研究成果情報について

研究成果情報は、国際農研において毎年度の試験研究活動によって得られた研究成果のうち、特に「現場での生産技術等として活用される成果」 、 「学術的に高度で、有効な新手法、新知見等の成果」及び「行政施策の改善に極めて有効または参考になる成果」の中から顕著なものとして選定し公表する情報であって、毎年度の研究成果として蓄積するとともに、外部に発信することにより、その普及と利活用を促進することを目的としています。

選定した研究成果情報のうち、特に開発途上地域にとって有用であり、普及・利用が確実に見込めるもの又は普及・利用が見込める可能性が相当高いものは「主要普及成果」として選定しています。 「主要普及成果」は、内容の妥当性や普及の可能性等の評価を確保するため、当該候補にかかる研究部門及び行政部門の審査員各1名による外部審査を経て選定しています。また、公表後2年程度が経過した主要普及成果について、追跡調査を実施しています。

主要普及成果

研究成果情報

プログラムA: 資源・環境管理

プログラムB: 農産物安定生産

プログラムC: 高付加価値化

  • 穂ばらみ期の地上分光計測データから収穫前にコメの収量が予測できる 

    穂ばらみ期の水稲群落上で分光計測を行うことで、収穫1カ月前に収量を予測することが可能である。さらに早い生育ステージ(幼穂形成期)でも低い精度で収量を予測できるが、開花後の成熟期に入ると予測は困難になる。収量の推定には、分光データのうち窒素とバイオマスに関連したレッドエッジ(700–760 nm)と近赤外(810–820 nm)の波長が重要である。

  • 新規アルカリ好熱嫌気性菌<i>Herbivorax saccincola</i> A7はバイオマス分解能に優れる 

    リグノセルロース系バイオマスを原料とする堆肥から分離した新種の好熱嫌気性細菌H. saccincola A7はアルカリ環境を好み、セルロースとヘミセルロースを分解できる。本菌は、近縁菌には無いキシロースやキシロオリゴ糖の代謝酵素を持つことから、リグノセルロース系バイオマスの効率分解に適している。

  • キノボリウオの水田養魚は種苗の低密度放流により無給餌でも成立する 

    ラオス山村域では、農民の動物タンパク質摂取不足を改善するために養魚振興が求められている。山村域の小規模農家が実施可能な水田養魚において、在来種であるキノボリウオを用いた場合、養魚種苗の低密度放流により無給餌でも高水準の生産性が見込まれ、さらに給餌することで生産性は向上する。

  • 養魚ため池の貯留水を雨季水稲と乾季畑作に利用することで収益増が期待される 

    ラオス中部の中山間農村では、養魚用ため池の貯留水の活用により、雨季初期に水が不足する圃場の初期灌漑と乾季には畑作を行うための補給灌漑が可能になる。養魚に必要な最低水量を維持することで、ため池を養魚と灌漑に併用できる。また4月上旬に貯留水を抜く慣行法よりも、乾季畑作の灌漑に合わせて2月に水を抜く方が利益の増加が見込まれる。