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1243. 東南アジア連絡拠点だより⑧:タイの正月料理『カオチェ』

1243. 東南アジア連絡拠点だより⑧:タイの正月料理『カオチェ』
先週タイは旧正月『ソンクラン(タイ語:สงกรานต์、英語:Songkran Festival)』でした。タイ観光・スポーツ省によると、今年のソンクランの1週間に入国した外国人旅行者は66万6180人だそうです。
ソンクランは4月13日から15日に定められていて、タイの祝日になっています。別名『水かけ祭り』とも呼ばれていて、みんなで水を掛けあって新年を祝っています。
元々、ソンクランは家族が一堂に集って共同で仏像のお清めを行ったり年輩の家族のお清めを行ったりする期間でしたが、後に単なる水の掛けあいに発展していきました。このため日本では水かけ祭りとも呼ばれています。
そんなソンクランの時期に食べるタイの伝統料理があります。
それは『カオチェ』
カオチェ(ข้าวแช่)は水に浸したご飯の意味です(ข้าวカオ=ご飯、แช่チェ=浸す、冷やす)。
タイ北部の山岳地帯に住む少数民族のモン族が新年のお祝いに食べていた料理をラーマ5世の時代にタイの宮廷料理として発展させたものらしく、食欲が減退する猛暑の時期に清涼感のあるさっぱりとした料理で食欲をそそるようにと考案されたそうです。
そんなカオチェですが、お米はジャスミンなどの花が浮かぶ氷水に浸かっていて、ほのかにジャスミンの香りがします。お米はサラサラとしてするすると口の中に入っていきます。
付け合わせのおかずは、揚げ物もしくは甘い味付けのものがほとんどで、1品ごと綺麗に並べられていました。
【カオチェ】
・お米(炊いたジャスミンライスのぬめりを取って氷水に浸して、ジャスミンの花などが浮かべられています)
・ピーマンの豚肉詰めを揚げたもの
・ホムデン(小赤玉ネギ)のフリット
・切干しパパイヤ?甘辛煮
・ココナッツ風味のエビのでんぶ
・さきいか?を甘辛く煮詰めたもの
・カピ(小エビの塩漬け)を小さく丸めて揚げたもの
・生野菜(ネギ、キュウリ、マンゴー)の飾り切り
など
訪問したレストランでは、ほとんどの人がカオチェを注文してこの伝統料理を楽しんでいました。
連日35℃に達していたので、タイの猛暑を乗り切るのには冷水に浸したごはんを食べるのも良いものでした。
(参考)
MICHELIN GUIDE: Iconic Dishes: What Is Khao Chae, an Iconic Thai Summer Dish, and Where to Find It During Songkran
https://guide.michelin.com/th/en/article/features/what-is-khao-chae-son…
文責:東南アジア連絡拠点代表 金森 紀仁