現地の動き

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670. 食料システムにおける農業多様性の役割

過去数十年間にわたる食料システムのグローバル化により、農業多様性が喪失してきました。農業多様性の回復は、食料システムの強靭性向上だけでなく、栄養ある食の供給にとっても必要です。Nature誌で発表された論文は、土地固有の食料システムは生態学的および社会経済的持続性を保証するものであり、政策・科学議論において主流化される必要性を主張しました。
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669. 世界の水資源

気候変動のインパクトは、干ばつや洪水の頻度・強度の増加、降雨パターンの変化、氷河融解、といった水にまつわる現象を通じ、実感されることが多いようです。世界気象機関(WMO)が、地球の水資源に対する気候・環境・社会変化の影響評価を試みた最初の「世界水資源白書 State of Global Water Resources 」によると、2021年は、気候変動とラニーニャ現象による降雨パターンの影響を受け、世界の多くの地域で乾燥状態を観測しました。
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668. 貧困と繁栄の共有2022

COVID-19パンデミックに加えウクライナ戦争の影響を受け、2030年までに極度の貧困を撲滅するという世界目標の達成が著しく困難になっています。世界銀行による「貧困と繁栄の共有2022-進路の修正 (Poverty and Shared Prosperity 2022 : Correcting Course)」は、COVID-19とウクライナ戦争による世界の貧困への影響を包括的に分析し、低・中所得国における貧困削減達成の前提となる成長・発展を支える包括的な政策改革を提案しています。
 
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667. 世界肥料市場・政策動向

ロシアによるウクライナ侵攻は、サプライチェーンを攪乱し、エネルギー・農産物・肥料価格にインフレ圧力をもたらすことで、ポスト・パンデミックの世界経済に暗い影をおとしています。ロシアとウクライナは主要な穀物輸出国であるだけでなく、とくにロシアは世界で最大の肥料輸出国であり、地政学的な危機は、輸入肥料に依存する国々の農業生産に大きな影響を及ぼします。本日は、国連食糧農業機関(FAO)と世界貿易機関(WTO)がまとめた世界肥料市場・政策動向についてのレポート概要を紹介します。
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666. 世界各地で報告される温暖化傾向

ここのところ、世界各地で、温暖化加速化を示唆する報告がされています。世界気象機関(WMO)によると、温室効果ガス排出の増加による熱の滞留が原因で、過去8年間は記録的に暑い年でした。3年連続のラニーニャ現象による影響で2022年は過去5~6番目に暑い年にとどまる予測ですが、長期的な温暖化は進行しています。
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665. セミナー「栄養改善と生活向上に資するローカル・ランドスケープ由来の食利用を促進するための科学と伝統知の適用」の開催

ローカル・ランドスケープ (水、土、大気、動物、植物など、土地や自然を基盤とする地域生態系の意)由来の食は、アフリカやアジアのコミュニティにとり重要な栄養源かつ生活の糧を提供しています。このたび、専門家を招き、ローカル・ランドスケープから得られる食を効果的に栄養・生計向上に活用するにあたり、科学や伝統知をいかに適用していくかについて講演いただきます。ハイブリッド形式でセミナーを行うことで、国際食料栄養安全保障のプロジェクトに携わる研究者・学生・技術普及専門家・政策担当者に意見交換の場を提供します。
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664. シャルム・エル・シェイク実行計画

先週末まで国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)が開催されていました。会期延長による交渉の末とりまとめられたシャルム・エル・シェイク実行計画(the Sharm el-Sheikh Implementation Plan)は、世界の気温上昇を産業革命以前比で1.5℃に抑制するための締約国によるコミットメントを再確認したほか、適応対策における水および水関連エコシステムの保全の重要性を強調しました。
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663. 食料と農業の持続可能なトランスフォーメーションに向けて

11月18日まで予定されていた国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)は、会期を延長し、「損失と損害」に関して途上国への支援基金設立の合意にこぎつけました。農業・食料システムを持続可能なものに転換していくためには、地球規模・地域レベルでの取り組みの連携が必要です。今回は、会期中に立ち上げられたFASTイニシアティブ(Food and Agriculture for Sustainable Transformation Initiative)について紹介します。
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662. 黒海合意延長とFAO食料見通し

ウクライナ産穀物の輸出を保証する国連とロシア、ウクライナ、トルコの4者合意は11月19日に期限切れを控えていましたが、120日間延長されることが発表され、当面、世界的な食料価格の高騰は回避されるとの見込みです。一方、食料・肥料・エネルギー価格の動向は、食料システムを経由して、世界の食料安全保障を大きく左右します。11月11日に公表された国連食糧農業機関(FAO)による食料見通しは、2022年の世界食料輸入額が予想を上回ると発表しました。
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661. JIRCAS国際シンポジウム2022 本日登録締切

11月22日(火)午後、JIRCAS国際シンポジウム2022「持続可能な食料システムにおける零細漁業と養殖業の役割」がハイブリッド会議方式で開催されます。零細漁業(artisanal fisheries)や小規模漁業 (small-scale fisheries)・養殖業の持続的な発展は持続可能な開発目標の達成に欠かせません。養殖と食料システムに対する栄養に配慮したアプローチによる技術開発により、住民の栄養改善および生計向上に大きく寄与した功績により2021年の世界食糧賞を受賞したShakuntala Haraksingh Thilsted博士も基調講演に登壇されます。
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660. 気候変動「損失と損害」、途上国への「適応・緩和」への投資

COP27では、途上国が受ける豪雨や干ばつといった「損失と損害 (loss and damage)」への資金支援が議題になっています。気候変動議論では先進国と途上国の対立が先鋭化しますが、誰も取り残さない持続的開発を実現するには、農業分野における気候変動適応・緩和イノベーションを推進する国際協力が求められます。
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659. 生物多様性喪失にnet-positiveアプローチを

世界自然保護基金は2022年10月に「生きている地球2022」(Living Planet Report 2022)を公表しました。生物多様性の減少が、地球温暖化問題と匹敵する重要な地球規模課題となっています。しかし気候変動と違って生物多様性損失にnet-zeroの考えだけでは不十分であり、失ってしまったものを回復させること、net-positiveな目標を追求しなくてはなりません。
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658. 2022年(第16回)「若手外国人農林水産研究者表彰(Japan Award)」の表彰式

農林水産省主催の「2022年(第16回)若手外国人農林水産研究者表彰(Japan Award)」が11月22日(火)9:30よりハイブリッド開催されます。Japan Awardは、甕滋(もたい しげる) 元農林水産技術会議会長の篤志により、2007年に開始され、今年で16回目を迎えます。国際農研は農林水産省と協力してJapan Awardを運営しています。また同日13:00より、JIRCAS国際シンポジウム2022「持続可能な食料システムにおける零細漁業と養殖業の役割」も開催されます。
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657.世界人口80億人突破!

明日、2022年11月15日は何の日かご存じですか?実は世界の人口が80億人に到達すると推定されている日なのです。世界人口の動向を知ることは、気候変動に強靭で、現在および将来世代を支える環境と生物多様性を保全しつつ、誰も取り残さずに栄養に富む食の供給を可能にする食料システムを構築する努力を含め、国際的に持続的な開発を計画するうえで欠かせません。今日のPick Upではこれまでの世界人口の記事をまとめました。
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656. 国連環境計画「排出ギャップ2022 閉まり続ける扉(The Closing Window)」報告書

国連環境計画は10月27日に「排出ギャップ2022 閉まり続ける扉(The Closing Window)」報告書を公表しました。13回目となる当報告書は、このままの温室効果ガス削減対策では、パリ協定で定められた気温上昇を1.5℃未満とする目標達成からほど遠いことを指摘、気温上昇が今世紀までに2.8℃に達しかねないと警鐘をならしました。
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655.インドシナ半島を中心とするツマジロクサヨトウの殺虫剤感受性モニタリングネットワーク構築に向けて

ツマジロクサヨトウは、長距離の自力移動が可能な越境性害虫です。そのため、ある地域で殺虫剤に対する抵抗性を獲得した系統が出現した場合、速やかに近隣諸国に拡散する可能性があります。従って、ツマジロクサヨトウの殺虫剤抵抗性の発達を抑制するためには、殺虫剤に対する感受性の変化を各国でモニタリングし、その結果に基づき速やかに国際的な対策を講じることを可能にするネットワークが必要です。
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654. COP27サイドイベント農林水産省主催シンポジウム: 国際農研の研究紹介

11月12日(土)、日本時間の夜、COP27サイドイベント 農林水産省主催シンポジウム「持続可能な農業および食料安全保障等の関する農林水産省の取り組み」に、国際農研の研究者が参加し、気候変動対応に資する技術開発の成果を紹介します。
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653. メキシコのダイズさび病菌に関する論文が米国植物病理学会誌PhytoFrontiersの2021年優秀学生論文賞で入賞

メキシコ国立農牧林研究所のJulio César García-Rodríguez、国際農研 生物資源・利用領域の山中直樹主任研究員らの論文「Virulence Diversity of Phakopsora pachyrhizi in Mexico」が、このたび米国植物病理学会誌PhytoFrontiersの2021年優秀学生論文賞で入賞しました。この論文は、近接した地域のダイズさび病菌の病原性に明瞭な地理的差異を認めたという、世界的にも稀な事例を示したものです。この発見により、メキシコのさび病菌の病原性の大きな地理的差異を克服するには、抵抗性遺伝子の集積など安定的な抵抗性を有する抵抗性ダイズ品種の導入が必要となることが明らかになりました。
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652. 2022年10月 世界食料価格動向 

国連食糧農業機関(FAO)は、11月4日、世界食料価格動向を公表しました。2022年10月の値は平均135.9ポイントで、穀物価格を除き、多くの指標は月レベルでの下落を示し、全体的には前月からほとんど変動はありませんでした。ただし黒海からのウクライナ穀物輸出に関するイニシアチブ延長に関するロシアの動向により、国際穀物市場をとりまく状況は依然流動的です。先週はまた、FAOより、世界食料農業白書2022:オートメーションを活用し農業システムを変革する、が発出されました。
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651. 2021年 温室効果ガスの大気中濃度の記録更新

世界気象機関は、2021年、大気中における二酸化炭素・メタン・亜酸化窒素という3つの主要な温室効果ガスの濃度が記録を更新したと発表しました。著名な研究者らは、地球は「厳戒警報Code Red」状態にあると警鐘を鳴らし、抜本的な政策アクションの必要性を呼びかけています。今週末の11月6日(日)からエジプトのシャルム・エル・シェイクで国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)が開催され、産業化前と比較して気温上昇を1.5℃以内に抑える努力に向けた議論が行われるとみられています。