食料・栄養
食料安定供給に資する技術の開発
気候変動、人口増加、地政学的リスクの高まりにより、世界の食料安全保障を取り巻く環境は急速に変化しています。開発途上地域では、干ばつや塩害、病害虫の拡大、水産資源の減少などによる生産基盤の脆弱化に加え、栄養不足や微量栄養素欠乏、食品ロスなどの課題も深刻化しており、食料の安定供給と栄養改善を両立する強靱な食料システムの構築が求められています。
食料・栄養プログラムでは、卓越した科学的成果の創出を基盤として、生産性・持続性・頑強性の向上に資する研究を推進します。気候変動に対応した作物・栽培技術、過酷環境に適応する育種素材、越境性病害虫の持続的防除、畜産・水産分野の技術開発、食品の高付加価値化や保存・加工技術の高度化など、食料システムの多様な局面に関わる研究に取り組みます。また、ゲノム解析、分子生物学、オミクス解析、データ科学などを活用した基盤研究を重視し、新たな現象や原理の発見、革新的な技術シーズや育種素材の創出を目指します。さらに、土壌肥沃度、養分循環、炭素貯留、水資源利用、生物多様性など、作物生産を支える農業生態系サービスにも着目し、環境保全と食料生産の両立に貢献します。
創出された研究成果は、開発途上地域の研究機関、国際機関、大学、企業等との国際共同研究や実証研究を通じて社会実装を進めるとともに、科学的エビデンスに基づく政策形成や技術普及へと展開します。卓越したサイエンスから社会実装までを見据えた研究開発を通じて、地球規模の食料安全保障と栄養改善に貢献し、気候変動下においても持続可能で強靱な農林水産業・食料システムの実現を目指します。
関連するJIRCASの動き
CoolRiceプロジェクトキックオフ会合で長谷川理事長が講演
2026年6月29日、フィリピン・ロスバニョスの国際稲研究所(IRRI)本部において、「IRRI-農林水産省クールライスプロジェクト・キックオフ」会合が開催され、国際農研の長谷川利拡理事長が登壇しました。