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590. 持続的な環境へのアクセスは普遍的人権

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590. 持続的な環境へのアクセスは普遍的人権

気候変動の影響は日々報告される熱波や干ばつ・森林火災・海面上昇・洪水・海氷融解・嵐・生物多様性の減少などで、次第に明らかになりつつあります。

7月18・19日にイギリスで史上初の40℃を超える熱波が予測され、実際、ある地点で40.3℃に達したと報告されました。異常気象に対する気候変動の影響を推計する科学者の国際チームは、この極めて異常な熱波の起こる確率は、人為的な気候変動により少なくとも10倍高まったと推計しました。各地での測定法や気温の集計に伴う不確実性はあるものの、二日間にわたって観察された高温は、現在の気候下では100年に1度の出来事であるとされました。とりわけロンドンを含む3つの気象局では、現在の気候の下で500年~1500年に一度起こるかどうかの最高気温に達し、うち2つの気象局では現在よりも1.2℃涼しい世界では統計的にありえない気温を記録しました。このような真夏の熱波は、人々の健康に著しい影響を与え、しばし死にもつながります。

気候変動、自然資源の非持続的な利用、大気・土壌・水の汚染、化学物質・廃棄物の不適切な管理、これらの結果としての生物多様性の喪失は、環境からの便益を享受する人々の基本的人権を損ねています。

7月28日、国連総会にて、クリーンかつヘルシーで持続的な環境へのアクセスを普遍的人権であるとする議決が採択されました。国連は、人類が直面する環境への3重の脅威 -気候変動・汚染・生物多様性喪失- は、それぞれ原因と影響は異なりますが、相関しあっており、地球の未来のためには同時に解決される必要があると訴えました。

(文責:情報プログラム 飯山みゆき)

 

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