COP30(ブラジル・ベレン)で国際農研の研究成果と取り組みを発信

関連プログラム
環境 情報
2025年11月13日~15日にブラジル・ベレンで開催された国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)において、国際農研は各種イベントに参加し、研究成果や国際連携による取り組みを紹介しました。

2025年11月13日~15日にブラジル・ベレンで開催された国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)において、国際農研は各種イベントに参加し、研究成果や国際連携による取り組みを紹介しました。以下に主な発表内容を報告します。

11月13日 ブラジル農牧研究公社(Embrapa)での発表
ブラジル農牧研究公社(Embrapa)内のアグリゾーンで行われたイベントでは、農林水産省農林水産技術会議事務局の堺田輝也局長(録画)による挨拶の後、谷尚樹主任研究員(林業領域)とWidiyatno教授(ガジャマダ大学:録画)が登壇しました。両氏は、食料生産と森林保全の両立を目指すアグロフォレストリーの取り組みについて、特にチークを対象とした最新の国際共同研究の成果を紹介しました。

11月14日 ASEANパビリオンでの発表と意見交換
ASEANパビリオンでは、ASEAN気候強靭化ネットワーク(CNR)のDaDa氏がASEANにおける食料システムの現状について基調講演を行い、続いて舟木康郎プロジェクトリーダー(PL)が「グリーンアジア」に関する活動概要を紹介しました。その後、小林慎太郎主任研究員(社会科学領域)がバングラデシュにおける間断灌漑技術(AWD)の選択要因を報告し、レオン愛主任研究員(社会科学領域)がベトナムにおけるAWD実施のライフサイクルアセスメント(LCA)による費用対効果の分析結果を紹介しました。さらに、吉橋忠PLがトウモロコシを含む生物的硝化抑制(BNI)作物の研究活動を、谷主研とWidiyatno教授(録画)が森林管理技術による緩和策の研究を発表しました。最後のパネルディスカッションでは、DaDa氏の進行のもと、ASEAN諸国との研究協力の進め方などについて活発な意見交換が行われました。

11月14日 Food & Agriculture パビリオンでのパネル参加
同日、Food & Agriculture パビリオンでは、「農業・食品分野における緩和策・適応策の拡大に向けた気候変動資金及び技術に関するセクター間の連携」をテーマとするセッションが開催され、舟木PLがパネリストとして登壇しました。各機関から気候資金や技術の活用事例が紹介される中で、舟木PLは、「農林水産分野GHG排出削減技術海外展開パッケージ」(通称:MIDORI∞INFINITY)を踏まえ、AWDやBNIなどの技術について最近の研究成果を発表しました。政府・研究機関、国際機関、金融機関、民間セクターが果たすべき役割についても議論が交わされました。

11月15日 Japanパビリオンでの国際共同研究成果発信
11月15日には、Japan パビリオンにおいて、舟木PLをはじめ、Chhiddikurエコノミスト(バングラデシュ稲研究所:録画)、小林主研、レオン主研、吉橋PL、Mishra主任研究官(インド農業研究評議会/インド国立小麦大麦研究所:IIWBR)らが、AWDやBNIなど、農林水産分野における海外展開を進める有力技術に関する国際共同研究の成果を紹介しました。

今回のCOP30では、国際農研は複数の公式イベントで発表を行い、各国の研究機関や国際機関と連携しながら、研究成果や気候変動緩和・適応技術の国際展開に向けた取り組みを発信しました。
 

ASEAN事務局環境担当課長と国際農研からの参加者(於:ASEANパビリオン)

関連するページ