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659. 生物多様性喪失にnet-positiveアプローチを

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659. 生物多様性喪失にnet-positiveアプローチを

世界自然保護基金は2022年10月13日に「生きている地球2022」(Living Planet Report 2022)を公表しました。

報告書は野生生物の相対個体数が1970年以降の50年で約69%減少したとしています。中でも従来多様な動植物の住処を提供してきたラテンアメリカやカリビアン諸国の熱帯地域における多様性喪失が著しく、94%にも上るとしています。

生物多様性の減少が、地球温暖化問題と匹敵する重要な地球規模課題となっており、私たちの日々の暮らしや経済に大きな影響を与えつつあります。

しかし気候変動と違って生物多様性損失にnet-zeroの考えだけでは不十分です。失ってしまったものを回復させることを目標にしなければなりません。この素晴らしい地球はその可能性を何度もみせてきました。人類はnet-positiveな目標を追求しなくてはなりません。

自然に優しいクローバルな目標(nature-positive global goal)を設定し、政治、社会、ビジネス、経済、そして消費者と、関係者全員で取り組んでいく必要があります。

2022年の12月に4年ぶりの生物多様性のCOP15がカナダのモントリオールで開催予定です。より野心的で評価可能な目標設定への合意が期待されます。

 

エビデンスを統計的に整理した最近の研究も、森林・草地を農地や放牧地拡大のために転換することが、生物多様性喪失の最大の原因としています。同研究はnet-zeroにとどまらず、nature-positiveな転換を促すための政策対応の緊急性を訴えました。持続的な農林水産業を可能にするイノベーションが求められています。


(参考文献)
https://www.wwf.org.uk/our-reports/living-planet-report-2022
https://www.wwf.or.jp/activities/lib/5153.html
https://www.worldwildlife.org/stories/the-last-safe-habitat

(文責:情報プログラム トモルソロンゴ、飯山みゆき)
 

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