2025年5月16日、バンコクで開催された第19回ASEAN農業研究及び開発技術ワーキンググループ(ASEAN ATWGARD)のオープンセッションに参加しました。このセッションは、開発パートナーがASEAN諸国の関係者に対してインプットを行う場として設けられています。
本セッションでは、東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)と共同で、「アジア・モンスーン地域における生産性向上と持続性の両立に資する技術カタログの活用に関する調査」と題し、2024年度にタイおよびベトナムで実施したパイロットスタディの結果を報告しました。
この調査は、技術の社会実装を促進するために、各技術がどの国、あるいは国の中のどの地域で活用されるべきかといった具体的な情報を示すことが重要であるとの観点から実施されたものです。技術カタログに掲載された技術の中から2つを選び、パイロット的に検証を行いました。調査では、温室効果ガス削減技術として注目される「カシューナッツ殻液(CNSL)の給餌技術」および「発酵米麺液状化抑制技術」を導入した場合の効果を推計しました。これらの技術は、グリーンアジアの活動の一環として策定された技術カタログに掲載されており、ASEAN諸国におけるさらなる活用が期待されています。
両技術はいずれもアジア・モンスーン地域において展開可能(Scalable)な技術であり、今回の発表を契機に、ASEAN諸国での社会実装が一層進むことが期待されます。