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580. オンラインイベント「健全な土壌とアフリカの食料安全保障 ―環境再生型農業の可能性―」

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アフリカ

 

580. オンラインイベント開催「健全な土壌とアフリカの食料安全保障 ―環境再生型農業の可能性―」

アフリカの農業は、長らく、慢性的な低土壌肥沃度と、養分の収奪により、農業生産性の低迷と食料安全保障の危機に悩まされてきました。今、アフリカの農業発展において、「健康な作物を生産するための健全な土壌 ‘a healthy soil producing a healthy crop’」の必要性は、かつてないほど重要性を増しています。土壌管理にも気候変動への対応や環境再生が求められる昨今、アフリカ農業も例外ではありません。

近年、環境再生型農業(Regenerative Agriculture: RA)が、世界的な注目を浴びるようになっています。RAは土壌中の微生物による活動を促進し、機械による土壌攪乱を最小化し、土壌被覆作物を利用し、農業生物の多様性を促すことで、土壌有機物を増やす慣行を奨励しています。RAのこうした活動は、土壌の生物学的・物理的・化学的構造を改善し、作物の栽培環境を向上させ、価格の高騰が著しい化学肥料等の使用を削減することで生物多様性の保全と土壌の健康を維持することを可能にするとされています。また、耕起を最小化しマルチを施すなどの改良型栽培法は、土壌有機物を保持することでとりわけ植林等の炭素貯留手法との組み合わせにより、気候変動緩和への貢献も期待されています。

一方、土壌の肥沃度が低く、土壌養分の流出が進んでいるアフリカの小規模農業においては、これまで、「持続的農業集約化(Sustainable Agricultural Intensification: SAI)」が推進されてきました。SAIは、総合的土壌肥沃度管理などを通じた生産性の向上に重きを置きつつ、各地域の土壌・気候・社会経済条件に応じて、有機・無機肥料の使用や耕起を併用することを提案しています。

つまり、アフリカの小規模農業の文脈においてRAのビジョンを実現するには、土壌の健康の回復と共に、従来のSAIを通じた食糧安全保障を両立させた、アフリカの小規模農家が実践できる「真に“再生可能”な土壌の健康管理」を定義し、実現していく必要があります。

8月5日(金)、ササカワ・アフリカ財団 (SAA)主催、国際農林水産業研究センター(JIRCAS)共催で、オンラインにてTICAD 8 サイドイベント「健全な土壌とアフリカの食料安全保障 ―環境再生型農業の可能性―」を開催します。本イベントでは、アフリカの小規模農家を取り巻く環境の多様性を理解した上で、「環境再生型農業」とは何かを定義し、RAをアフリカの小規模農業で実現するための技術的な取り組みと普及アプローチについて議論します。


以下のリンクからプログラム・および参加登録サイトをご覧ください。

「健全な土壌とアフリカの食料安全保障:―環境再生型農業の可能性―」
日時:2022年8月5日(金)19:30 ~ 22:15
主催:ササカワ・アフリカ財団 (SAA)
共催:国際農林水産業研究センター(JIRCAS)
SAA TICAD8イベント特設サイト:https://www.saaticad8.com/
本イベント特設サイト日本語:https://www.saaticad8.com/healthy_soills.html 
本イベント特設サイト英語:https://www.saaticad8.com/en/healthy_soills.html 
 


JIRCAS HPイベントサイト

日) https://www.jircas.go.jp/ja/event/2022/e20220805 
英) https://www.jircas.go.jp/en/event/2022/e20220805 

 

(文責:情報プログラム 飯山みゆき)


 

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