2026年7月13日、国際農研(JIRCAS)は、農研機構(NARO)およびアジア太平洋食糧肥料技術センター(FFTC)との共催により、国際ワークショップ「2026 JIRCAS-NARO-FFTC Joint International Workshop on Soil Health and Multifunctionality: Integrating Science and Practice for a Sustainable Future」をつくば国際会議場で開催しました。また、翌14日には筑波実験植物園および農業環境インベントリー展示館においてフィールドトリップを実施しました。
本ワークショップは、気候変動の進行に伴う極端気象の増加や食料・水資源の安定供給への懸念、生態系機能の低下といった地球規模課題を踏まえ、土壌健全性(Soil Health)の重要性を再認識するとともに、その保全と活用に向けて科学的知見と現場実践の融合を図ることを目的として開催されました。土壌が有する養分循環、水分保持、生物多様性の維持などの多面的機能に焦点を当て、持続可能な土壌管理のあり方について議論が行われました。
開会にあたり、国際農研の長谷川利拡理事長、農研機構の千葉一裕理事長、FFTCのVincent Lin所長が挨拶を行いました。続いて、フィリピン農業省土壌水管理局(BSWM)のDr. Gina P. Nilo局長による基調講演が行われ、フィリピンにおける国家規模の土壌分析の取組やデータ活用、政策立案および農業現場への展開事例が紹介されました。
その後の3つのセッションでは、養分循環、水分保持、生物多様性の維持、炭素貯留、気候変動への適応・緩和など、土壌の多面的機能に関する最新の研究成果と実践事例が共有され、活発な議論が行われました。さらに、パネルディスカッションでは、土壌の健康の評価・可視化、農業現場への技術普及、研究成果の政策への反映、国際連携の推進などについて意見交換が行われ、研究機関、行政機関、普及組織、生産者が連携して科学的知見を実践と政策につなげていくことの重要性が共有されました。
本ワークショップには、会場29名、オンライン31名の計60名が参加し、土壌の健康と持続可能な農業の実現に向けた理解を深めるとともに、国内外の関係者間の連携強化に資する有意義な機会となりました。
