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1456. ホルムズ海峡の海上輸送の混乱がもたらすエネルギー・肥料および脆弱な経済へのリスク

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1456. ホルムズ海峡の海上輸送の混乱がもたらすエネルギー・肥料および脆弱な経済へのリスク

 

国連貿易開発会議(UNCTAD)は、世界で最も重要な貿易回廊の一つであるホルムズ海峡の混乱がもたらす世界貿易と開発への影響についての速報を発表しました。

ホルムズ海峡は、世界の海上石油貿易の約4分の1を占めるほか、相当量の液化天然ガス(LNG)と肥料も輸送されています。この地域における軍事的緊張の高まりは、この狭い海峡を通る船舶輸送に支障をきたしています。その結果生じた波及効果は、地域をはるかに超え、エネルギー市場、海上輸送、そして世界のサプライチェーンにまで及んでいます。これらの展開は、世界の貿易と開発の見通しに対する懸念を引き起こしています。

軍事的緊張の高まり以来、ホルムズ海峡を通過する船舶は、ほぼ停止しています。ホルムズ海峡を通過する船舶の1日あたりの総数は97%落ち込みました。海峡の混乱は、特にアジアへのエネルギー供給を脅かします。2024年にホルムズ海峡を通過した物資輸送量、のうち、原油の84%と液化天然ガス(LNG)の83%がアジア向けでした。また、世界の肥料海上貿易の3分の1がこの海峡を通過し、そのうち67%が尿素でした。

石油市場は迅速に反応し、2月27日から3月9日の間、原油価格は27%、LNG価格は74%上昇しました。エネルギー、肥料、輸送コストの上昇(運賃、燃料油価格、保険料を含む)は、食料価格の上昇や、特に最も脆弱な人々の生活費への圧力を強める可能性があります。とりわけ、2024年、スーダン、スリランカ、タンザニア、ソマリアは、肥料輸入におけるこの地域依存度は30%を超えていました。

同様の影響は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックやウクライナ紛争の勃発など、最近の世界的なショックの際にも見られ、エネルギー、輸送、農業資材の供給途絶が食料市場に波及する可能性があることを示しました。今回のショックは、多くの発展途上国が債務返済に苦慮し、財政余地の逼迫と新たな価格ショックを吸収する能力の限界に直面している時期に発生しています。世界経済全体への影響は、混乱の期間と規模に左右されますが、この状況は、特に脆弱な経済への影響について、継続的な監視の重要性を浮き彫りにしています。

 

(参考文献)
UNCTAD (2026) Strait of Hormuz disruptions: Implications for global trade and development (UNCTAD/OSG/TT/INF/2026/1) 10 Mar 2026

(文責:情報プログラム 飯山みゆき)

 

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