現地の動き

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826. 気候変動と気候正義

気候変動の影響は、温室効果ガス排出源となっている国や地域にとどまらず、これまで殆ど排出をしてこなかった後発開発国・地域、いわゆるグローバルサウス、も負の影響を大きく被ります。最近公表された論文は、今日経済的に繁栄している国々の私的な富は、世界の包括的な富を借り入れる(Climate Wealth Borrowing)結果成立してきたと主張、温室効果ガス排出の責任の所在を歴史的に遡って評価する必要性を訴えました。別の論文は、気候変動の責任論は、規範的・倫理的な概念から、具体的なコンテクストにおける実践に比重を置くべきであると提案しています。
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825. 国連食料システムサミット第一回ストックテーキングモーメント・サイドイベント

2021年9月、国連食料システムサミットが開催されました。その後2年に1度、ストックテーキングのための会合が開催されることとなり、その第1回となる「国連食料システムサミット2年後会合(UNFSS+2)」が、イタリア・ローマの国連食糧農業機関(FAO)本部にて本日7月24日から3日間開催されます。日本の農林水産省および国際農研は、7月24日、UNFSS+2の公式サイドイベントを開催します。
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824. 食料生産とエコシステム

ロシアのウクライナ侵攻といった地政学要因や、連日の熱波が示す異常気象が、食料安全保障に不確実性をもたらしています。こんなときだからこそ、食料生産基盤の強化につながるエコシステム回復の必要性について検討する必要があります。
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823. 2023年世界多次元貧困指数(MPI)報告書

国連開発計画(UNDP)とオックスフォード貧困・人間開発イニシアチブ(OPHI)は2023年世界多次元貧困指数(global multidimensional poverty index: MPI)報告書を公表しました。
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822. ロシアの黒海穀物イニシアチブ離脱

昨年7月に締結されて以来、過去1年間、黒海穀物イニシアチブは、3度の延長を経ながら、世界の食料安全保障にも貢献してきました。しかしクリミア大橋への攻撃が報じられた7月17日、ロシアが穀物合意から離脱することが伝えられ、食料価格上昇の懸念を再燃させる危険もあります。
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821. 世界各地で災害級の熱波

ここのところ、北半球で、かつてない強度の熱波が、人々の健康、生態系、経済、農業、エネルギー・水供給に被害をもたらしています。そんな中、アメリカのジョン・ケリー気候問題担当大統領特使が中国・北京を訪問し、世界の2大排出国が気候変動対策協調のための交渉を再開することが伝えられています。未曽有の高温記録更新ペースが、大国を気候変動対策に動かすか、世界が注目しています。
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820. 報告書「2023年世界の食料安全保障と栄養の現状(SOFI)」:飢餓人口は依然としてコロナ前をはるかに上回っている

7月12日、国連機関(FAO, IFAD, UNICEF, WFP, WHO)による「世界の食料安全保障と栄養の現状(The State of Food Security and Nutrition in the World Report: SOFI)」の2023年版が公表されました。今年の報告書では都市化に焦点をあてています。
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819. 世界の飢餓の現状と見通し

国連食糧農業機関(FAO)と国連世界食糧計画(WFP)が共同で公表した飢餓ホットスポット(Hunger hotspots)早期警告報告書によると、2023年6~11月の期間、世界で22か国、18の飢餓ホットスポットが生じ、対象地域の人々が深刻な食料不安に直面する恐れがあります。そして7月12日に国連機関により公表された「世界の食料安全保障と栄養の現状(SOFI)2023年版」は、2022年、7.83億人が飢餓に直面していたと推計、COVID-19パンデミック前の2019年に比べて飢餓人口が1.22億人増加しました。
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818. フィチン酸が多いイネ種子を使うことで、初期生育を改善できる

近年、ウクライナ情勢やコロナ感染症の影響に加えて、肥料の原材料となるリン鉱石の枯渇が懸念されており、リン肥料の価格高騰が続いています。国際農研が研究対象とする熱帯の開発途上地域では、リンが不足する風化土壌が広がっていますが、経済的な理由から十分なリン肥料を購入・使用することができません。そのため、国際農研ではリン欠乏を克服するための様々な研究に取り組んできました。この度、種子におけるリンの貯蔵庫としての役割を果たすフィチン酸の量が異なる種子を用いて、イネの初期生育を調査した結果、リンが欠乏する土壌だけでなく、リンが豊富に存在する土壌においても、フィチン酸量が多い種子を使うことで、イネの初期生育を改善できることを明らかにしました。
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817. 2023年・世界人口デー

7月11日は世界人口デーです。食料栄養安全保障を維持しつつ、国際開発問題と気候変動対策を検討する上で、将来の人口水準がとりうるパターンや各国各地域の人口動態を理解することは極めて重要です。
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816. 2023年6月 世界食料価格動向 

国連食糧農業機関(FAO)は、7月7日、世界食料価格動向を公表しました。2023年6月の値は平均122.3ポイントで、前月から1.7ポイント(1.4%)下落、2022年3月につけた史上最高値から37.4ポイント(23.4%)低い水準となりました。6月の下落は、砂糖・植物油・穀物・乳製品価格指標の大幅な下落を反映する一方、食肉価格は殆ど変動しませんでした。
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815. 地理的に差別化した肥料戦略の必要性

地政学的な紛争や供給寸断は、相互に連環しあう燃料・肥料・食料危機に対する我々の脆弱性を再認識させる契機となっています。窒素肥料価格の急騰は食料安全保障を脅かしますが、過剰使用の国と過少使用の国とでは対応策も異なるはずです。6月29日にNature Sustainability誌で公表された論文は、窒素肥料不足地域に窒素肥料供給を優先し、窒素肥料過剰使用国ではバランスのとれた肥料使用を追求する必要を提起しました。
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814. 黒海穀物イニシアチブ延長に向けた攻防

ウクライナ産作物の輸出を保障することで世界食料危機の回避に貢献してきた黒海穀物イニシアチブは、7月17日の再延長期限が迫る中、ロシアが合意延長拒否の姿勢を示し、EUや国連が仲介に動いていると伝えられています。交渉の決裂は、世界食料価格上昇の懸念を再燃させかねない中、関係者によるギリギリの調整が続いているようです。
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813. エルニーニョ現象の兆候

7月4日、世界気象機関(WMO)は、エルニーニョ現象の兆候が見られると宣言しました。エルニーニョ現象自身は自然現象ですが、人為的に引き起こされた気候変動コンテクストのもと、記録的な高温や異常気象パターンを伴う可能性が懸念されています。
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812. 自然への投資は公平性および経済的な利益をもたらす

持続可能な開発は、経済成長と自然環境保全を同時に実現させながら、その状態を長期的に維持していくことが求められます。しかし、経済成長と自然環境保全はしばしトレードオフの関係にあると考えられてきました。これに対し、最近PNAS誌で公表された論文は、自然環境の劣化は経済に大きな喪失をもたらし、とりわけ低所得国への打撃が大きいこと、逆に、自然環境保護に投資をすることで、経済的に大きな便益が見込まれ、とりわけ低所得国の人々への恩恵が期待できることを示しました。
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811. 肥料が効かない?ササゲの世界的な生産地、西アフリカスーダンサバンナにおける収量安定化を目指して

乾燥に強いササゲは雨の少ない西アフリカ内陸部(スーダンサバンナ)において広く栽培され、現地で生きる人々の貴重なタンパク質供給源です。しかし、農家におけるササゲの栽培は伝統的な方法が主で、土壌の貧栄養や不安定な降雨のため収量は低く、肥料をやっても効果が安定しません。スーダンサバンナの代表国であるブルキナファソの農業環境研究所(INERA)と国際農研の共同研究により、肥料効果が変動する要因をつきとめました。この知見は効果的な施肥技術と栽培方法の開発につながります。
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810. 2022年における世界の森林破壊

6月27日、世界資源研究所(WRI)が運営するグローバル・フォレスト・ウォッチは、2022年にスイスの国土面積に匹敵する410万ヘクタールの熱帯原生林が失われたと報告しました。世界の原生林喪失面積の43%をブラジルが占め、アフリカのコンゴ民主共和国やガーナでも記録的な規模の原生林が破壊されました。一方、インドネシアやマレーシアでは、産業の規制や企業のコミットメントが功を奏してか、森林喪失が減少したと報告されています。
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809. 日本の熱帯農業研究現場の最前線 「熱研」

6月29日は国連で制定された国際熱帯デー(International Day of the Tropics)です。地球温暖化により日本各地でも気温の上昇、台風・豪雨の増加や海面水面の上昇など熱帯化の進行が疑われる現象が起きるようになってきています。農業面では、果実の着色不良、イネ、トマト等作物の高温障害等が頻発しています。熱帯・島嶼研究拠点、略して「熱研」は、石垣島の亜熱帯海洋性の湿潤島嶼といった気候・地理的条件を活かし、気候変動を始めとする地球規模で発生する食料・環境問題の解決に日々取り組んでいます。
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808. 複数の環境ストレス・攪乱要因により人新世のエコシステム崩壊が早まる可能性

気候変動に関する議論では、人新世の時代における人為的な経済活動によって、地球がある時点を境に不可逆性を伴うような劇的な変化を伴うティッピング・ポイント(転換点tipping point)に達しつつあるとされています。6月22日にNature Sustainability誌で公表された論文は、人為的経済活動による温暖化・環境負荷・極端現象などの攪乱要因など、複数のストレスが相関しあうことで、エコシステムが崩壊する時期がさらに早まる可能性について警鐘を鳴らしました。
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807. 国家の管轄権の及ばない海洋地域の保全と持続性に向けた歴史的な合意

地球の表面積の7割を占める海洋は、その3分の2以上が、公海・海底・極地を含む、国家の管轄権の及ばない海洋地域(Marine Areas Beyond National Jurisdiction)となっており、生物多様性保全に関する国際的な取り組みの必要性が叫ばれてきました。6月19日、国連は、国家の管轄権の及ばない海洋地域における生物多様性の保全と持続可能な利用を保障するための歴史的な合意を採択したと発表しました。