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1285. ホルムズ海峡の安全と世界のエネルギー・食料安全保障
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1285. ホルムズ海峡の安全と世界のエネルギー・食料安全保障
ホルムズ海峡は、オマーンとイランの間に位置し、ペルシャ湾とオマーン湾、そしてアラビア海を結ぶ重要な水路です。米国エネルギー情報局(EIA)は、この海峡を「世界で最も重要な石油輸送の難所」と表現しています。
この海峡は、最狭部の航路幅が片側わずか約3.2キロメートルで、非常に混雑しています。サウジアラビア、アラブ首長国連邦、クウェート、イラクなどのOPEC加盟国がペルシャ湾地域の油田から採掘し、世界中で消費する大量の原油が、この海峡を通過しています。世界有数の液化天然ガス(LNG)生産国であるカタールは、LNG輸出の輸送にこの海峡を大きく依存しています。
地政学的な紛争により、この水路の安全保障が再び注目を集めています。水路封鎖や原油輸送の途絶は、原油価格の急騰を引き起こし、特にアジアのエネルギー輸入業者に大きな打撃を与える可能性が懸念されています。
燃料・肥料に関する国際貿易の寸断は、燃料・肥料に依存する食料生産にも大きな影響を及ぼし、世界の食料安全保障を脅かす可能性があり、国際社会は世界情勢を注視し、対応していく必要があります。
(文責:情報プログラム 飯山みゆき)