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1154. 世界食料貿易の急成長と脆弱性

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1154. 世界食料貿易の急成長と脆弱性

 

Science誌論説も指摘するように、何十億人もの世界人口にとって命綱である世界の食料貿易は、急成長しつつも脆弱性をはらんでいます。


1960年代以降、世界人口の急増にもかかわらず、食料生産の増大と世界食料貿易の成長によって、食料生産に適さない国でも食料確保が可能となり、遠く離れた場所から輸入された多様な食品がメニューを彩るようになりました。

しかし、最近の研究では、世界の食料貿易にはコストがかかることが強調されています。環境への負担は増大し、公衆衛生を危険にさらす可能性があります。また、COVID-19パンデミックやロシアのウクライナ侵攻時に明らかになったように、食料貿易は世界的な混乱に対してますます脆弱になっています。

世界で生産される食料の約4分の1は国際市場で取引されているとも推計され、その大部分は10カ国が供給しています。食料貿易は、金融市場、地政学、気候、そして運河での流通寸断といった事象と密接に関連しています。食料安全保障の維持には、こうした全体像を把握する必要があります。


(文責:情報プログラム 飯山みゆき)

 

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