現地の動き

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590. 持続的な環境へのアクセスは普遍的人権

7月18・19日にイギリスで史上初の40℃を超える熱波が報告されたように、気候変動の影響は次第に明らかになりつつあります。7月28日、国連総会にて、クリーンかつヘルシーで持続的な環境へのアクセスを普遍的人権であるとする議決が採択されました。国連は、人類が直面する環境への3重の脅威 -気候変動・汚染・生物多様性喪失- は、それぞれ原因と影響は異なるものの相関しあっており、地球の未来のために同時に解決される必要があると訴えました。
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589. 2022年アース・オーバーシュート・デイ

昨日7月28日は、2022年のアース・オーバーシュート・デイでした。昨年は8月2日でしたが、それよりも5日早まっています。我々は現在、気候変動と生物学的資源の制約に直面しており、あらゆる手段を講じることで、より強靭な社会を構築する必要があります。その中でも、食(Food)に関しては、食料生産における資源利用の非効率性を解消すること、及び食料廃棄物・ロスの解消に取り組むこと、が課題になります。
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588. 土水路や畦畔法面の崩落を防ぐ植物根系の土壌緊縛力

国際農研は、ガーナにおいて、土水路や畦畔の地表面を自生植物で被覆することで、水田水利施設を補強する技術に取り組んでいます。被覆植物の地上部は雨滴侵食を防止する被覆効果、地下部は亀裂や崩落を防止する土壌緊縛効果と大きく関連します。自生植物3種を供試し、土壌緊縛力を発現するまでの期間、植生の有無による土壌緊縛力の違い、強度増強の発生機序に関する知見を得たので紹介します。
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587. 世界の小麦供給と食料安全保障安定化

ウクライナ・ロシア戦争は、今後数カ月は世界の食料安全保障に甚大な影響を及ぼすことが想定されます。小麦・トウモロコシの国際研究を主導するCIMMYTの研究者らは、Nature Food誌にて、世界の小麦供給と食料安全保障を安定化させる短期・長期的手段を提案しました。
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586. 健康な土壌の役割

近年、人間や家畜の栄養を支える作物生産における健康な土壌の役割の重要性について、注目が集まっています土壌肥沃状況及び直面する課題について科学と政策の両面から評価する必要性が高まっており、国際社会も様々なイベントを通じて啓蒙活動を行っています。国際農研でも、TICAD 8を機会に、土壌の健康・肥沃度の向上に向けた科学技術・開発トピックに関するイベントを計画しております。是非、ご参加を検討ください。
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585. 世界農産物市場の動向

7月22日、国連とトルコの仲介により、黒海からウクライナの穀物輸送の再開に関する合意がなされましたが、その24時間内にオデッサ港の攻撃が伝えられ、状況打開に暗雲が立ち込めています。2022年6月末に、国連食糧農業機関 (FAO)が公表した農産物市場白書(The State of Agricultural Commodity Markets 2022:SOCO 2022)は、食料・農業貿易の地勢を取り上げ、多国間・地域間で貿易を推進する努力が、紛争・パンデミック・異常気象といったショックへのフードシステムの強靭性を高め、持続的開発を達成する上で欠かせないことを示しました。
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584. 持続可能な開発目標(SDGs)報告書2022

COVID-19、気候変動、紛争などによりSDGs達成が危ぶまれています。7月に国連が発表した『持続可能な開発目標(SDGs)報告書2022』のキーメッセージをまとめました。

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583. イベント「健全な土壌とアフリカの食料安全保障 ―環境再生型農業の可能性―」ポスター完成

先日、Pick Upでも周知させていただきましたように、8月5日(金)、ササカワ・アフリカ財団 (SAA)主催、国際農林水産業研究センター(国際農研)共催で、オンラインにてTICAD 8 サイドイベント「健全な土壌とアフリカの食料安全保障 ―環境再生型農業の可能性―」を開催します。このたび、イベントのポスターが完成いたしました。ぜひご覧ください。
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582. 自然の価値に関する多面的な評価の必要性

人為的な経済活動により、生物多様性はかつてないスピードで喪失しています。7月11日、生物多様性と生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)は、生物多様性の価値を評価する方法論を包括的にレビューした報告書(The Value Assessment)を発表、自然(Nature)の価値が政治・経済的意思決定では過小評価されていることを問題視しました。
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581. EUとイギリスの半分近くが干ばつリスク

イギリス気象庁は、7月18・19日の週に予測される異常な熱波により健康上の危険を警告するアラートを初めて発出しました。イギリスで40℃以上の気温が予測されるのははじめてのことで、人為的な気候変動の下で確率が10倍上昇したとされています。EUもまた、EUとイギリスの半分近い地域が干ばつリスクにさらされていると警告を発表、作物生産への影響の懸念を言及しました。
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580. オンラインイベント「健全な土壌とアフリカの食料安全保障 ―環境再生型農業の可能性―」

アフリカの農業は、長らく、慢性的な低土壌肥沃度と、養分の収奪により、農業生産性の低迷と食料安全保障の危機に悩まされてきました。今、アフリカの農業発展において、「健康な作物を生産するための健全な土壌」の必要性は、かつてないほど重要性を増しています。8月5日(金)、ササカワ・アフリカ財団 (SAA)主催、国際農林水産業研究センター(JIRCAS)共催で、オンラインにてTICAD 8 サイドイベント「健全な土壌とアフリカの食料安全保障 ―環境再生型農業の可能性―」を開催します。是非、ご参加ください。
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579. 報告書「2022 年世界の食料安全保障と栄養の現状(SOFI)」キーメッセージ

先日、国連機関(FAO, IFAD, UNICEF, WFP, WHO)による「世界の食料安全保障と栄養の現状(SOFI)」2022年版報告書が公表されました。 本日は、FAO駐日連絡事務所の許可のもと、キーメッセージのなかで食料栄養事情に関する部分の抄訳をお届けします。
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578. 国連「世界人口予測2022」~2022年11月15日 80億人到達と予測~

国連は7月11日の世界人口デーに合わせて、「世界人口予測2022」報告書を公表しました。報告では、世界の人口は2022年11月15日に80億人に達すると予測しています。この80億人到達は、祝福すべきことであると同時に、今後人類が直面する課題への解決策を見出すための呼びかけでもあるとしています。
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577. 年間を通じた間断かんがい(AWD)は農家の利益向上と温室効果ガス削減に寄与 ―気候変動の有望な緩和策および適応策としてアジアモンスーン地域への展開に期待―

ベトナム南部に位置するメコンデルタは、肥沃な低地が広がり降水量も多く、国内最大の水稲作地域です。近年、コメの作付面積が拡大しており、メタンをはじめとする温室効果ガス(GHG) 排出と水需要への対応策が求められています。今回、国際農研は、農家調査データを用い、通年のAWD実施による農家利益とGHG排出量削減の効果を評価、農家の増益と農業からの環境負荷軽減を両立するコベネフィットな農業システムであることを示しました。
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576. 2022年6月 世界食料価格動向-3カ月連続で下落するものの昨年に比べ2割高

国連食糧農業機関(FAO)は、7月8日、世界食料価格動向を公表、2022年6月の値は平均154.23ポイントで5月より2.3%低く、史上最高値を記録した3月から3か月連続で下落しましたが、1年前の水準からは29.0ポイント(21.1%)高水準にとどまったと報告しました。6月の下落は植物油・穀物・砂糖の国際価格下落を反映した一方、乳製品と肉類の価格は上昇しました。
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575. 世界人口デー ~世界各国の人口推移を見てみよう~

国際連合人口基金によると、2022年の世界人口は79億5400万人で、昨年に比べ7900万人増加と報告しています。7月11日の世界人口デーに合わせて、世界各国の人口推移が分かるダッシュボードを作成しました。世界各国・地域のこれまでの人口や今後の人口の推移を確認してみてはいかがでしょうか。

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574. 報告書「2022 年世界の食料安全保障と栄養の現状(SOFI)」:健康な食生活を享受するための食料・農業政策の見直しを

7月6日、5つの国連機関(FAO, IFAD, UNICEF, WFP, WHO)によって公表される「世界の食料安全保障と栄養の現状(SOFI)2022年版」が発行されました。栄養不足蔓延率(PoU)は、2019‐2020年の間に8.0%から9.3%に悪化したのち、減速はしたものの2021年に9.8%まで上昇、7.02億人 – 8.28億人が飢餓の影響下にあると推計されました。一方、インフレにより、2020年、31億人の人々が健康な食生活を享受しなかったとされ、報告書は健康な食生活を入手可能にするための政策の見直しを訴えました。

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573. 生物多様性の国際的枠組みをめぐる動向

生物多様性保全を目指す国際的枠組みが議論される予定であった国連生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)は、コロナ禍で何度か延期の憂き目にあってきましたが、ようやく12月に開催地を代えて実施されることが発表されました。国際的な合意の成功は、科学的アプローチで自然破壊をもたらす直接・間接的な要因をつきとめ、それらの背後にある我々人類の行動を抜本的に見直すことにかかっています。
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572. 高温不稔を軽減するイネ早朝開花性の利用

イネは開花時に高温に対する感受性が最も高く、35℃以上の高温に1時間でもさらされると、受精ができず不稔(空籾)が発生することが知られています。国際農研では、開花時の高温を避けるため、朝早く涼しい時間に花を咲かせようというユニークな発想に基づき、それを可能にする早朝開花性(EMF; early morning flowering)の研究を進めています。
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571. 異常気象と気候変動の因果関係

6月下旬の日本では暑い日が続きましたが、気象庁は東・西日本の各地と東北南部では記録的に早く梅雨明けしたとの速報見込みを発表しています。今年に入り世界各地でも熱波が報告されていますが、とくに、3月以降インド・パキスタンおよび南アジアの大部分の地域を覆った熱波は、人為的に引き起こされた気候変動により確率が30倍高まったという推計も報告されています。近年、異常気象と気候変動との因果関係を迅速に推計する手法が改善しています。Environmental Research Climate誌に発表されたレビュー論文は世界的に見て熱波と気候変動との関係は明らかな傾向があるとしました。