令和4年9月15日(木)、国際農研とアジア太平洋食糧肥料技術センター(FFTC)はカセサート大学の後援を受け、ワークショップ「アジア太平洋地域におけるサトウキビ産業の未来に向けたサトウキビ研究の技術革新とネットワーク形成」をオンラインで開催しました。
本ワークショップには、21の国と地域から200名を超える事前登録があり、当日のオンラインでは130名程の参加がありました。特に、日本、タイ、フィリピンから多くの参加者がありました。プログラムは、https://www.jircas.go.jp/ja/workshop/2022/e20220915 をご覧ください。また、ワークショップの資料はFFTCのホームページに掲載される予定です。
本ワークショップは、アジア太平洋地域のサトウキビ生産における特有の問題や要求を抽出し、種間および属間雑種を利用するサトウキビ育種の進歩と製糖工場副産物の新しい利用技術を紹介することにより、将来のサトウキビ産業のための育種の方向性やサトウキビ研究のネットワーク形成を議論することを目的に開催されました。
冒頭、国際農研の小山修理事長による開会挨拶に続いて、FFTCのSu-San Chang所長とタイ国カセサート大学のSutkhet Nakasathien副学長が歓迎の挨拶を述べられました。続いて国際農研の安藤象太郎地域コーディネーターがワークショップの目的を説明しました。ワークショップは3部で構成され、発表と質疑応答が行われました。
第1部では、農研機構の梅田周研究員、国際農研の寺島義文主任研究員、オーストラリア砂糖研究所のGeorge Piperidis氏から、現在のサトウキビ品種の狭い遺伝的基盤を拡大し、多様な目的に合った品種を開発するために有効な、種間・属間雑種を利用したサトウキビ育種が紹介されました。
第2部では、フィジー砂糖研究所のAmit Raj Singh氏、インドネシア砂糖研究所のRisvan Kuswurjanto氏、フィリピン砂糖統制庁のRimmon T. Armones氏、台湾砂糖株式会社のJian-Cheng Chang氏、タイ農業局ナコンサワン畑作物研究センターのNattapat Khumla氏、ベトナムサトウキビ研究所のCao Anh Duong所長から、アジア太平洋地域のサトウキビ研究およびサトウキビ産業の現状や特有の問題が報告されました。
第3部では、カセサート大学のWirat Vanichsriratana准教授と東京大学の小原聡准教授からサトウキビのバイオリファイナリ利用や副産物利用に関する発表がありました。
総合討論では、今後の協力関係が議論され、最後にFFTCの渡邊朋也副所長による閉会の挨拶が述べられました。良く準備された発表が多く、充実したワークショップになりました。