生物的硝化抑制(BNI)技術の活用による低負荷型農業生産システムの開発【BNIシステム】

関連プログラム
環境

2022-01-11

背景

現代農業は工業的窒素固定由来の多量の窒素に支えられています。しかし、窒素肥料の5~7割は作物に利用されません。過剰な窒素は、土壌微生物による硝化を通じて、硝酸態窒素となり、地下水へ流出し、水質を汚染します。さらに、298倍もの温室効果を持つ亜酸化窒素にも変換され、地球温暖化や気候変動をもたらします。地球生態系の処理能力を遥かに超えた窒素施肥による環境負荷を抑えつつ、作物生産を維持する技術が求められています。国際農研発のBNI技術は、植物の力を利用し土壌の硝化を抑制し、窒素循環を改善しながら、作物の生産性を向上出来ます。また、国際農研はBNI国際コンソーシアムを通じ、世界のBNI研究を主導しています。

プロジェクト目標

窒素利用効率の向上による農地からの亜酸化窒素の排出などの環境問題解決に向け、BNI国際コンソーシアムを通じた活動により、現地に適応した畑地作物のBNI能強化品種の作出とBNIを活用した輪作体系などの技術開発を行います。

研究課題構成

  • BNI能強化作物の作出とBNIを活用した生産システムの開発
  • BNIを活用した農業生産システム確立に向けた要因の解明
  • BNI国際コンソーシアムの運営とBNIに関する国際共同研究の推進

対象国

メキシコ、インド、コロンビア、先進国各国

成果の対象者・受益者

コムギ・トウモロコシ・ソルガム・ブラキアリア牧草等の畑地作物の研究者及び生産者、関連フードバリューチェーン関係者

プロジェクトリーダー

吉橋 忠(生物資源・利用領域)

プロジェクトポスター

農産廃棄物がもたらす地球規模課題の解決を目指したカーボンリサイクルを加速化する技術開発【カーボンリサイクル】

農産廃棄物がもたらす地球規模課題の解決を目指したカーボンリサイクルを加速化する技術開発【カーボンリサイクル】

関連するJIRCASの動き

PNAS最優秀論文賞の授与式に先立ち、BNI強化コムギの研究紹介動画が公開されました

令和4年3月に、生物的硝化抑制(BNI)強化コムギの研究が、米国科学アカデミー紀要(PNAS)より2021年の最優秀論文賞「Cozzarelli Prize」を受賞したところです。この度、本成果を紹介した動画がPNASのYouTubeチャンネルに公開されました。

G.V.スバラオ主任研究員がTED2022でBNIの研究成果を紹介

令和4年4月10日~4月14日にバンクーバーで開催されたTED2022「A NEW ERA」に、国際農研のG.V.スバラオ主任研究員がBNI(生物的硝化抑制)の研究成果をTEDトークしました。

国際農研のSATREPSプロジェクト2課題が相手国との合意に至り正式に共同研究を開始します

国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)と独立行政法人国際協力機構(JICA)が共同で実施しているSATREPS(地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム)の令和3年度採択研究プロジェクト2課題が、相手国とのプロジェクト討議議事録(Record of Discussions: R/D)の締結に至り、今までの条件付きから、正式な共同研究を開始します。

プレスリリース