現地の動き
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1250. 貿易をめぐる緊張:不確実な時代における食料安全保障の確保
昨今、貿易摩擦が激化し、生産者・貿易業者・そして消費者に新たな不確実性をもたらしています。世界市場の透明性の維持・強化に貢献し、対話を通じた解決策を見出す取り組みを支援している農業市場情報システム(Agricultural Market Information System AMIS)の記事を紹介します。
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1249. 2025年4月 世界食料価格動向
国連食糧農業機関(FAO)は、5月2日、世界食料価格動向を公表しました。2025年4月の値は平均128.3ポイントで、前月比で1.0%上昇しました。穀物、乳製品、食肉の価格指数の上昇が、砂糖と植物油の価格指数の下落を上回りました。食料価格指標は前年同月比で7.6%上昇しましたが、2022年3月に記録したピーク値からは19.9%低い水準にとどまりました。
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1248. メンデルのエンドウ豆に関する遺伝学の謎が解明
修道士グレゴール・メンデルは、160年以上前にエンドウ豆(Pisum sativum)の種子や莢の形や色など、7つの形質を綿密に研究し、遺伝的遺伝に関する画期的な研究を成し遂げました。4月23日にNature誌に掲載された論文で、7つの形質のうち残された最後の3つのエンドウ豆形質を担う遺伝子が特定されました。
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1247. 急激な気温反転と気候変動
急激な気温反転(rapid temperature flips)とは、極端な高温から低温へ、あるいはその逆の急激な気温変化を指します。人類と生態系にとって大きな課題となりますが、そのメカニズムはまだ解明されていません。Nature Communicationsで公表された論文によると、生態系や人間の健康に悪影響を及ぼす可能性のあるこうした気温変化は、高排出シナリオの下で今世紀末までに世界のほとんどの地域でさらに増加すると予測されており、特に低所得国にとって危機となることが見込まれています。
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1246. 大気中の炭素を吸収して地球を冷却する3つの方法
2015年のパリ協定で定められた気温目標を世界が大幅に超える可能性が高くなっている中、世界中の政府、公益事業会社、そして数百ものスタートアップ企業が、大気から直接炭素を吸収する、海洋を改造して通常よりも多くの炭素を吸収させる、そして陸上での炭素除去を強化するという、3つの主要なアプローチに基づく炭素除去戦略に投資を行っています。Nature誌の論説から要点を紹介します。
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1245. 気候変動の緩和と社会正義
気候変動の緩和と社会的正義は、重大かつ複雑に絡み合った課題です。PNAS誌の論考は、気候変動緩和戦略がどのように不正義を生み出し、あるいは改善するかを体系的に評価していますが、とくに自然に基づく解決策(nature-based solutions)についての考察を紹介します。
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1244. 土壌の健全性が作物収量と窒素利用効率に与える影響
世界人口80億人の食料生産を支えるため、年間1億2000万トン以上の窒素肥料が投入され、大気や水質の悪化、生態系の健全性、気候の安定性など、深刻な環境問題を引き起こしています。窒素利用効率(NUE)を高めて作物の収量を向上させ、同時に環境中の窒素過剰を抑制することは、地球の持続可能性にとって不可欠です。Nature Food誌で発表された研究は、土壌、気候、圃場管理慣行に関する高解像度の世界的データを統合し、土壌の健全性が農業生産性に及ぼす影響を体系的に評価し、食料安全保障と環境の持続可能性の両方を達成するために、土壌の健全性管理が重要であることを示しました。
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1243. 東南アジア連絡拠点だより⑧:タイの正月料理『カオチェ』
タイの旧正月は『ソンクラン』と呼ばれ、4月13日から15日が祝日になります。別名『水かけ祭り』とも言われていて、皆で水を掛けあって新年を祝います。そんなソンクランの時期に食べる伝統料理があるのをご存じでしたか?
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1242. 科学と政策の橋渡し
気候変動、紛争、生物多様性の喪失、そして飢餓といった課題に迅速に対応するための政策策定において、食料システム科学の役割がこれまで以上に必要とされています。一方、多くの政策策定者にとって、科学を適用するにあたり、政策に必要な適切なデータや情報、そして明確さと実用性の欠如がしばし問題になるようです。世界最大のグローバル農業イノベーションネットワークであるCGIARは、科学を政策に結びつける取り組みの一環として、意思決定者のための食料システム科学の活用ガイドを発表しました。
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1241. アースデー2025
生物多様性の破壊を伴う人為的な自然の改変は、地球を支える生態系の機能を損ねる可能性があります。4月22日アースデーは、地球が直面する様々な環境危機に対する行動を促す啓蒙の機会を提供します。
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1240. オーバーシュートに関する議論
多くの国や企業の気候目標は、パリ協定目標を目指していますが、地球温暖化が1.5℃を超えることはほぼ避けられないと考えられています。レビュー論文にもとづき、『オーバーシュート』、すなわち、一定期間にわたり1.5℃という温暖化限界を超えるものの、一定期間内にその限界以下に戻る地球温暖化の軌跡、の概念について紹介します。
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1239. 国際農研の一般公開が6年ぶりに対面開催!
明日、2025年4月19日(土)、世界中を駆け巡りながら研究に取り組む研究者たちがブースに立ち、研究内容をご紹介します。最前線の研究者と対話できる貴重な機会ですので、ぜひお気軽にお声がけください。
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1238. 地球温暖化によって海面熱波の持続期間が増加
海洋熱波は、海洋生物に深刻な影響を及ぼす、温暖な海水が持続的に続く極端な気候現象です。これらの現象は、人為的な地球温暖化を受けて、より激しく、より長く、より頻繁に発生しています。4月14日に米国科学アカデミー紀要(PNAS)に公表された論文は、地球温暖化によって海洋が極端な表面熱状態を経験する年間日数が3倍に増加していることを示しました。
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1237. 気候変動インパクトの社会的側面
最も貧困で脆弱な人々は、気候変動の原因にもっとも関与していないにもかかわらず、異常気象の影響を最も強く受ける傾向があります。気候変動と世界的な不平等のパターンの関係について論じた、世界銀行の考察を紹介します。
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1236. 健康な老化のための食生活
世界では高齢化が急速に進行しており、不健康な食生活に起因する非感染性疾患の蔓延が医療システムへの負荷をさらに増大させる懸念に対し、健康的な食生活の促進は世界的な優先事項です。Nature Medicine誌に掲載された最近の論文は、最長30年間の追跡調査データを精査した結果、植物性食品を多く含み、健康的な動物性食品を適度に含む食生活パターンが、健康的な老化を促進する可能性を示唆しました。
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1235. 2025 年 3 月は史上2 番目に暖かい3月だった
EUのコペルニクス気候変動サービスによると、2025 年 3 月は世界的に史上 2 番目に暖かい 3 月で、産業革命以前の水準より 1.60°C 高くなりました。また、北極の海氷は、衛星記録がある47年間で3月の月間最低面積を記録し、平均より6%低くなりました。
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1233. 気候モデリングの未来
天気予報とは対照的に、気候予測はリアルタイムで検証できないため、物理学的なモデルの構築に依存してきました。npj Climate and Atmospheric Scienceで公表された論文「気候モデリングの未来The futures of climate modeling」は、気候モデリングの現状と、将来の展開について考察しています。
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1232. ネイチャーベースドソリューションの実現可能性
ネイチャーベースドソリューション(Nature-based solutions )は、とりわけ気候変動の影響と食料システムの非効率性という二重負荷に直面する脆弱な国々に有望な機会を提供し、世界の食料システム変革の道筋を提供することが期待されます。ただし、その技術的実現可能性と経済的実行可能性はコンテクストに大きく依存するため、適切なインセンティブと導入を促進する政策的条件が求められます。
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1231. 人為的活動の生物多様性への影響
生物多様性の変化は、地域から地球規模まで人間社会に重大な脅威をもたらしており、人為的な活動の生態系への影響の理解が緊急に必要であることを浮き彫りにしています。Nature誌で公表された論文は、公表論文を網羅的に分析し、ローカルからグローバルまでいくつかの空間スケールにわたり、人為的な生物多様性への影響を定量化し、人為的な影響を受けた調査地が参照調査地よりも互いに類似しているか(homogenization)、または異なっているか (differentiation) を評価し、また種の構成の変化も調べました。