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711. 2023年1月 世界食料価格動向
711. 2023年1月 世界食料価格動向
国連食糧農業機関(FAO)は、2月3日、世界食料価格動向を公表しました。2023年1月の値は平均131.2ポイントで、10カ月連続の下落となり、2022年3月につけた最高値から28.6ポイント(17.9%)低い水準となりました。1月の下落は、植物油価格、乳製品、砂糖の下落を反映する一方、穀物・食肉価格は安定していました。
穀物価格は1月に147.4ポイントの値をつけ、これは12月よりもごくわずか(0.1%)高く、昨年1月よりも6.7ポイント(4.8%)高い値です。主要な穀物の中でも、世界コメ・メイズ価格が上昇する一方、オオムギ・小麦価格は下落しました。国際コメ価格は月ベースで6.2%上昇しましたが、これはアジア輸出国の間での強い内需と為替レートの動きを反映しました。メイズについては、ブラジルからの輸出への強い需要とアルゼンチンでの干ばつへの懸念を受け、アメリカ輸出価格の下落傾向を相殺する形で、価格が上昇しました。メイズ価格の動向を受けて、ソルガム価格もわずかに上昇しました。国際小麦価格は、3カ月連続で下落しましたが、予想されていたよりもオーストラリアとロシアからの供給が増加していることが背景にあります。
植物油価格指標は1月に140.4ポイントと、前月比で4.2ポイント(2.9%)下落し、1年前よりも25%低い水準となっています。この下落は、パーム・ダイズ・ヒマワリ・なたね油の低い世界価格を反映しています。パーム油の場合は、主要な輸入業者が過去数か月在庫を補充した分世界輸入需要が落ち込んだこと、大豆の場合はアルゼンチンの天候改善による生産見込みが改善したことや他の植物油に比べて非競争的な価格となったことで需要が落ち込んだことが背景にありました。
(文責:情報プログラム 飯山みゆき)