令和8年4月9日から10日にかけて、ASEAN事務局及び東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)の共催により、ベトナム国ハノイ市において、「ASEAN第1回協議ワークショップ及びキャパシティビルディング『再生・強靭化農業(Regenerative and resilient agriculture)実施プランとバイオ炭ガイドライン』」が開催され、国際農研はASEAN事務局からの招待を受けて参加しました。
本ワークショップは、農林水産・食料分野における気候変動、生物多様性の損失、地政学的緊張及び経済的不安定性といった複合的課題に対応するため、再生・強靭化農業の実施プラン及びバイオ炭ガイドラインの策定を目的として開催されたものです。再生・強靭化農業は、2025年のASEAN農林大臣会合において重要な対応策と位置付けられており、本ワークショップは、そのハイレベルなコミットメントを実行可能な戦略へと転換する取り組みの一環です。また、バイオ炭はASEAN域内において作物残渣の焼却削減に資する有望技術として注目されており、その生産及び適用に関するガイドラインの整備が求められています。
国際農研からは、舟木康郎グリーンアジアプロジェクトリーダーが参加し、再生・強靭化農業実施プランの策定に関するパネルディスカッションに登壇しました。グリーンアジアの成果として、間断灌漑技術の一つであるMiDi(Midseason Drainage followed by Intermittent irrigation)ガイドライン(グリーンアジアレポートNo.9)とアジアの持続的農業のための地域バイオ炭の活用(同No.4)を説明し、アジアモンスーン地域向け技術カタログ掲載の「工業分析に基づくバイオ炭を用いた農地土壌炭素貯留量の簡易で正確な推定手法」を紹介しました。さらに、タイ農業協同組合省農業局と共同で実施している土壌炭素貯留に関する長期連用試験についても説明し、技術導入に関する議論に貢献しました。
本参加を通じて、国際農研の有する再生・強靭化農業関連技術やバイオ炭に関する公表物への理解がASEAN加盟国等において一層深まり、令和8年6月に開催予定の第2回協議ワークショップに向けた重要なインプットとなりました。

