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1281. 最新の地球温暖化指標

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1281. 最新の地球温暖化指標

 

Earth System Science Data誌に掲載された最新の地球温暖化指標に関する研究によると、2015~2024年の10年間において、1850~1900年と比較して観測された温暖化は1.24 ℃で、そのうち1.22 ℃は人為的要因によるものでした。2024年の観測された世界表面温度の最良推定値(1.52 ℃)のうち、人為的な温暖化の最良の推定値(1.36 ℃)は過去最高水準に達しており、人為的な温暖化レベルと、エルニーニョ現象および大西洋の変動に伴う気候システムの自然変動(気温が年ごとに自然に変動する原因)と相まって、地球の平均気温上昇を記録的なレベルに押し上げました。

人為的な温暖化は、10年(2015~2024年)あたり約0.27℃に達し、その前の10年間(2005~2014年)よりも0.31℃高くなりました。これらの変化は、2023年と2024年の異常に暖かい年によって多少増幅されていますが、過去数十年間の温暖化の速度と概ね一致しています。

この温暖化のスピードは、過去10年間(2014年から2023年)の温室効果ガス排出量が過去最高に達したことと、エアロゾル冷却の強度が低下したことが相まって発生しています。しかしながら、過去10年間のCO2排出量の増加率は2000年代と比較して鈍化しているという証拠があり、社会の選択次第では、気候変動の速度の減少または増加を追跡できる可能性があります。


(参考文献)
Forster et al, Indicators of Global Climate Change 2024: annual update of key indicators of the state of the state of the climate system and human influence, Earth System Science Data (2025).  https://doi.org/10.5194/essd-17-2641-2025


(文責:情報プログラム 飯山みゆき)
 

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