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1036. 2024年5月 世界食料価格動向

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1036. 2024年5月 世界食料価格動向

 

国連食糧農業機関(FAO)は、6月7日、世界食料価格動向を公表しました。2024年5月の値は平均120.4ポイントで、4月から1.1ポイント(0.9%)微増、砂糖・食用油価格の下落を穀物・乳製品価格の上昇が若干上回ったことを反映しました。3か月連続の価格上昇とはいえ、前年比で3.4%低く、歴史的に最高値160.2ポイントを記録した2022年3月に比べ24.8%低い値にとどまりました。

穀物価格指標は5月に118.7ポイントと、前月比で6.3%上昇、しかし前年比で8.2%低い水準でした。主要穀物の輸出価格のすべてが月別で上昇し、とくに小麦価格は2024年期の欧州の一部や北米・黒海地域などの主要輸出国における主要生産地域での収穫に関する条件悪化懸念を反映して急騰しました。加えて、黒海地域のインフラ破壊は価格上昇圧力となりました。メイズ価格も、アルゼンチン(Spiroplasma disease病害拡大による作物ダメージ)およびブラジル(天候不良)での生産状況に関する懸念、一方で季節的にウクライナからの販売が少ないこと、旺盛な世界需要を受けて上昇しました。コメ価格は5月に1.3%上昇、インドネシアやブラジルへのインディカ米販売の見積額上昇を反映しました。

植物油価格指標は前月比で2.4%下落しましたが、前年比で7.7%高い水準にあります。今回の価格下落は、東南アジア生産国による季節的な供給増と長引く世界需要の低迷を受けたパームオイル価格の見積価格下落が、ダイズ・なたね・ひまわり油価格上昇を上回ったことを反映しています。一方、世界ダイズ価格は、ブラジルにおけるバイオ燃料部門の需要増を受けて上昇、なたねとひまわりは黒海地域からの季節的な供給源と2024・25年シーズンに向けた供給ひっ迫見通しを反映しました。

砂糖価格は4月から7.5%下落と、3か月連続の下落となり、昨年5月来25.5%低く、2023年1月来の低水準を記録しました。ブラジルでの良好な天候条件による順調な生産見通しと国際的な原油価格の低さが、国際砂糖価格の下方圧力となっています。

 

(文責:情報プログラム 飯山みゆき)

 


 

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