現地の動き

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国際機関動向

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)「気候変動と土地利用[Climate Change and Land.」概要

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表した報告書によると、産業革命以来、陸の気温は世界平均気温の2倍近く上昇しました。気候変動は、異常気象を頻発化させ、世界各地で食料安全保障を脅かし、砂漠化や土壌劣化をもたらしています。持続的土地利用の採択・普及を通じて土地・土壌劣化のリスクを削減し、生産から食生活に至るフードシステムの無駄をなくし効率性を高めることが、気候変動の緩和・対応のみならず、持続可能な開発目標(SDGs)達成のために、重要となります。

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国際連合食糧農業機関(FAO)「2019年世界食料・栄養白書 [2019 THE STATE OF FOOD SECURITY AND NUTRITION IN THE WORLD.」概要

国連の発表した2019年世界食料・栄養白書によると、2018年に世界で十分な食料にありつけない人々の数は推定8億2000万人と、前年の8億1100万人を超え、過去3年連続で増加しました。

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国際連合「世界人口予測 ・2019年版 [United Nations (2019). World Population Prospects 2019]」概要

2019年6月17日に国連が公表した「世界人口予測・2019年版」によると、世界人口は現在の77億人から、2030年に85億人(10%増) 、2050年には97億人 (26%) 、2100年には109億人(42%) に達すると予測されている。人口動態には地域差が大きく、サブサハラ・アフリカ諸国等では急激な人口増を見込む一方、中国を含め、人口減少に転じていく国もある。同時に、世界的に平均寿命が延びる一方で出生率は下がり続け、日本を筆頭に高齢化が進行し、人口動態は経済成長にも大きな影響を及ぼしかねない。世界人口の動向は、誰一人取り残さない、という持続可能な開発目標 (SDGs)の達成を大きく左右しうる。
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国際再生可能エネルギー機関(IRENA)「南部アフリカにおけるサトウキビからのバイオエネルギー:持続可能なスケールアップに向けた経済的ポテンシャル」の概要

南部アフリカではサトウキビ生産が主要な産業となっており、熱、発電、バイオ燃料の原料としの利用も潜在的に大きな可能性を有しています。本報告は、南部アフリカの7カ国を対象として、サトウキビからのバイオエネルギー利用のポテンシャルを分析したものです。

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生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)「生物多様性と生態系サービスに関する地球規模アセスメント報告書」概要

生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)は、100万種が今から数十年内に絶滅しかねないほど、人類史上かつてない速度で生物多様性と生態系サービスが失われていると警鐘を鳴らしました。

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食料安全保障情報ネットワーク「食料危機に関するグローバル・レポート 2019年版」概要

2018年、紛争地域の政情不安定と異常気象という主に二つの要因により、53か国の1億1300万人にのぼる人々の食料安全保障が脅かされた。これらの人々の三分の二は、アフリカや中東の8か国に集中していた。本報告書は、人道・開発援助にかかわる15機関が協力し、深刻な食料・栄養安全保障上の危機に直面する国々に関するデータ・知識・経験についての知見をまとめている。

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国際連合「人口と開発のための国際会議行動計画のレビューと評価」の概要

最新の国連の世界人口予測によると、2019年現在で77億人の世界人口は、2050年に97億人、21世紀末には110億人へ達するとされる。世界人口の拡大化・高齢化・流動化・特定地域集中化、という人口動態の「メガ・トレンド」は、2030持続開発目標の達成にも影を落としかねない。
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国際再生可能エネルギー機関(IRENA)「世界のエネルギー転換:2050年までのロードマップ」の概要

国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は、2018年4月に発表した報告書「世界のエネルギー転換:2050年までのロードマップ」(REmap)において、パリ協定の掲げる2度目標の達成に不可欠なエネルギー起源CO2排出削減を図るシナリオとして、最終エネルギー消費に占める再生可能エネルギーの割合を現状(2015年)の18%から2050年に3分の2まで高める行程等を盛り込み、世界各国が脱炭素化を推進するためのガイダンスを示しました。今回の2019年版REmapでは、昨年の報告を基本としつつ、各国の政策の強化、エネルギー分野の補助金の動向、エネルギー転換による社会経済的影響、再生可能エネルギー電力の価格低下及びその役割拡大等について、新たな分析が加えられています。

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世界銀行2018「クライメート・スマート・アグリカルチャー(CSA)概念の実践化: アフリカ・アジア・ラテンアメリカにおけるCSA国別プロファイルからの考察 [Bringing the Concept of Climate-Smart Agriculture to Life: Insights from CSA Country Profiles Across Africa, Asia, and Latin America].」概要

極端な気象イベントの頻発による食料生産への壊滅的影響を通じ、世界中で気候変動による農業への負のインパクトが報告されています。同時に、農業は気候変動の主要原因の一つでもあります。本報告書は、アフリカ・アジア・ラテンアメリカからの報告に基づき、クライメート・スマート・アグリカルチャー(CSA)概念の実践化において重要な要因について論じます。

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国際連合食糧農業機関(FAO) 2018「クライメート・スマート・アグリカルチャー: アジア・アフリカ・ラテンアメリカにおける成功事例の紹介 [Climate-Smart Agriculture Case studies 2018 - Successful approaches from different regions].」概要

クライメート・スマート・アグリカルチャー(Climate-Smart Agriculture: CSA)アプローチ は、農業生産性と農民所得の持続的改善・気候変動に対する強靭性(resilience)と適応力(adaptation)の強化・温室効果ガス排出量の削減、の三本柱によって定義されます。報告書は、成功事例のレビューを通じて、世界のあらゆる問題を解決しうる唯一無二の万能薬的なCSAは存在せず、地域固有のコンテクストに適したCSAの導入が鍵となると結論しています。

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アフリカにおけるバイオエネルギーの動向を分析した2種類の報告書「サブサハラアフリカ農村における持続可能なバイオエネルギー解決策」及び「持続可能な収穫:アフリカにおけるアグロフォレストリー及び窒素固定木質作物を活用したバイオエネルギーのポテンシャル」が国際再生可能エネルギー機関(IRENA)から公表

国際再生可能エネルギー機関(IRENA)において、「サブサハラアフリカ農村における持続可能なバイオエネルギー解決策」と「持続可能な収穫:アフリカにおけるアグロフォレストリー及び窒素固定木質作物を活用したバイオエネルギーのポテンシャル」のアフリカを対象とするバイオエネルギーの動向を分析した2種類の報告書がリリースされました。

国際機関動向

国際再生可能エネルギー機関(IRENA)「農業・食品セクターにおける地熱利用の加速化」の概要

地熱は、ビニルハウス、食品の乾燥や加工に利用することにより、食料の利用可能性、化石燃料の価格変動性への対処、温室効果ガスの排出削減、食品廃棄物の削減等、様々な利点を有する一方、農業・食品関連の地熱の直接利用は限定的な動きにとどまっている。本報告書は、農業・食品関連の地熱の直接利用について普及を図り、経験や知見を共有するため、各国が取り組むべき政策措置等について論じている。世界地熱連合(the Global Geothermal Alliance)等の国際的なプラットフォームを通じた知見の共有等についても提言が行われている。

会議概要報告

第9回国際再生可能エネルギー機関(IRENA)総会の報告

国際再生可能エネルギー機関(International Renewable Energy Agency、IRENA)の第9回総会が、2019年1月11日から13日、アブダビ(UAE)において開催され、160加盟国、国際機関、民間セクター等、約1200名が参加して、世界で加速するエネルギー移行について熱心な議論が行われました。国際農研では、2014年以降、特にバイオエネルギーの分野における技術協力の推進や情報の収集を図るため、IRENAとの間で覚書を締結するとともに、職員の長期派遣を継続的に行っています。

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世界銀行2018「総力を結集せよ- サブサハラ・アフリカにおけるマルチセクター・アプローチを通じた発育阻害の解決へ [All Hands on Deck : Reducing Stunting through Multisectoral Efforts in Sub-Saharan Africa].」概要

栄養状況の改善には、マルチセクター・アプローチによる解決が不可欠であることが認識されて来たが、マルチセクター・アプローチを標榜するだけでは十分ではないことも明らかになってきた。本報告書は、サブサハラ・アフリカにおける発育阻害の撲滅を目指し、より効果的なマルチセクター・アプローチの設計を目的とし、各国の事情に応じた全セクター共通目標設定や、これが不可能な場合の特定セクターへの介入の優先順位付けに役立つエビデンスを提供する。

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アフリカ緑の革命のための同盟(AGRA)「アフリカ農業年次報告2018~政府の力で農業構造改革を推し進めよ~[Catalyzing Government Capacity to Drive Agricultural Transformation (Issue 6)」の概要

農業生産の低迷は、農家所得の停滞、農村での貧困の拡大をもたらし、大都市への人口集中による社会的ひずみを招いている。農業の成長を加速化させるためには、小規模販売農家の生産性改善が不可欠である。アフリカ諸国のリーダーの多くは如何に農業成長を加速化させるかに関心を抱いており、本報告書は、農業構造改革の促進という政策ビジョンを実現するための政府の能力強化方法について論じている。

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世界銀行2018「2018年版 貧困と繁栄の共有:貧困のパズルを解く [Poverty and Shared Prosperity 2018: Piecing Together the Poverty Puzzle]」概要

世界的な極貧撲滅対策の進展により、極貧状態にある人々の割合は2015年時点で10%に下落した。世界が豊かになり、極貧が局地的現象になるにつれ、1日あたり1.9ドルが貧困ラインの定義として妥当かという疑問が呈されている。一方、世界人口の4分の1が1日あたり3.2ドル、半分近くが1日あたり5.5ドル以下で生活していることが報告されている。貧困問題の解決を堅固に阻む要因を解決するには、包括的な経済成長と人的資本への重点的投資が必要である。

会議概要報告

アフリカにおけるツマジロクサヨトウ対策のための研究に関する国際会議の報告

近年、アフリカ大陸において、ツマジロクサヨトウ(Fall Armyworm: FAW)が爆発的に拡散し、農業生産に深刻な影響をもたらしています。2018年10月29-31日、エチオピアのアフリカ連合本部にて、FAW対策のための研究に関する国際会議が開催され、国際農研からは、飯山研究コーディネイターが参加しました。

国際機関動向

CGIAR独立科学パートナーシップ委員会 (2018).「国際農業研究の開発インパクト-事後評価と収益率 Estimating ex post Impacts and Rates of Return to International Agricultural Research for Development」概要

国際農業研究の成果は国際公共財であるという共通認識が、国際社会が公共資金を投入する理論的根拠となってきた。今も投資の必要性には議論の余地はないが、どれだけの投資がどの分野に必要なのかについては答えが出ていない。国際農業研究に関しては比較的高い投資収益率が報告されてきた。(しかし収益率で)開発効果を評価する場合、予期されるインパクトが経済効果にとどまらず社会・環境的側面にも及ぶため、方法論的に課題が残る。ミクロ・マクロ、量的・質的と複数の手法を駆使するインパクト評価アプローチが推測に依存する投資収益率よりも信頼に値するエビデンスを提供しうる。

国際機関動向

CGIAR独立科学パートナーシップ委員会 (2018).「農業研究による貧困削減効果の評価法:CGIARの課題Assessing Poverty Impacts of Agricultural Research: Methods and Challenges for CGIAR.」概要

過去50年にわたり、国際社会において、農業研究は途上国の経済発展を促す重要な手段として位置づけられてきた。その一方で、農業研究が貧困削減に実際どの程度貢献したのか、という点については、手法的に厳密な評価が難しいという課題を抱えている。本報告書は、農業研究に起因する貧困削減効果を理解するための様々な手法を紹介する。

海外連絡拠点

タイ科学技術博覧会2018にてサトウキビ白葉病の防除技術と熱帯土壌の肥沃度改善について展示

タイ科学技術博覧会において、国際農研はタイ研究機関との共同研究の中から、サトウキビ白葉病が拡大する要因を解明し開発した防除技術と熱帯における土壌肥沃度の変動を長期連用試験で解明した成果を展示・説明し、来訪したたくさんの小中高校生や一般の方が熱心に耳を傾けました。