Pick Up

582. 自然の価値に関する多面的な評価の必要性

関連プログラム
情報

 

582. 自然の価値に関する多面的な評価の必要性

人為的な経済活動により、生物多様性はかつてないスピードで喪失しています。
7月11日、生物多様性と生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)は、世界の82名の研究者・専門家が4年間にわたりとりまとめた生物多様性の価値を評価する方法論を包括的にレビューした報告書(The Value Assessment)を発表しました。報告書は、生物多様性喪失の加速が進む一方、自然(Nature)の価値が政治・経済的意思決定では過小評価されていることを問題視しました。  

報告書は、自然の持つ価値について、経済・政治的意思決定は、例えば食料生産への貢献といった市場的な価値を優先する一方、こうした市場価値は人々の生活の質に関わりかねない自然の変化を必ずしも反映しないとしました。さらに報告書は、政策策定過程は、気候のコントロール、文化的なアイデンティティ、といった自然の非市場的価値を軽視する傾向を指摘、生物多様性の保全において、自然の様々な価値を評価する必要性を強調しました。

(文責:情報プログラム 飯山みゆき)
 

関連するページ