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1041. タイの多様なコメ食文化

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1041. タイの多様なコメ食文化

 

6月18日は「持続可能な食文化の日(Sustainable Gastronomy Day)」です。東南アジア連絡拠点のあるバンコクから、タイの多様なコメ食文化について紹介します。

世界でも有数のお米の生産国であり消費国でもあるタイでは、年間の平均気温28℃という暖かい気候を利用して、年間を通してお米が栽培されています。2022 年のタイのコメ生産量は 3,431万トンで世界第6位,コメ輸出量(精白米ベース)は 768万トンでインドに次ぐ2位となっており(FAOSTAT),タイのコメ生産は国内の消費だけでなく,海外の食をも支えています。

タイではインディカ米の生産が主流で、日本のお米よりもねばり気が少なく、パラパラしています。日本に高級米があるように、タイにもジャスミンライスと呼ばれる炊き上げると芳しい香りを放つ最高級香り米があります。

ちなみに、国際農研では過去にタイ米の香り成分の研究を行っていました。
https://www.jircas.go.jp/ja/publication/research_results/2002_16

また、タイではインディカ米(うるち米)だけで無く、もち米もよく食べられています。


タイのもち米「カオニャオ」

カオニャオなんて可愛らしい名前ですが、「カオ」はお米、「ニャオ」は粘りのあるという意味です。タイでは「イサーン料理」と呼ばれる東北部の郷土料理がおいしいのですが、イサーン料理にはもち米が欠かせません。円筒状の小さな網カゴに盛られた炊きたてのもち米は、もちもち食感で、タイ料理の旨味を引き立てます。レストランでは、もち米を手で一口分ずつつまみながらガイヤーン(タイ風焼き鳥)やソムタム(青パパイヤサラダ)などと一緒に食べます。街中の屋台では籠に入れたもち米を蒸している光景もたまに見られます。


もち米のデザート

タイはフルーツが豊富で、トロピカルフルーツの、マンゴー、グアバ、ジャックフルーツ、ライチなどがたくさん出回っています。切ったマンゴーに蒸したもち米を添えてコンデンスココナッツミルクを加えた「カオニヤオ・マムアン」は、タイの代表的人気スイーツです。ちなみにこのデザートは、料理情報メディアTasteAtlasによる「世界で最も評価の高いプディング10選」にて、第3位を獲得しています。
竹筒にもち米とココナッツミルクを入れて蒸し焼きにした伝統的なお菓子「カオラーム」もあります。甘さ控えめで、ほんのり甘い程度なので、赤飯のように軽く塩を振って食べるのがお気に入りです。


米をつかった麺

お米と同様に、麺料理もタイの日常の食生活に欠かせないメニューです。小麦粉から作られた麺もありますが、やはり主流なのは米麺です。街中にはたくさんの麺料理屋さんがあります(麺料理は「クイッティアオ」と言います)。そこには3種類の米麺(細麺のセンミー、中太麺のセンレック、平たい太麺のセンヤーイ)が置いてあり、注文するときに選びます。その他にも汁あり、汁なし、炒めなどの調理法や、トッピングの具なども選んで自分の好みの料理に仕上げます。

また、タイにはお米を水につけた状態で発酵させてから麺を作るカノムチン(発酵米麺)もあります。見た目は日本のそうめんにそっくりですが、食べ方は異なり、辛いカレーなどをかけて食べます。また屋台ではカノムチンをソムタムと和えて提供していました。

国際農研ではこれまでに多くのカノムチンの研究を行っています。
https://www.jircas.go.jp/ja/publication/research_results/2020_c02
https://www.jircas.go.jp/ja/publication/research_results/2019_c01
https://www.jircas.go.jp/ja/relations/followup/2023/2019_c01

 

甘酒、そして、米酒

もちろんお米を使った飲み物もあります。日本の甘酒に似たもので「カオマーク」があります。これは蒸した餅米に麹菌をまぶして常温で糖化して作ります。日本の甘酒のような液体というよりも、米粒の原型が大部分残っていて、下に甘い汁がたまっている状態です。
このカオマークを壺に入れて更に発酵させると「サトー」という米酒になります。空港に売っていたので飲んでみたところ、少し酸味が効いたやや甘口のお酒でした(アルコール6.5%)。インターネットでは、白ワインのような味との表現もあり、酸味はワインに比べると少ないものの、確かにやや甘口の白ワインに近いかもしれません。もしくは、マッコリをろ過して透明にしたらこんな感じになるのかもしれないと思いながら飲みました。ネットでの評判はそれほどよくないのですが、結構気に入っています。


今回は、「持続可能な食文化の日」ということで、東南アジア連絡拠点からタイのコメ食文化について紹介しました。今後も東南アジアの様々な情報を提供していく予定です。

801.サステナブル・ガストロノミー『持続可能な食文化』
https://www.jircas.go.jp/ja/program/proc/blog/20230619


(文責:東南アジア連絡拠点代表 金森紀仁)
 

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