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1291. 世界農村開発デー
昨年の国連総会(UNGA)で、毎年7月6日を「世界農村開発デー(World Rural Development Day)」とする決議が採択されました。この決議は、農村部の貧困という根深い課題と、経済、社会、環境の持続可能性というより広範な目標達成の前提条件として、世界の農村地帯で土を耕し、海を恵み、土地を育む人々の生活と闘いに、持続的な光を当てることを目指しています。
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1290. 2025年6月北半球における熱波の報告
気象庁によると、今年6月は、日本付近への太平洋高気圧の張り出しが強く、統計を開始した1898年以降、最も高くなりました。西ヨーロッパと南西ヨーロッパでも、最低気温(夜間)と最高気温(午後)の両方が、一部地域で6月の月間観測記録を更新しました。
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1289. 地球のエネルギー収支の不均衡
地球温暖化は、人為的な温室効果ガス排出によって、入射する太陽光と地球から反射・放出される放射線との間の微妙なバランスが崩れることによって引き起こされます。AGU Advancesで公表された論文によると、地球のエネルギー収支の不均衡は、予想よりもはるかに速いペースで増加しており、わずか20年で2倍近くに達しました。
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1288. アフリカ食料安全保障と輸送・物流の課題
アフリカの食料生産は過去20年間で増加しました。しかし、奇妙なことに、食料不安に陥る人々の数も増加しています。輸送網の不便さ、多くの国における余剰生産の少なさ、そして輸送コストの高さが、この問題を悪化させています。世界銀行の報告書は、アフリカにおける輸送、物流、食料安全保障の関連性を明らかにし、食料システムのレジリエンス(回復力)を高めるための方策を提案しています。
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1287. 深刻な食料不安危機
国連世界食糧計画(WFP) は、2025年、紛争、自然災害、異常気象、経済不安の重なりによって、深刻な食料不安に関する容赦ない危機が続いていると警告しました。
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1286. 国際熱帯デーと熱研のプレゼンス(寳川通信8)
週末の6月29日は国連で制定された国際熱帯デー(International Day of the Tropics)です。これを機に熱帯・島嶼研究拠点(通称、熱研)の役割について考えてみました。
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1285. ホルムズ海峡の安全と世界のエネルギー・食料安全保障
ホルムズ海峡は、オマーンとイランの間に位置し、ペルシャ湾とオマーン湾、そしてアラビア海を結ぶ重要な水路です。地政学的な紛争により、この水路の安全保障が再び注目を集めています。水路封鎖や原油輸送の途絶は、原油価格の急騰を引き起こし、ひいては世界の食料安全保障にも影響を及ぼす可能性があります。
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1284. 世界レベルでの干ばつの見通し
世界中で干ばつの頻度と深刻さが増しています。経済協力開発機構(OECD)の新たな分析によると、干ばつの影響を受ける世界の陸地面積は1900年から2020年の間に倍増し、とくにここ数十年間において陸域の40%で干ばつが深刻化しています。
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1283. 食料政策 ― 変化する世界への教訓と優先事項
国際食料政策研究所(IFPRI)が公表した「2025年版世界食料政策報告書:食料政策 ― 変化する世界への教訓と優先事項」は、過去50年間にわたる食料政策の進化を包括的に振り返りながら、劇的に変化してきた食料システムの現状を分析し、2050年に向けた食料政策研究の優先課題を検討しています。
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1282. 気候リスクが作物収量変動に与える影響
平均気温よりも高い気温は、生産システムがこれらのストレスの影響を緩和できない場合、高温で乾燥した状況を悪化させることで、平均的な作物収量の減少だけでなく、作物収量の変動の激化につながります。農業市場情報システム(Agricultural Market Information System AMIS)は、気候リスクが作物収量変動に与える影響のモニタリングの重要性に関しての記事を発表しました。
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1281. 最新の地球温暖化指標
Earth System Science Data誌に掲載された最新の地球温暖化指標に関する研究によると、2015~2024年の10年間において、1850~1900年と比較して観測された温暖化は1.24 ℃で、そのうち1.22 ℃は人為的要因によるものでした。
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1280.ストレスの総合商社~マルチストレス時代~(寳川通信7)
気候変動に対応し持続可能な食料生産を目指すために、不良環境に対するレジリエンスを強化する必要があります。作物ストレス耐性の研究者はこれまで、単独のストレス条件下でのレジリエンス評価やその遺伝的改良に努めてきました。しかしながら、実際の農地で作物は単一ではなく複数のストレスが組み合わさったマルチストレス条件下で栽培され、生育や収量が制限されることがしばしば起こります。マルチストレス耐性の研究が強く求められていますが、実験系が複雑となるため研究者にとって非常にチャレンジングであり、フェノタイピング技術の向上や可塑性の推定等の技術課題の解決が望まれます。
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1279. サステナブル・ガストロノミーと食料システム
6月18日は、サステナブル・ガストロノミーの日(Sustainable Gastronomy Day)です。サステナブル・ガストロノミーは、食の生産と消費を、生物多様性・水・気候変動=プラネタリーヘルスと、食料・健康=ヒューマンヘルスの繋がり・システムの視点から捉えると理解が深まります。
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1278. 砂漠化および干ばつと闘う世界デー
6月17日は砂漠化および干ばつと闘う世界デー(World Day to Combat Desertification and Drought)で、今年は、土地の再生の可能性にハイライトします。一方、土地の再生には、地域の気候・環境・土壌条件についての科学的知識が求められ、解決が難しい課題も多くあります。その例として、世界の乾燥地における塩害農地の問題を紹介します。
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1277. 世界の海洋漁業資源の現状
海洋漁業の長期的な繁栄と持続可能性を維持することは、生態学的に重要であるだけでなく、社会的、経済的、そして政治的にも重要です。先週、ニースで開催された第3回国連海洋会議(the Third UN Ocean Conference:UNOC3)で発表された国連の新たな報告書によると、現在、世界の水産物資源の35%が持続不可能な方法で漁獲されている一方、効果的な管理が水産資源の回復と長期的な持続可能栄を支えていることを浮き彫りにしました。
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1276. 気候変動が干ばつの激しさを増幅
気候変動により、干ばつの頻度と激しさが増し、農業、環境、水文学的システムへの影響が増大すると予想されています。大気蒸発需要(atmospheric evaporative demand AED)の広範囲にわたる増加と地域的な降水量の減少により、ここ数十年でいくつかの地域で水文学的および農業的干ばつの深刻度の増加が観測されています。Nature誌で公表された論文は、1901年から2022年までの高解像度の世界規模の干ばつデータセットのアンサンブルを開発することで、世界中の干ばつの深刻度が増加傾向にあることを発見しました。
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1275. コペルニクス: 史上2番目に暖かい5月
コペルニクス気候変動サービス(C3S)によると、2025年5月は史上2番目に暑い5月となり、地上気温平均値は15.79℃で、1991~2020年の5月平均気温より0.53℃高くなりました。一方、2025年5月の気温は1850~1900年の推定平均値より1.40℃高い水準で、過去22か月中21か月続いてきた世界平均気温が産業革命以前の水準より1.5℃以上高い期間が終えることを意味しています。
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1274. 世界の海洋で深刻化する危機への対応
気候変動、プラスチック汚染、生態系の喪失、そして海洋資源の過剰利用により、海洋は前例のない危機に直面しています。6月9日から13日まで、世界の海洋で深刻化する危機に取り組むため、世界の指導者、科学者、活動家、そしてビジネス関係者がフランス・ニースに集まり、第3回国連海洋会議(tUNOC3)が開催されています。
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1273. 2025年5月 世界食料価格動向
国連食糧農業機関(FAO)は、6月6日、世界食料価格動向を公表、2025年5月の平均値は127.7ポイントで、4月比で0.8%低下しました。乳製品と食肉の価格指数は上昇しましたが、穀物、砂糖、植物油の価格指数の下落がそれを相殺しました。食料価格指標は前年比で6.0%高い水準ですが、2022年3月に記録したピークからは20.3%低い水準にとどまりました。
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1272. 大気中二酸化炭素濃度の記録更新
NOAA(アメリカ海洋大気庁)とスクリプス海洋研究所の科学者らは、ハワイにあるNOAAマウナロア観測所で、大気中の二酸化炭素濃度の季節ピークの観測値が初めて430ppmを超えたと報告しました。