令和7年11月13日、茨城大学農学部附属国際フィールド農学センターが受け入れているインドネシアの学生らが、国際農研(JIRCAS)を訪問しました。今回の訪問は、JST「さくらサイエンスプログラム」に茨城大学から応募した課題「熱帯作物の病害対策における新しいアプローチ」が採択されたことを受けて実施されたものです。
本プログラムおよび東南アジアとの学生交流制度AIMS(ASEAN International Mobility for Students)を通じ、ガジャ・マダ大学農学部、ウダヤナ大学農学部、アイシャジョグジャカルタ大学理工学部から学部生・大学院生あわせて19名が来訪しました。参加者の多くは植物病理学や微生物学を専攻しており、熱帯作物の病害対策における新たな研究手法の理解を深めることを目的としています。
講義では、鵜家綾香研究員(生物資源・利用領域)が「農業廃棄物から持続可能な解決策へ~バイオマス利用と植物病理の融合~」と題し、東南アジアの植物病理研究と微生物糖化技術を組み合わせた取り組みを紹介しました。講演の中では、オイルパームバイオマスから製造した燃料用ペレットの実物も示し、研究の応用可能性について説明しました。続いて、筑波大学理工情報生命学術院生命地球科学研究群に所属し、マレーシア理科大学(USM)からの講習生であるMs. Hanis Alisaが、JIRCASとの共同研究「オイルパーム古木におけるデンプン蓄積メカニズムのトランスクリプトーム解析による解明」を紹介しました。
その後、学生らは研究室を見学し、最新の分析機器や研究内容に触れながら、国際的な研究交流と科学技術への理解を深めました。今回の訪問は、若手研究者の国際的なネットワーク構築や今後の学術連携の促進に寄与する貴重な機会となりました。
