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1203.食料システム変革のストックテーキング

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1203.食料システム変革のストックテーキング

 

2月19日、国連は、第2回食料システムサミットのストックテーキングへの参加を促す国連事務総長のメッセージに関するプレスリリースを発表しました。

食料システムの変革は、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた前進を推進し、現在および将来にわたって全ての地域の全ての人々に栄養価の高い食料を提供するうえで不可欠です。特に、2030アジェンダに向けて残された5年間に、その重要性は増しています。2021年、国連事務総長が国連食料システムサミットを招集し、食料システムに対する新たな統合アプローチの基盤が確立され、貧困撲滅・飢餓ゼロ・不平等解消・気候変動対策・生物多様性保全の取り組みの中心に食料が据えられました。サミットを契機とし、食料システムがSDGの進捗を加速し強化するための重要な手段であるとの認識が高まっています。

この勢いに乗り、2023年にイタリア政府が主催した最初のストックテイクにおいて、各国は持続可能で包括的かつ回復力のある食料システムの変革に向けた取り組みのペースを加速することを約束しました。ストックテイクは同時に、根強いギャップと課題も浮き彫りにし、官民パートナーシップや民間セクター関与の強化の必要性も明らかにしました。とりわけ、譲許的融資の確保、投資、予算支援、債務再編、また危機的状況における食料安全保障への取り組み、について、協調行動の必要性が浮かび上がりました。

現在も、生活費の上昇、社会的不平等、気候変動、地政学的緊張などの課題に満ちた世界的状況を考えると、食料システムの変革は2030アジェンダの前進にとって不可欠であり、全員が協力する必要があります。

今から5か月後、エチオピアのアジスアベバで第2回国連食料システムサミットストックテイクが開催されますが、途上国ホストとして、政策環境・インフラ開発・小規模農家を巻き込む食料生産に関する同国のリーダーシップと広範な取り組みについても注目が集まります。ストックテイクでは、2023年以降の各国の取り組みの進捗状況を振り返り、SDGの実施を加速するための食料システム変革のコミットメントについてフォローアップが行われる予定です。
このほか、今年の重要な会合(スペインでの第4回開発資金会議、ブラジルでの第30回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP30)、カタールでの第2回世界社会開発サミット、フランスでの第3回国連海洋会議)も、食料システムの変革に向け、協調行動の機運と新しい投資機会を創出するための重要なプラットフォームと位置付けられています。


(文責:情報プログラム 飯山みゆき)
 

 

 

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