現地の動き

Pick Up

489.トウモロコシからの地球を健康にする物質とは

増え続ける人口を支える作物や家畜のエサ(飼料)の収穫量を増やすためには、土に「窒素肥料」をまく必要がありますが、投与された分の約50%しか植物に吸収されず、残りは農地から汚染水や温室効果ガスの形で放出されています。国際農研の発行する広報JIRCAS最新号から、今回はトウモロコシからの地球を健康にする物質の探索に関する記事を紹介します。
Pick Up

488. 気候変動による動植物の活動周期と季節のミスマッチ

国連環境計画は、2016年以来、深刻化しつつある環境問題に焦点を当てたFrontiers報告書を発表しています。2022年2月17日に公表されたFrontiers 2022: Noise, Blazes and Mismatchesでは、都市の騒音公害の長期的な精神・健康への負の影響、気候変動によって頻発化する山火事・森林火災、気候変動による動植物の活動周期と季節のミスマッチ、の問題を取り上げています。本日は、動植物の活動周期と季節のミスマッチの話題を取り上げます。
Pick Up

487. IPCC - 気候変動に強靭な開発の必要性

2022年2月、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第2作業部会(WG2)「 気候変動に対する社会経済及び自然システムの脆弱性、気候変動がもたらす好影響・悪影響、並びに気候変動への適応のオプションについての評価による気候変動適応に関する報告書」が公表されました。報告書は、気候変動・エコシステム劣化や生物多様性喪失・人間社会の結合システム(coupled systems)に着目し、その相互関係から生まれるリスクを分析する一方、気候に強靭な開発(Climate Resilient Development)に向け、適応・緩和とSDGs達成を促進するための政策コミットメント・ガバナンスを提案します。
Pick Up

486. 国際農研が農研機構と共同で育成したサトウキビ新品種の一般農家への種苗配布が開始

サトウキビは、世界の砂糖の約8割、バイオエタノールの約4割を生産する世界の食料・エネルギー生産にとって重要な資源作物です。日本では、南西諸島の基幹作物として栽培されており、砂糖の国内自給率維持だけでなく、島嶼地域の社会・経済の維持にとっても重要な役割を果たしています。国際農研は農研機構と共同で、サトウキビ野生種との種間交配を利用した日本初の製糖用サトウキビ品種「はるのおうぎ」を育成しました。このたび、この新品種の普及に向けて、鹿児島県熊毛地域と奄美地域の一般農家への種苗配布が令和4年2月から開始されました。
Pick Up

485. 栄養不良という世界的な課題に取り組む~情報プログラムからの貢献

国際農研では、広報JIRCASという冊子を発行し、国際農研職員の活動を紹介しています。今回は最新号より栄養不良という世界的課題への取り組みについて抜粋し、一部編集した記事を紹介します。詳しい内容は本文をご覧ください。
Pick Up

484. 持続可能な食料システムにおける漁業と養殖業の役割

世界中の人々にとり、魚介・海藻類は健康な食生活に欠かせず、文化的にも極めて重要です。魚介・海藻類の提供において、小規模な漁業・養殖従業者は大きな役割を果たしています。国連は、食料システム・生業・文化・環境において小規模漁業・養殖従事者が果たす役割に光を当てることによるポジティブな波及効果を期待し、2022年を零細漁業と養殖の国際年(The International Year of Artisanal Fisheries and Aquaculture)と定めました。
Pick Up

483. アフリカ農業開発のカギとなる土壌管理研究

今年はTICAD 8が控えているように、日本にとってのアフリカ開発指針が議論されますが、他国の動向も気になるところです。この2月に公表されたEUの対アフリカ戦略報告書は、政治的優先分野の一つとしてグリーントランジションを挙げ、その実現には健全な土壌管理を基盤とする強靭で持続的な農業が中心的な役割を果たすことを強調しました。そしてそのような農業モデルの開発には、アフリカの農業気候土壌学的条件に関する深い知識の必要性を訴えています。
Pick Up

482. アフリカの食料安全保障と栄養の概要

2022年8月に第8回アフリカ開発会議(TICAD)が開催されます。アフリカの発展には、主要な産業である農業は不可欠で、食料安全保障の観点からも非常に重要です。昨年FAOが公表した「Africa – Regional Overview of Food Security and Nutrition 2021」の主要メッセージを紹介し、現状について共有したいと思います。
Pick Up

481. 持続可能な稲作:気候条件の変化に生産システムを適応させ、環境への影響を低減せよ

気候変動がかつてないスピードで加速する中、各国・各地域が気候変動への適応・緩和策を講じていく必要があります。今回は、先日紹介したFAO報告書「Crops and climate change impact briefs」から、気候変動のリスクにさらされている稲作システムの生産性を向上または維持するために実行可能なベストプラクティスについて紹介します。

Pick Up

480. 地球環境と100億人の健康のための食料システム

今日、世界では10人に一人が飢えに苦しむ一方、世界的に動物性食品や油脂を多く含む食生活の広まりにより肥満や過体重などに伴う疾病が蔓延するようになっています。こうした食生活を支える食料システムは、農業多様性に欠き、生物多様性の喪失の最大の原因とされ、また人為的な温室効果ガス排出の3分の1に相当する排出を通じて気候変動にも関わっています。近年、食料システムを見直そうという世界的な意識の高まりは、食の健康・環境・経済的なコストを可視化することで、地球と人類の健康によい食生活への行動変容とイノベーションを促すことを目指しています。
Pick Up

479. 気候変動への対応は待ったなし―世界銀行のベトナム経済見通し報告書より

アジアは気候変動のインパクトに最も脆弱な地域の一つです。ベトナムのような国では、気候変動は、食料安全保障のかなめであり、かつ輸出産業でもある農業部門への打撃を通じて、経済的・金銭的被害をもたらします。気候変動のリスクを評価し、適切な適応策・緩和策を講じる必要性があります。本日は、世界銀行が2022年1月に公表した、ベトナムの経済の見通しと気候変動による影響をとりまとめた報告書「No Time to Waste: The Challenges and Opportunities of Cleaner Trade for Vietnam」から、農業分野に関する分析を紹介します。
Pick Up

478. 厳しい環境と気候変動下での安定的な農業生産に向けた技術開発

アフリカをはじめとする開発途上地域では、土壌の肥沃度の低下や干ばつなどの環境要因や、病害虫などの生物要因によって、植物の生育や成長にストレスがかかり、農業のポテンシャルが十分に発揮されていないことが知られています。厳しい環境と気候変動下での安定的な農業生産に向けた技術開発のため、国際農研において2016〜2020年度に実施された3つのプロジェクトをまとめた総説をJARQ誌に公表しました。
Pick Up

477. 栄養に配慮した農業に関するシステマティックレビュー

栄養改善は多くのセクターにまたがる課題です。今回は、低中所得国において、栄養に配慮した農業(nutrition-sensitive agriculture)を実施したりスケールアップしたりする際、何がどのように効果的かをまとめたGlobal Food Security誌掲載のレビュー論文をご紹介します。
Pick Up

476. 2月10日は「世界マメの日」

FAOは、「Crops and climate change impact briefs(作物と気候変動への影響に関する概要)」を公開しました。本書にはササゲの章が設けられており、クライメート・スマート農業(CSA)による持続可能で回復力のあるササゲ生産システムや、気候変動への適応と緩和のためのアプローチについて説明しています。さらに、これらを実践することによる持続可能な開発目標(SDGs)への貢献についても述べられています。
Pick Up

475. アフリカにおける農業生産性の向上と食料安全保障のための持続可能な技術開発

4人に1人が栄養失調状態にあると言われ、2050年には人口が倍増すると予測されているサブサハラ・アフリカにおいて、量と質の両面から食料安全保障を実現することは、喫緊の課題となっています。アフリカにおける食料安全保障に貢献するため、国際農研において2016〜2020年度に実施された「アフリカ食料」プロジェクトをまとめた総説をJARQ誌に公表しました。

Pick Up

474. 国際農研の共同研究成果:中国のジャポニカ米の生産消費動向を解析した本を中国国内出版

国際農研は、中国の大学・研究機関との共同研究に基づき、長年にわたり、コメという中国にとって最重要である穀物の健全な産業市場の形成に貴重な情報の収集分析を行ってきました。このたび、共同研究の成果である学術本:良質米-消費の質への転換期の中国コメ研究、が中国語で現地出版されました。
Pick Up

473. 地球規模の海水温上昇とその影響

気候変動関連のニュースでは北極・南極の氷河の融解が注目されますが、地球温暖化による海洋熱波の頻度上昇は熱帯・亜熱帯地域にも大きな影響を及ぼします。2月1日にPLOS CLIMATE誌に公表された論文は、海洋における熱波の頻発化がニューノーマルになりつつあると指摘しています。同じく同誌で公表された論文は、1.5℃の気温上昇で、世界のサンゴ礁のほぼすべてが危機に晒される、と警告しました。
Pick Up

472. 2022年1月の食料価格動向

2022年2月3日、国連食糧農業機関(FAO)は、2021年12月に比べ、2022年1月の食料価格指標は1.5ポイント(1.1%)上昇し、135.7ポイントを記録したと発表しました。この上昇は、主に植物油主要生産国の供給制約を受けた価格高騰を反映しているようです。
Pick Up

471. 世界への大豆生産の広まりと研究

日本人にとって身近な食品である大豆は、20世紀初頭までは東アジアに限られた主に食用の作物でした。しかし20世紀に入り油糧作物および飼料作物として世界に生産が広まり、20世紀後半には生産量が急拡大しました。こうした大豆の生産地の拡大には、農業研究者らによる品種・栽培法の開発への努力があります。国際農研も、長きに渡り海外の大豆生産に関わる研究を続け、日本および世界の食料安全保障への貢献を目指しています。
Pick Up

470. 氷河の融解が生態系や農業基盤にもたらしうるインパクト

南極・北極では氷河の融解が確実に進行しているようです。氷河の融解は大量の真水を放出し、その融解の程度に応じて、周囲の海洋の物理・生物学的条件に大きな影響をもたらします。世界種子貯蔵庫が設置されたノルウェーのスバルバル半島でも、近年異常な高温が記録されていますが、氷河の融解の加速化といった気候状況が貯蔵庫の維持に支障をきたすのであれば、作物多様性に基づく農業基盤そのものを脅かしかねません。