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1075. 2024年7月 世界食料価格動向

1075. 2024年7月 世界食料価格動向
国連食糧農業機関(FAO)は、8月2日、世界食料価格動向を公表しました。2024年7月の値は平均120.8ポイントで、穀物価格指標の下落が植物油・食肉・砂糖価格の上昇を上回ったことで、前月より僅かに下落しました。この値は前年比で3.1%低く、歴史的に最高値160.3ポイントを記録した2022年3月に比べ24.7%低い値にとどまりました。
穀物価格指標は7月に110.8ポイントと、前月比で3.8%下落、前年比で12.0%低い水準でした。全ての主要穀物の輸出価格が2か月連続で前月より下落しました。北半球での冬小麦収穫による季節的な供給増や、カナダ・アメリカでの好条件が春小麦の方策への期待感を高め、国際的なコムギ価格の下落圧力となりました。メイズに関しても季節的な要因が下落圧力となり、アルゼンチン・ブラジルでの収穫が昨年よりも順調なペースで進み、アメリカでの栽培条件も昨年や平均以上を維持しています。コメ価格指標は7月に2.4%下落、価格圧力のもとでインディカ米もジャポニカ米も取引が落ち着いていたことが背景にあります。
植物油価格指標は前月比で2.4%上昇、2か月連続で上昇し、1.5年ぶりの水準に達しました。パームオイル、ダイズ、ヒマワリ、ナタネとも価格指標が上昇しました。この背景に、世界的に堅調な輸入に対し、世界最大のパームオイル生産国であるインドネシアでの予測を下回る生産増があります。一方、ダイズに関しては北南米のバイオ燃料部門における堅調な需要を受けて3か月連続の上昇となり、ヒマワリ・ナタネに関しては主要生産国における作況悪化を反映しました。
(文責:情報プログラム 飯山みゆき)