世界水フォーラム(World Water Forum)は、世界の水問題を議論する水関係の世界最大級の国際会議として、3年に1度、世界水会議(WWC)と開催国の共催で開催されています。
10回目の開催年に当たる本年は、「繁栄を分かち合うための水(Water for Shared Prosperity)」をテーマに、2024年5月18 日~25日にインドネシア共和国のバリ島で開催されました。会期中、世界160か国から約64,000人の参加者と来場者、展示会場来場者数は23,718人(出展者含む)でした 。
フォーラムのプログラムは、テーマ別プロセス、地域別プロセス、政治プロセスの会議やセッションに加え、エキスポ(展示会)とサイドイベントで構成されます。国際農研は、バリ・ヌサドゥア・コンベンションセンターで行われたエキスポの日本パビリオン及びサイドイベントに参加し、研究成果の展示や発表を行いました。
国際農研の展示ブースでは、ベトナムで実施した水田からのメタン発生抑制が可能な間断灌漑(AWD)のパネル展示、バリ島で実施中のスバック研究に加え、アフリカ稲作関連、塩害軽減のための浅層暗渠排水マニュアル、アジアモンスーン地域向けの技術カタログを展示し、第10回世界水フォーラム副議長のBasuki Hadimuljono氏(インドネシア公共事業・国民住宅大臣)、各国の研究者、行政、学生(中学生~大学生)等、多くの来場者に説明を行いました。
サイドイベントでは、5月20日に開催された農林水産省主催のINWEPF*ワークショップにおいて宇野健一主任研究員(農村開発領域)がAWDの研究成果を発表しました。
世界中の関係者に国際農研の活動を知っていただくことができ、大変有意義な活動となりました。
*INWEPF:International Network for Water Ecosystem in Paddy Field(国際水田・水環境ネットワーク)の略称。アジアを中心に17か国をメンバー国として、環境に配慮した農村開発に向けた、水田のより良い水管理を促進するための枠組みを提供する組織