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1012. 2024年4月 世界食料価格動向

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1012. 2024年4月 世界食料価格動向  

 

国連食糧農業機関(FAO)は、5月3日、世界食料価格動向を公表しました。2024年4月の値は平均119.1ポイントで、食肉価格の上昇や植物油および穀物の価格指標の微増を反映し、前月から0.3ポイント(0.3%)上昇ました。4月に続き、7か月の下落傾向を反転する上昇ではありましたが、前年比で9.6ポイント(7.4%)低い値にとどまりました。

穀物価格指標は4月に111.2ポイントと、前月比で0.3%上昇、しかし前年比で18.3%低い水準でした。世界小麦価格は3か月連続で下落していましたが、4月には価格安定の動きがありました。EUの一部における収穫予測が芳しくない懸念に対し、主要輸出国からの競争が価格上昇圧力を抑制しました。対照的に、メイズ輸出価格は4月に上昇、ウクライナにおけるインフラの破壊やブラジル収穫期前の減産予測が背景にありました。

食肉価格指標は3月比で1.6%上昇と、3か月連続で微増傾向を示しました。4月、国際鶏肉価格は鳥インフルエンザ発症を抑え込むための生産問題に直面する中東からの買い付けを受けて上昇しました。牛肉価格や羊肉価格も若干上昇しました。対照的に、世界豚肉価格指標はヨーロッパ西部や中国における需要の伸び悩みを受けて微減しました。

植物油価格指標は前月比で4.4%下落、2023年4月比で14.7%低い水準を記録しました。この背景に、インドとタイにおける生産見通し改善があります。さらに長らく干ばつが懸念されていたブラジルにおいて3月末と4月初旬に十分な降雨があり、供給見通しの懸念を緩和しました。ブラジル通貨の対米ドル安も価格下落に貢献しました。一方で、国際原油価格とブラジルのエタノール価格の上昇が、世界砂糖価格の下落を下支えする要因になりました。

 

(文責:情報プログラム 飯山みゆき)


 

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