Pick Up

864. 最近の食料価格事情

関連プログラム
情報

 

864. 最近の食料価格事情

 

2023年9月に世界銀行が更新した情報によると、2023年5月~8月期に多くの国で食料価格は高止まりし、2桁を超えるインフレを経験している国も多く、データが存在する162か国中81%において、食料価格の上昇が消費者物価指数の上昇を超えていたと報告されています。

農業商品価指標について、前回7月27日の報告以降、メイズ・小麦価格の下落を受けて穀物価格指標は全体的に下がりました。しかしコメ価格は5月以降31%上昇しています。2021年1月比で、メイズ価格は6%減、小麦価格は12%減、コメ価格は16%上昇しました。

7月にロシアが黒海穀物合意から離脱する以前、潤沢な輸出用供給のあった小麦価格には下方圧力がかかっていましたが、ロシアによるウクライナ輸出設備への攻撃が市場に動揺をもたらしました。一方、アルゼンチンや欧州・北米の一部における干ばつにもかかわらず、今年のメイズ・ダイズ生産は好調な見通しであり、備蓄も回復しています。対照的に、7月23日にインドが発表したバスマティ米以外の白米に対する輸出規制、そして8月27日のバスマティ米への輸出規制は、コメ市場での混乱と価格急騰をもたらしています。また、燃料価格の上昇を受け、化学肥料などの農業資材価格の上昇傾向も懸念事項となっています。

(文責:情報プログラム 飯山みゆき)


 

関連するページ