現地の動き

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399. 稚エビの新しい生産技術開発~基礎研究と応用研究の両立~

エビにはたくさんの種類がありますが、世界で最も多く養殖されているのはクルマエビ科のバナメイエビです。巨大化したエビ養殖産業を支えている現在の生産方法は、親エビへの負担が大きく、効率も良いとは言えません。国際農研では、生物学的な知見にもとづき、エビに優しく効率も良い新しい成熟促進技術を開発するための研究を推進しています。
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398. 開発途上国地域での活用が期待される農業IoTソリューション

開発途上地域の気候変動問題や農業労働人口の制約に起因する食料問題の解決に向けて、先端技術やデジタル情報の活用による農業の省力・軽労・効率化を可能とするスマート農業技術への期待が高まってきています。
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397. 国際防災デー 2021: 開発途上国における災害リスクや損失削減のための国際協力

10月13日は国際防災デー(International Day for Disaster Risk Reduction)です。災害は農業への影響を通じ、食料栄養安全保障に大きなインパクトをもたらします。直接的な影響は作物・畜産生産量の減少ですが、農民への経済ロスにとどまらず、バリューチェーンを通じ、その影響はセクター・経済全体に及びます。2021年の国際防災デーでは、開発途上国における災害リスクや損失削減のための国際協力がテーマとなっています。

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396. CGIARにおける日本・日本人研究者の科学的貢献をJARQで情報発信

CGIARは、開発途上国の農林水産業の生産性向上、技術発展を目的に1971年に設立された国際組織であり、傘下の15の国際機関(2020年現在)が独立した研究機関として機能し、作物、畜産、森林、漁業および自然資源管理など多様なテーマに即し、国際農業研究のフロンティアとして世界の食料・環境問題解決に貢献してきました。CGIARが2021年に設立50周年を迎えることを機に、CGIAR機関における日本・日本人研究者の科学的貢献とその主要な成果を、Japan Agricultural Research Quarterly(JARQ)の特集号として取りまとめ、今回、すべての論文の要旨を国際農研ホームページ上に公表しました。
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395. 国連食料システムサミットと東京栄養サミット2021の相乗効果

昨年12月から「成長のための栄養の行動年」が始まっています。これまでもお伝えしてきた通り、本年9月には国連食料システムサミットが開催されました。そして、12月には東京栄養サミット2021が開催されます。これらの2つのサミットは、すべての人が2030年までに安全で手頃な価格で栄養価の高い食品にアクセスできるようにするというミッションに共に関わり、全ての関係者が団結して積極的に参加することの必要性を訴えています。
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394. プロジェクト紹介:「研究成果の実用化と事業展開を実現する民間連携モデルの構築」(実用化連携)

これまでに国際農研により創出された研究成果は、対象国の研究機関や行政機関等によって技術普及・定着が図られてきました。しかし、研究成果の迅速な普及や自らの研究活動の発展に貢献した事例は限られていました。実用化連携プロジェクトでは、国際農研の初チャレンジとして、国内外の民間企業等との多様な連携を通じて、対象国・地域に適応する技術の最適化を図ることにより、国際農研が創出した研究成果の普及および研究活動の活性化に資するためのビジネスモデルを構築します。
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393. 迫りくる水の危機に備えよ

気候変動による洪水・干ばつや、気温上昇による世界・地域レベルでの降雨パターンの変化は、農期の変化を通じ、食料安全保障および人々の福祉に大きな影響を及ぼすようになっています。10月5日、世界気象機関(WMO)は、「水」にフォーカスを当てた気象サービス白書2021年を公表、持続可能な開発目標、気候変動適応、災害危機緩和に向けた政策整備・投資の緊急性を訴えました。
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392. 国際協力の日

10月6日は『国際協力の日』です。1987年に外務省と国際協力事業団(現:国際協力機構JICA)によって定められました。国際農研は、1970年に熱帯農業研究センターとして創立して以来、半世紀にわたり、熱帯または亜熱帯に属する地域やその他の開発途上地域における農林水産業分野の国際共同研究を牽引し、現在では29カ国66の研究機関と共同研究を実施しています。さらに、これらの地域の研究機関等と行う共同研究を推進するために、共同研究先の管理者や研究員を日本に招へいする事業も行っています。

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391. 気候変動枠組条約締約国会議(COP26)への道

2021年10月31日から11月12日かけて、イギリス・グラスゴーにて、第26回気候変動枠組条約締約国会議(Conference of Parties: COP26)が開催されます。この会議は、国際社会が気候の緊急事態を制御しうる最後のチャンスともみなされています。気候変動対策は地球規模での対応が必要となり、 COP26に向けて多くの国が野心的な目標を掲げつつありますが、開発途上国の中にはキャパシティへの支援を必要とする国が多いのも事実です。

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390. サトウキビを病気から守る

サトウキビ白葉病(はくようびょう)は、砂糖の輸出量が世界第2位のタイを中心に、アジア各地のサトウキビ生産に大きな被害を出しています。この記事では、国際農研が現地研究機関などと共同で行った、サトウキビ白葉病の防除法開発に関する研究に加えて、現地での研究生活の一部をご紹介します。
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389. 気候変動と持続可能な開発目標(SDGs)の関係

2021年9月、世界気象機関(WMO)は、気候変動と持続可能な開発ゴールとの関係性を示した報告書(Climate Indicators and Sustainable Development: Demonstrating the Interconnections)を公表しました。報告書は、二酸化炭素の大気濃度、気温、海洋酸性化といった7つの指標とSDGsの関係を示すことで、貧困・不平等・環境劣化といった問題の解決における気候変動対策の重要性・緊急性を訴えました。17のSDGsゴールのうち、7つの全指標から影響を受けるのは、SDG 2「飢餓をゼロに」であり、科学技術イノベーションを活用して気候変動適応・緩和策に取り組んでいく必要性があります。

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388. 食料生産向上と環境負荷削減の両立を可能にするイノベーション

11月のCOP26を控え、国際社会は温室効果ガス排出削減へ向けた大胆で実効性のある公約 を示すことを求められています。 近代農業では、食料生産のための窒素肥料施用は、二酸化炭素の300倍ほどの温室効果がある亜酸化窒素の排出を常に引き起こしてきました。国際農研とパートナーは、長年にわたり、この矛盾 を解決するためのイノベーション ―生物的硝化抑制(BNI)を向上させた作物の開発 - に取り組んできました。コムギは最も重要な穀物の一つで、世界の化学肥料のほぼ5分の1を使用します。このたび、オンライン科学誌であるAnthropoceneの9月10日 掲載記事で、この成果が生産性向上と環境負荷の削減を両立する可能性について論じました。
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387. 本日は食料のロスと廃棄に関する啓発の国際デー

9月29日は、国連の定める「食料のロスと廃棄に関する国際デー」です。世界的にみると、食品損失と食品廃棄(以下あわせて食品ロス)は、グローバルフードシステムで利用される総エネルギー量の38%を占め、この食料だけで20億人を養うことができると言われ、世界の温室効果ガス排出の8-10%は食品ロスに関連すると言われています。持続可能な開発目標(SDGs)の目標12.3は食品ロスの削減であり、食品ロス削減のための行動は待ったなしです。
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386. 情報収集分析の重要性:新プロジェクト【戦略情報プロ】の紹介

今日は「情報への普遍的アクセスのための国際デー」です。情報は力であり、普遍的なアクセスにより、健全で包括的な知識社会の礎となります。国際農研は、2021年4月から開始した第5期の中長期計画の中で、複雑化・多様化する開発途上地域・熱帯亜熱帯地域の農林水産業や、地球規模の食料システムに係る課題や開発ニーズに関する情報を多角的に収集・分析し、国内外に広く情報を発信するため、情報プログラムの中に『戦略的情報収集分析提供プロジェクト【戦略情報】』を立ち上げました。
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385. 国連食料システムサミット:人々、地球、そして繁栄のために

9月23日、フードシステム変革についての国際的な議論を行う国連食料システムサミットが開催されました。本サミットは「人々のサミット(People’s summit)」と銘打ちましたが、国連のサミットがこれほどまでにオープンに開かれたのは初めてのことです。議長の行動概要声明では、SDGsを世界的に進展させ、基本的人権を確保する方法として、1)栄養をすべての人に 2)自然をベースとした解決策 3)公正な生活、適正な仕事、コミュニティの強化 4)脆弱性、ショックやストレスへの強靭性 4)実現方法のサポート、の5つの主要領域が挙げられています。

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384.気候変動が引き起こす人口移動のうねり

2021年9月、世界銀行は気候変動が引き起こす人口移動についての報告書を発表しました。報告書は、2050年までに、サブサハラアフリカ、東アジア・太平洋、南アジア、北アフリカ、ラテンアメリカ、東欧・中央アジアの6地域において、気候変動に起因する人口移動が2.16憶人に及ぶ可能性を予測しています。基本的に、人々は水アクセスや作物生産性の低い地域や海面上昇の影響を受けやすい地域から都市や農業適地に移動していきます。報告書は、世界規模で温室効果ガス排出削減努力をし、環境に優しく包括的で強靭な開発によって、気候変動を起因とする国内移動を最大80%回避することが可能であるとしています。
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383. アジアモンスーン地域における持続的な食料システム実現に向けたイノベーション

農林水産省は2021年5月に『みどりの食料システム戦略』を策定し、食料生産性に影響を与えることなく、温室効果ガス排出等の環境負荷を軽減しうるイノベーションの重要性を強調しました。万能なイノベーションは存在しないが、似たような環境・社会条件を共有する地域間で、社会実装の推進に関する知見を共有することで、食料栄養安全保障の確保と気候変動対応の加速化が期待されます。アジアモンスーン地域に位置する日本にとり、地域で活躍する農業研究・開発機関とのネットワークを通じ、農林水産業分野でのイノベーションを推進することは極めて重要な意味を持ちます。国際農研は11月17日、オンラインにて、国際シンポジウム「アジアモンスーン地域における持続的な食料システム実現に向けたイノベーション -『みどりの食料システム戦略』に資する国際連携に向けたプラットフォーム」を開催します。
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382.科学の下で団結せよ ― United in Science 2021 

2021年9月、国連総会の開催に合わせ、気候変動関連の報告書が次々と発表されています。9月16日、世界気象機関(WMO)を中心とした国連機関は、最新の気候科学関連情報をまとめた「科学の下で団結せよ United in Science 2021」を公表、全ての国が気候変動対策にコミットする必要を訴えました。翌日の9月17日、国連はパリ協定に参加する191か国の各加盟国が国連に提出する国別削減目標(NDC: Nationally Determined Contributions)をとりまとめた報告書を公表、野心的な目標を掲げた国を歓迎しつつもさらなる削減目標を求めました。 
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381. アフリカにおける持続的で強靭なフードシステム構築のためのアクション

2021年9月7日、アフリカ緑の革命フォーラムサミットにおいて公表された報告書によると、サブサハラアフリカにおける2000年来の目覚ましい農業生産の成長を牽引した要因の75%は耕地面積の拡大によるもので、作物収量向上の貢献は25%にとどまりました。地域の人口は今後も増加すると予測される中、既存の農地での生産性向上がフードシステムの強靭性と持続性を高める最も重要な対策の一つです。国際農研の食料プログラムでは、アフリカ稲作システム・アフリカ畑作支援の二つのプロジェクトを通じ、地域・世界の食料栄養安全保障に貢献できる技術開発を行っています。
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380. 地球にやさしい食生活を社会全体で実現するために

一週間後の2021年9月23日、国連食料システムサミットが開催され、地球と人類の健康に資する食料システム構築のための変革について国際的に議論されます。食料システム転換のカギとされているのが、「地球にやさしい食生活(プラネタリーヘルスダイエット)へのシフト」です。このたび、一般財団法人「地球・人間環境フォーラム」が発行する情報誌「グローバルネット」2021年9月号にて「地球にやさしい食生活を社会全体で実現するために」と題する論考を寄稿しました。