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1291. 世界農村開発デー

1291. 世界農村開発デー
昨年の国連総会(UNGA)で、毎年7月6日を「世界農村開発デー(World Rural Development Day)」とする決議が採択されました。
この決議は、農村部の貧困という根深い課題と、経済、社会、環境の持続可能性というより広範な目標達成の前提条件として、世界の農村地帯で土を耕し、海を恵み、土地を育む人々の生活と闘いに、持続的な光を当てることを目指しています。
農村コミュニティ、特に女性、先住民族、そして若者が負う貧困、飢餓、そして疎外という不均衡な重荷に立ち向かう彼らのレジリエンス(回復力)の課題は、あまりにも見過ごされがちです。これらのグループが農業開発、食料安全保障、そして生態系管理において果たす重要な役割を強調し、土地へのアクセス、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)、そして意思決定への包摂を通じたエンパワーメントを求めています。伝統的知識、ジェンダー平等、デジタル包摂を包含する農村開発への統合的アプローチを支持することで、この決議は、農村の繁栄がもはやつかみどころのない理想ではなく、世界共通の成果となる未来を描いています。
農村開発は、単に地理的な問題だけではありません。以下に示すように、貧困、公平性、食料安全保障、そして持続可能性に関わる問題です。
貧困と不平等
世界で最も貧しい人々の80%が農村部に住んでおり、1日あたり2.15ドル未満の収入しかありません。
10億人以上が深刻な多次元貧困に直面しており、その半数以上が子どもです(UNDP 2024)。
農村部の人口の半数は健康保険に加入していません(都市部では22%)。(DESA 2021)。
農業と食料安全保障
家族経営農家は世界の食料の80%を生産しています(FAO)。
農業労働力の43%を女性が占めていますが、土地、信用、テクノロジーへのアクセスが制限されています。
気候とコネクティビティ
農村部は気候の最前線に位置し、干ばつ、洪水、猛暑に見舞われています。
2024年には、都市部住民の83%がインターネットを利用するのに対し、農村部では50%未満となります。
これらの課題に対処するには、誰も取り残されないよう投資が必要です。
(文責:情報プログラム 飯山みゆき)