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902. TICAD30周年記念公式サイドイベント 「アフリカの持続的で強靭な食料システム構築に向けて」

12月1日、国際農研はハイブリッドで「アフリカの持続的で強靭な食料システム構築に向けて」を開催します。日本政府の主導で1993年に始まったTICAD(アフリカ開発会議)30周年記念公式サイドイベントでもある本イベントでは、アフリカの農林水産業に関する課題と日本の貢献、国際共同研究の歴史と現状、研究ニーズについて紹介したうえで、作物、水資源、土壌、微生物、農業経営、栄養供給の観点から、アフリカ農業の多様性、それゆえに配慮すべき点や今後の国際共同研究などについて議論します。
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901. どこまで耐えられるか、危険な熱波

ここのところ急に寒くなってきましたが、今年の記録的な夏の暑さは異常でした。11月15日に公表されたランセット・カウントダウン2023報告書が指摘するように、致命的な危険をもたらす熱波は人為的に引き起こされる地球温暖化によって深刻さを増しています。10月にPNAS誌で発表された人類の熱波に対する限界についての論稿を紹介します。
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900. 熱帯林が直面する問題への取り組み

Pick Up 900回目は、明日11月17日開催予定のJIRCAS国際シンポジウム2023テーマでもある熱帯林をとりあげます。熱帯林は、生物多様性・エコシステムサービス・社会・文化的アイデンティティ・生業をサポートするのみならず、地域・地球規模の気候制御を通じて気候変動適応緩和に極めて重要な機能を果たしてきました。強靭な熱帯林の構築には、適応策に合わせ、森林破壊・劣化の元凶となっている問題に取り組む必要があります。
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899. 雑穀セミナー開催報告

9月26日、国際農研はセミナー『雑穀 - 栄養・農業・気候の課題に対応する潜在能力』を開催し、雑穀研究の最新動向や利用可能性について、国内外の研究者による議論の場を提供しました。国際農研HPにて、セミナー録画を公開し、また質疑応答について登壇者からの回答を掲載しました。
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898. アフリカ農業における課題 ―特に土壌微生物と、無視され十分に活用されてこなかった植物種の可能性―

アフリカの農業は、生産と栄養を改善するための多くの課題に直面しています。アフリカで増加する人口を養うためには、より多くの食料が必要となります。気候変動の影響も懸念されています。アフリカ農業における課題の解決のためには、土壌微生物とともに、無視され十分に活用されてこなかった植物種(Neglected and Underutilised Plant Species : NUS)は、大きな可能性を秘めています。
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897. エルニーニョ現象は2024年4月頃まで継続の見込み

11月8日、世界気象機関(WMO)は、エルニーニョ現象が少なくとも2024年4月まで継続し、陸域・海域の温度上昇に影響しうると発表しました。
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896. 強靭な熱帯林に向けた具体策の必要性

最近の研究は、森林破壊により、生物多様性の宝庫である熱帯林が炭素貯留源から排出源となり、世界的な気候災害を引き起こすきっかけの一つになりかけないと警鐘を鳴らしています。来週金曜日にハイブリッドで開催されるJIRCAS国際シンポジウム2023は、アジアの熱帯林における環境保全と持続可能な産業の共存実現に向けたイノベーションについて議論します。是非参加をご検討ください。
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895. 食の環境・健康・社会コスト

11月6日、国連食糧農業機関(FAO)は、2023年世界食料農業白書(The State of Food and Agriculture 2023)を発表、農業食料システムにおける隠された環境・健康・社会コストが10兆ドルを超え、その70%以上が健康的でない食生活を原因とし、20%相当が窒素関連・温室効果ガス排出や土地利用など環境コストに起因すると指摘しました。
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894. 気候変動適応 ― 資金不足・準備不足

2023年、史上最高気温を更新する一方、台風やハリケーン・洪水・干ばつ・熱波が災害をもたらしています。国連環境計画による2023年ギャップ報告書は、気候変動適応に関する対応が加速しなければならないときに資金不足・準備不足に陥ることで、世界を危機に晒すことになると警告をならしました。
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893. 世界的な食料栄養分析の示すギャップと課題

現在世界には栄養摂取量が不足している人も過剰な人も存在しています。農業の生産と栄養に関して、本日は、Nature Food に掲載された論文(Wang et al., 2023)をご紹介します。
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892. 2023年10月 世界食料価格動向  

国連食糧農業機関(FAO)は、11月3日、世界食料価格動向を公表しました。2023年10月の値は平均120.6ポイントで、前月より0.7ポイント(0.5%)低く、前年比で14.8ポイント(10.9%)低い値をとりました。10月の価格指標の微減は、砂糖・穀物・食用油と食肉価格の下げを反映しました。
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891. 温暖化を食い止めるために残された炭素収支

カーボンバジェット (Carbon Budget) :炭素収支とは、「他の人為的気候変動要因の影響を考慮に入れた上で、地球温暖化をある一定の確率下で、特定の気温上昇レベル以内に抑えることができる、累積CO2排出量の最大量」を指します。10月30日、Nature Climate Change誌で公表された論文は、温暖化を1.5℃以下にとどめるために排出可能な残りの炭素収支(the remaining carbon budget (RCB))は僅かしか残っていないと指摘しました。
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890. 気候変動のもと地球上の生命は未知の領域へ

10月24日、BioScience誌にて、世界の著名な研究者が2023年気候白書(The 2023 state of the climate report: Entering uncharted territory)を発表、気候変動の加速的な進行により地球上の生命は未知の領域に突入したと警鐘をならしました。そのメッセージを紹介します。
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889. 極端現象に晒される世界における水不足のセクター別インパクト

増え続ける世界人口と経済発展に応じ、生活用水から農業・工業・エネルギーなどの様々な分野での水利用は増加傾向にあります。さらに、極端現象の頻度の上昇はしばし水不足をもたらし、分野ごとに異なる水利用レスポンス(反応)を伴います。最近、Environmental Research Letters誌で公表された論文は、様々な要因(人口密度・気候条件・水供給システムアクセス・公共水管理計画・規制制度)が複雑に絡み合い、水利用レスポンスは分野・地域で異なる一方、今後、極端現象の頻度が増すと予測される中、水不足の軽減や水管理戦略を改善するために分野別、地域別のさらなる細やかなデータ収集の必要性を訴えました。
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888. 熱帯雨林の樹木は雑種化することで新しい能力を身につける

東南アジアの熱帯雨林は種の多様性がとても高く、世界で最も多様な動植物が生息する地域の一つです。将来の東南アジアの熱帯雨林は、気候変動により干ばつが増加すると予想され、今後は乾燥に対する耐性能力が樹木の生存にとって重要になります。このたび、雑種化によって樹木の乾燥耐性がどのように変化するのか検証してみました。
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887. 気候変動と生物多様性喪失:グローバルヘルスの緊急事態 

10月25日、The BMJ, The Lancetなどの著名な医学誌を含む200以上の学術誌の編集長らが共同で論考を発表、国連・政治家・専門家らに対し、気候危機および生物多様性喪失の問題をグローバルヘルスの緊急事態として一体的にとらえ、災厄回避のために緊急に対応する必要性を訴えました。
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886. 適応策のアクター

気候変動に起因する異常気象が頻発化する世界において、気候変動適応策をテコ入れしていくことが求められています。一方、適応策の計画・実施においてどのような社会的アクターが存在し、どのような役割を負うべきかについて不明なことが多すぎます。Nature Climate Change誌で発表された論文は、ケーススタディに関する文献を精査し、適応策実施において個人・世帯が最も重要なアクターであるとし、適応策の制度的設計に関わる政府やその他アクターとの連携調整の必要性を強調しました。
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885. 輸出商品依存経済の直面する問題

穀物や綿花などの農産品から電子産業に用いる銅などの鉱物資源は世界貿易の要ですが、これらへの過度の依存は経済・とくに貧困層を市場ショックに晒すことになります。とりわけ一国の輸出収入の60%以上を占めるような「輸出商品依存 “commodity dependent”」は、途上国にとって深刻な状況をもたらします。国連貿易開発会議(UNCTAD)が公表した報告書は、輸出商品依存が開発にもたらす5つの課題を論じました。
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884. 国際農研育成のサトウキビ品種がタイ国の奨励品種に採用     ―バガスを利用したバイオエネルギー等の増産が期待―

国際農研とタイ国農業局コンケン畑作物研究センター(以下、「KKFCRC」)が共同で育成した、バガスの生産性が高いサトウキビ品種「TPJ04-768」が、タイ国の奨励品種「DOA Khon Kaen 4」(ディーオーエー コンケン4、以下、「KK4」)として採用されました。タイ国のサトウキビ産業において、日本との共同研究の成果が奨励品種に採用されることは初めてのことです。
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883. SDG2達成に向けた科学技術イノベーション推進と食習慣の見直し

国際社会が紛争や気候変動への対応に追われる中、2050年に約100億人に達すると予測される世界人口を養っていく上で、母なる地球は多くの課題に直面しています。より栄養のある食をより多くの人に最小の環境負荷のもとで届けるには、生産面での科学技術イノベーションと消費面での食習慣の見直しがカギとなります。