現地の動き

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1184.気候変動におけるレジリエンスの構築

増大する気候変動の影響に適応するための計画は必要不可欠です。先進国か発展途上国にかかわらず、世界中で気温上昇や異常気象の脅威が現実化しています。持続可能で低インフレ成長を可能にする気候にレジリエントな社会構築のための計画が緊急に必要とされています。
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1183. ネットゼロ目標に向けたCDRポートフォリオ

IPCCによると、現状の温室効果ガス排出トレンドのもとでパリ協定の気候目標1.5°Cに温暖化を制限することは困難とされ、二酸化炭素除去(Carbon Dioxide Removal :CDR)の実施が避けられないと考えられています。MIT研究者らによる論文は、土地・エネルギー・経済的なトレードオフを最小化・コベネフィットを最大化しつつネットゼロ目標を達成するために、異なる技術を組み合わせるCDRポートフォリオが効果的である可能性を示しました。
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1182. 地球規模の水循環における人為的な影響

最近発表された論文で、NASAの科学者たちは、約20年の観測データを用い、地球規模の水循環における人為的な影響が我々の想像以上に重要であることを確認しました。変化の大部分は農業などの活動によって引き起こされており、生態系や水管理に影響を与えている可能性が示唆されました。
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1181. 食料システム・カウントダウン

食料システム変革は、SDGs・気候変動・生物多様性保全、その他多くの国際的な目標を達成するために必要です。食料システム・カウントダウン・イニシアティブ(FSCI)は、食料システム変革に関する指標を分析し、安全な水へのアクセスの向上、野菜の供給の増加、動植物遺伝資源の保全の強化等の、ポジティブな進展と、健康的な食事のコスト増、食料不安を経験している人々の増加、政府の説明責任の課題、等の懸念、の双方を示しました。
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1180. 飢餓撲滅に向けた「ムーンショット」イノベーション

1月14日、153人のノーベル賞および世界食糧賞受賞者らが、今後25年間で飢餓の危機を回避する可能性が最も高い「ムーンショット」技術の開発に向けた財政的および政治的支援を求める公開書簡を発表しました。
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1179. 2024年、観測史上最速の大気中CO₂濃度上昇

イギリス気象庁によると、1958年来のハワイ・マウナロアにおける長期的な測定記録において、2024年の大気中CO₂濃度が史上最速の年次上昇率を示しました。地球温暖化をパリ協定で合意された1.5°Cに制限するためにはCO₂濃度上昇率を年1.8ppmに抑える必要があるのに対し、測定された上昇は3.58ppmで、予測値の2.84ppmも大きく上回りました。
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1178. グローバルリスク2025

世界経済フォーラム(WEF)が毎年公表する最新の「グローバルリスク報告書Global Risks Report 2025」によると、今年の5大リスクとして、国家による武力紛争、異常気象、地勢学的な対立、誤情報と偽情報、社会の二極化、が挙げられました。長期的なリスク見通しでは、依然、環境リスクが大半を占めました。
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1177. 生物多様性喪失の回避には高収量農業が不可欠となる

食料生産は、他のどの人間活動の分野よりも生物多様性に影響を及ぼすと指摘されてきました。Phil. Trans. R. Soc. B.で公表されたレビュー論文は、生物多様性喪失の抑制のためには、面積当りの高収量を維持する持続可能な農業集約化が不可欠であると論じました。
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1176. 温暖化のもとでの水文気候の変動性

2025年の年明け、ロサンゼルスは深刻な山火事に見舞われましたが、この背景に「むち打ちwhiplash」に例えられるほどの「水文気候の急変hydroclimate volatility」を指摘する研究者もいます。Nature Reviews Earth & Environmentに発表された論文は、人為的な温暖化に伴う水文気候の変動性増加は、湿潤状態と乾燥状態の急激な変動に関連する危険(洪水、山火事、地滑り、病気の発生)を増幅させる可能性を指摘しました。
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1175. 2024年、記録的な海面水温・海洋貯熱量を観測

地球の表面の70%を覆う海洋は地球の気候にとって極めて重要な役割を果たします。Advances in Atmospheric Sciencesに発表された研究によると、2024年、全球の海面水温(sea surface temperature SST)と上部2000mの海洋貯熱量(ocean heat content OHC)が前例のない史上最高値に達しました。
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1174. 2024年は観測史上最も暑い年

先日もお伝えしましたが、1月10日、コペルニクス気候変動サービスが、NASA, NOAA、WMOなど、地球規模の気候モニタリングに関与する機関とタイミングを合わせ、2024年が1850年に記録が始まって以来最も暑い年であり、産業革命前の水準と比べ1.5°Cを超えた温暖化を観測した暦上最初の年であった、と公式発表しました。
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1173. ワンヘルス・アプローチにおける生態学の重要性

COVID-19パンデミックから、5年が経とうとしています。COVID-19は人獣共通感染症の一つですが、人獣共通感染症の発現は、人為的要因による環境変化や生態系の攪乱と密接に関わっています。昨年末、PNAS誌に発表された論説は、ワンヘルス・アプローチにおける生態学の視点の重要性を強調しました。
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1172. プラネタリーバウンダリー内にとどまるための土地管理の変革

森林破壊、都市化、持続不可能な農業は、前例のない規模で地球規模の土地劣化を引き起こしており、地球システムのみならず、人間の生存自体を脅かしています。昨年末、ポツダム気候影響研究所(PIK)と国連砂漠化対処条約(UNCCD)は、報告書「崖っぷちからの退出:プラネタリーバウンダリー内にとどまるための土地管理の変革 Stepping back from the precipice: Transforming land management to stay within planetary boundaries」を発表しました。
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1171. 2024年‐気候変動の「リスクが現実に」

極端現象と気候変動の因果関係を分析するWorld Weather Attribution (WWA)は、2024年に人々の健康を脅かす熱波が41日間増加したことにも言及、気候変動の「リスクが現実に」なったと表現しました。
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1170. 2024年12月 世界食料価格動向   

国連食糧農業機関(FAO)は、1月3日、世界食料価格動向を公表しました。2024年12月の値は平均127.50ポイントで、11月から0.5%下落、食肉価格の上昇を打ち消す砂糖・植物油・穀物価格の下落を反映しました。この数値は昨年よりも6.7%高いものの、2022年3月の史上最高値よりは20.7%低い値でした。2024年全期間の価格指標は122.0ポイントで、2023年平均値よりも2.1%低い値をとりました。
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1169. 2025年を迎えて

EUのコペルニクス気候変動サービスによると、2024年は産業革命前の水準と比べ1.5°Cを超えた温暖化を観測した暦上最初の年となりました。今年最初のPick Upは、昨年末のNature誌が発表した2025年に注目すべき科学・研究イベントから、食料システム・農林水産業にも関連する話題 -減量特効薬・アメリカ新政権での気候環境政策・COP30・森林モニタリングー を紹介します。
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1168. 2024年を振り返って

2024年のPick Up注目記事からは、世界食料安全保障・食料システムの動向を左右する要因として、増える世界人口と人口動態の地域差、飢餓ゼロ達成を阻む気候変動・紛争・経済不況、気候変動インパクトの現実化、といったトレンドが浮き上がりました。
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1167. 農業市場情報2024年のレビューと2025年見通し

2024年も終わりに近づいてきていますが、農業市場情報システム(Agricultural Market Information System -AMIS)は農作物市場に関する2024年のトレンドを振り返り、2025年の市場動向に影響を与える要因について見通しを行いました。
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1166. 雪氷圏が直面する変化

週末から日本では冬型の気圧配置が強まり、クリスマス寒波のもと、東日本から西日本の日本海側では、山地を中心に警報級の大雪が予報されました。雪は、太陽熱を反射するなど地球の気候システムに影響を及ぼす主要な特性があります。そんな雪と氷におおわれる雪氷圏(cryosphere)は「気候システムの炭鉱のカナリア」とも呼ばれますが、気候変動の影響のもとで劇的な変化に見舞われています。
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1165.カカオ・コーヒー価格の高騰

ここのところ、カカオおよびコーヒーの国際価格が高騰しています。この背景に、気候変動による天候の不確実性の影響が指摘されています。