framework )」が合意され、陸域・海域の30%の保全を含むターゲットが盛り込まれました。

昨今、食料栄養安全保障における生物多様性の重要性が認識されつつありますが、地上の植物・動物種の多様性への高い関心に対し、土壌生物多様性は軽視されがちです。実際には、食料生産に過程に必要な土壌・水の浄化において、土壌生物多様性の機能が不可欠です。 適切な土壌管理は、持続的農業に必須の要素であり、気候の制御およびエコシステム・サービス機能と生物多様性保全に欠かせません。

COP15の関連文書「生物多様性と農業 Biodiversity and agriculture」は、陸域エコシステムの健全な機能を決定づけるものとして土壌の生物多様性に焦点を当て、食料栄養安全保障、気候変動緩和・適応、持続可能な目標達成において、持続的な農業食料システムの機能における重要性を強調しました。 

文書は、国連食糧農業機関(FAO)が編纂した「生物多様性白書―現状、課題、潜在性 State of Knowledge on Soil Biodiversity - Status, Challenges and Potentialities」や既存のイニチアチブ等に言及し、土壌生物多様性保全のためのアクションを提唱しています。

(参考文献)
FAO, ITPS, GSBI, SCBD, and EC. 2020. State of knowledge of soil biodiversity - Status, challenges and potentialities, Report 2020. Rome, FAO.

(文責:情報プログラム 飯山みゆき)

 

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