現地の動き

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233. 最近の世界食料価格動向

国連食糧農業機関 (FAO)によると、2021年1月、FAO食料価格指標は前月から4.3%上昇し、2014年7月以来の高水準となりました。この背景には、世界貿易の取引高が急拡大し、世界食料備蓄が急激に逼迫したという事情があります。

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232. 日々の気温変動による経済成長への影響

気候変動は地球規模での気温上昇をもたらすことで、干ばつ、洪水、森林火災、熱波やスーパー台風などを引き起こしています。気候変動研究では毎年の平均気温変化が経済抑制効果を持つことについて議論される一方、日々の気温変動のインパクトについては十分論じられてきませんでした。2021年2月、Nature Climate Change誌にて公表された論文は、日々の気温の乱高下は経済成長を抑制し、とりわけ低緯度の低所得地域が最も脆弱であると論じました。

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231. 田んぼから温室効果ガスを減らす

お米を作る際に地球温暖化の原因となる温室効果ガス(メタン)が排出されているのをご存知でしょうか。国際農研では田んぼの水管理法によってメタンを減らす研究を行ってきましたが、なんとその方法で米の収量も増えるのです。今回、ベトナムで行っているこの栽培技術による農家の利潤や環境への影響について行った現地調査を紹介します。

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230. 病気に強い大豆をつくる

世界の大豆の半分以上が南米3カ国ブラジル・アルゼンチン・パラグアイで生産され、現地ではダイズさび病が大きな問題となっています。国際農研は、国内外の研究機関とさび病菌に強い大豆の開発を行っており、パラグアイでは現地の機関とさび病に強い品種の開発に成功しました。

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229. フードシステムを通じた栄養改善についての政策提言

ロンドン大学シティ校食料政策センターが昨年12月に公開したポリシーブリーフでは、「フードシステムをすべての人がより健康的な食生活を送る方向に向けるための42の政策と行動」が提言されています。農業に関する提言では、農民による栄養ある作物栽培・販売支援のための普及システム・インフラ・教育の強化や、栄養ある作物栽培からの所得向上を促進する農業開発プログラムの改編、研究に関する提言では、育種における栄養価改善重視が謳われています

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228. サブサハラアフリカでのインデックス保険によるリスク管理

農業分野における天候インデックス保険では、例えば作期中の降雨量が通常の収穫に必要とされる降雨量を下回った場合に保険料が支払われます。しかし、モデルによる被害規模の推定に失敗すると農民への支払いが滞ります。このような問題を解決する一手として、近年目覚ましく進歩してきている作物モデルやリモートセンシング技術を使ったインデックス保険の改良が提案されています。

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227. 米国が気候変動に対してリーダーシップを発揮する4つの方法

気候変動対策のための国際協調において、ビックプレイヤーである米国の動向は注目に値します。マイクロソフトの共同創業者のビル・ゲイツ氏は、バイデン大統領のパリ協定への再参加決定を歓迎し、彼のブログGates Noteの中で『米国が気候変動に対してリーダーシップを発揮する4つの方法(4 ways the U.S. can reassert leadership on climate change)』をまとめました。

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226. 国連海洋科学の10年

2021年、国連の「持続可能な開発のための海洋科学の10年」がはじまります。海洋は、我々の地球で最大の面積を占めるエコシステムであり、気候安定化、炭素貯留、酸素生成、想像を超える生物多様性の育成、そして食料・鉱物・エネルギー資源および文化・リクリエーション価値を通じて人類の福祉に貢献しています。

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225. 世界および地域レベルでの土地利用変化をもたらす要因

人類による土地利用は、エコシステムを改変し、生物多様性を劣化させ、炭素・窒素サイクルを攪乱させ、大気に温室効果ガス(GHG)を排出してきました。2021年1月、Nature誌にて、1961年~2017年の期間における土地利用からのGHG排出トレンドについて地域・セクター別の要因分析を行った論文が発表されました。2017年には土地利用からのGHG排出は人為的なGHG排出の約25%程度を占めましたが、その原因は地域ごとに大きく異なりました。

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224. 気候科学において2020年に得られた新しい洞察

Global Science誌において、気候危機に対する国際協調への道筋を決定する上でカギとなる気候変動科学の最新かつ最重要な10の洞察(10 New Insights in Climate Science 2020 - a Horizon Scan)をまとめた論文が発表されました。

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223. 史上最大の気候変動世論調査―People’s Climate Vote

2021年1月、国連開発計画(UNDP)とオックスフォード大学は、世界人口の半数以上に相当する50か国を対象に、史上最大の気候変動に関する世論調査 – “People’s Climate Vote” を実施しました。調査の結果、COVID-19パンデミック渦中でも、64%の人々が気候変動を世界が直面する緊急事態であると認識していることを示しました。

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222. CGIAR 50周年とOne CGIAR

CGIARは、開発途上国の農林水産業の生産性向上、技術発展を目的に1971年に設立された国際組織であり、国際農業イノベーションを主導してきました。このCGIARは2021年に設立50周年を迎えます。Bill Gates氏は「CGIARについて聞いたことのない人の方が多いかもしれないが、人類の食料問題への貢献においてその功績ははかりしれない」と述べています。

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221. レジリエンス指標の向上を目指して

SDGsやパリ協定などのハイレベル政策イニシアチブを含め、持続性議論・開発アジェンダの間でも、レジリエンス(強靭性)は最重要課題になりつつあります。2021年1月、Nature Sustainability誌にて、レジリエンス指標の向上を呼び掛ける論考が発表されました。

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220. 生物多様性のためのワンプラネット・サミット (One Planet Summit for Biodiversity)

2021年1月11日に第4回ワンプラネット・サミットが開催され、生物多様性の保護のための国際的な行動を加速させるために、4つのテーマに焦点を当てた議論が行われ、9つのイニシアチブについて報告されました。

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219. アフリカ農業開発とe-エクステンション・プラットフォーム 構築へ向けた取り組み

近年、アフリカにおいて農民に対する気象・技術・市場情報の提供手段としてのデジタル技術への期待が高まっていますが、コロナ危機はデジタル・シフトへの試行を一気に加速する契機となりそうです。ササカワ・アフリカ財団の「e-エクステンション・プラットフォーム」構築の取り組みを紹介します。

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218. 科学者による気候変動適応策強化の呼びかけ

温室効果ガス排出の加速化の中で、強烈な干ばつ、山火事、熱波、洪水、破壊的なサイクローン、台風などの極端気象の頻度が増加していますが、科学者らはこれらの現象を人為的な経済活動に起因すると指摘しています。世界の指導者達に向けて、世界中の研究者が気候変動適応のための経済刺激策の強化を訴えました。

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217. COVID-19とサバクトビバッタの世界食料市場インパクトに関するシナリオ分析

2020年のCOVID-19とサバクトビバッタ襲来の同時進行は、フードサプライチェーンの流通面における潜在的な脆弱性を浮かび上がらせる契機となりました。グローバル化社会においては世界食料安全保障の事情について予断をゆるさず、常に心の準備をしておく必要があります。2021年1月、Nature Food誌において公表された論文は、2020年COVID-19とサバクトビバッタ被害の同時発生にアイデアを受け、このようなイベントが食料問題を引き起こす場合のシナリオ分析を行いました。

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216. 市場アクセスと食の多様性

栄養不足人口のかなりの割合を占めている低中所得国の小規模農民にとって、食の多様性は、必要な栄養素をバランスよく十分に摂取するために重要です。Global Food Security誌で公表されたシステマティックレビュー論文は、市場へのアクセスと食事の多様性に正の相関があること示しつつ、市場アクセスの改善が農家の食事の質を改善するための効果的な経路であるかどうかは現地の事情に依存し、さらなる研究の必要性を訴えました。
 

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215. グローバル・リスクについての戦略的洞察の必要性

世界経済フォーラム(WEF)が毎年1月に公表するグローバル・リスク報告書は、世界の指導者達の世界の捉え方の視点の変遷を捉える意味から、地球規模問題の動向を占ううえで注目されています。2021年報告書は、最大のインパクトを伴うリスクとして感染症を1位にランクしました。同時に、今後起こり得るリスクのランキング上位に、4位の感染症とともに、極端気象(1位)、気候アクションの失敗(2位)、人為的な環境ダメージ(3位)、生物多様性喪失(5位)等、気候変動関連のリスクを挙げました。

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214. 気温上昇、降雨量増加が子どもの食の多様性に与える影響

食の多様性は、とりわけ子供にとって、成長に欠かせない栄養素(微量栄養素を含む)を供給するために重要なものです。しかしこれまで地球レベルの気候変動と食の多様性の関係についての実証研究・エビデンスは限られていました。2021年1月にEnvironmental Research Letters誌で公表された論文において、著者らは気温上昇と降雨変動の上昇は、子供の食の多様性ひいては栄養状態に短・長期的な影響を与え、食料安全保障改善のための開発介入を弱体化しかねないことを示唆しました。