Pick Up

1156. 2024年11月 世界食料価格動向

関連プログラム
情報

 

1156. 2024年10月 世界食料価格動向 

 

国連食糧農業機関(FAO)は、12月8日、世界食料価格動向を公表しました。2024年11月の値は平均127.5ポイントで、10月から0.5%上昇、2023年4月以来の水準を記録しました。この背景には、乳製品と食用油の価格上昇が、肉類・穀物・砂糖類の価格の下落を僅かに上回ったことによります。この数値は昨年よりも5.7%高いものの、2022年3月の史上最高値よりは20.4%低い値でした。

 

穀物価格指標は10月に111.4ポイントと、前月比で2.7%下落、前年比では8.0%低い水準でした。世界小麦輸出価格は南半球からの収穫による供給増と北半球輸出国の2025生産見通しの改善を反映しました。また、鈍い国際需要も価格下落に貢献しました。世界メイズ価格は、拮抗する要因により安定的に推移しました。南米での好ましい天候と播種の継続・ウクライナ産メイズへの需要低迷・アメリカにおける収穫期による季節的な要因が価格下落圧力となる一方、ブラジルとメキシコのアメリカ産メイズへの堅調な需要が価格を支えました。一方、コメ価格指標は4.0%下落、市場における競争の高まり、収穫期、米ドルに対する為替下落、等の要因を反映しました。

植物油価格指標は前月比で7.5%上昇し、2022年7月以来の高値となりました。価格上昇は、パーム・ダイズ・ヒマワリ・ナタネ価格指標の上昇を反映しました。国際パームオイル価格の上昇は6か月連続で、東南アジアにおける豪雨により世界的な減産が見込まれる中、他の食料油に対するプレミアムを維持しました。大豆価格も世界的に堅調な輸入需要を反映して上昇を続け、ナタネ・ヒマワリ油の価格も世界的な供給見通しのひっ迫をうけて上昇しました。

乳製品価格は前月から0.6%増ですが、前年比では20.1%高い水準となりました。ミルクパウダー・バター価格は、とりわけ西ヨーロッパでの需要を受けて上昇しています。

砂糖価格は9・10月と2か月上昇が続いたあと、11月に前月比で2.4%下落、1年前よりも21.7%低い水準でした。11月の下落は、インドとタイでの搾汁が始まる一方、ブラジルでの次期の懸念が緩和したことに起因します。この月、ブラジル南部の生産地域での降雨は収穫作業を寸断させましたが、土壌水分の改善に繋がり、次期の作況改善に貢献しました。米ドルに対するブラジルレアルの通貨安や国際原油価格の下落も、世界砂糖価格の下落に貢献しました。 

 

(文責:情報プログラム 飯山みゆき)

 

 

関連するページ