2026年10月13日(火)と14日(水)、国際農研は、国際稲研究所(IRRI)および農研機構とともに、東京都千代田区の一橋講堂(1日目)とイイノカンファレンスセンター(2日目)で、高温に強いイネ生産に向けた研究連携の強化を目的に、「耐暑性イネ生産システムに関する国際戦略フォーラム及びテクニカルワークショップ(Japan–IRRI Strategic Forum and Technical Workshop on Heat-Resilient Rice Systems)」を開催しました。農林水産省の後援のもと、日本の研究機関とIRRIの関係者らが、優先研究課題や共同研究の方向性について議論しました。
本会合は、2026年6月に始動した「Cool Rice for a Warming World(CoolRice)」プロジェクトで共有された課題認識を踏まえて開催したものです。気候変動に伴う高温によるコメの収量・品質低下に対応するため、耐暑性品種の開発に加え、栽培管理、気候影響評価、微気象観測、デジタル技術などを組み合わせた研究の推進を目指しました。
1日目の国際戦略フォーラムには、政策担当者、研究機関の幹部、大学・民間企業の関係者など122名が参加しました。開会挨拶と基調講演に続き、研究発表やパネルディスカッションを通じて、穂の温度を考慮した将来予測と育種戦略、日中・夜間の高温に対応する遺伝資源の評価、メタン排出を抑える水管理に適した品種選択などについて議論しました。ハイレベル・ラウンドテーブルでは、高温リスクや地域ごとの脆弱性を踏まえ、多地点・長期試験、遺伝資源、先端育種技術を活用した研究・実証を進める方向性を共有しました。また、機関間のデータ共有におけるセキュリティや機密保持、若手人材の育成、官民連携の重要性を確認しました。
2日目のテクニカルワークショップには、日本の研究機関とIRRIの研究者・技術専門家83名が参加しました。耐暑性育種、気候・微気象情報、作物モデル、栽培管理などをテーマに、各機関の研究成果や、遺伝資源、試験基盤、データ、解析手法に関する情報を共有しました。議論を通じて、耐暑性に関わる複数の形質を組み合わせた品種開発や、品種と栽培管理を組み合わせた高温対策、温室効果ガス排出削減との両立の重要性を共有し、共同研究、研究者交流、人材育成につながる具体的な連携の可能性を検討しました。
今回の会合では、日本とIRRIが有する研究成果や研究基盤、専門性を相互に生かし、高温に強いイネ生産システムの構築に向けた研究連携を進める方向性を共有しました。




