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1113. 最近の世界食料安全保障事情

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1113. 最近の世界食料安全保障事情


最近更新された世界銀行の食料安全保障ブログによると、国内食料価格のインフレ率は、多くの低・中所得国で高止まりしています。5%を超えるインフレ率は、低所得国の77.3%(2024年6月27日の前回更新から18.2ポイント上昇)、低中所得国の54.3%(8.7ポイント低下)、高中所得国の44%(8.0ポイント上昇)、高所得国の10.7%(0.2ポイント低下)で発生しています。実質ベースでは、データが入手可能な167カ国のうち55.6%で、食料価格のインフレ率が全体のインフレ率を上回っています。

年末が近づく中、2024年は観測史上最も暑い年の一つになる可能性が高く、商品作物市場に大きなインパクトをもたらしています。最近の気象パターンは、農業生産予測に影響を及ぼしており、トウモロコシの生産量は、欧州連合・メキシコ・ウクライナの猛暑により減少すると予測されていますが、大豆の生産量は米国の好条件により増加すると予想されています。

ロシアのウクライナ侵攻後、貿易関連規制が急増しています。世界的な食料危機は、国内供給確保と価格引き下げを目標に各国が導入する食料・肥料の貿易制限によって、部分的に悪化しています。2024年9月現在、16カ国が22の食品輸出禁止措置を実施し、8カ国が15の輸出制限措置を実施しています。

 

 

本日14時からオンライン開催予定のイベントでは、こうした食料安全保障のリスクに対し、常に備えておく必要性について議論します。今日午前まで登録受付しておりますので、ぜひご検討ください。

 

[オンライン開催に変更] 国際連合食糧農業機関(FAO)チーフエコノミスト マッシモ・トレロ氏 特別セミナー:世界食料栄養安全保障及び強靭な食料システム実現のための優先的政策・投資オプション

https://www.jircas.go.jp/ja/event/2024/e20241008

 

(文責:情報プログラム 飯山みゆき)

 

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