令和6年12月20日(金)、東京農業大学国際農業開発学科の学生6名が、農村開発協力研究室のゼミ活動の一環として国際農研を訪問しました。この訪問では、国際農研の研究概要を紹介に続き、複数の研究者による講義と施設見学が行われました。
鵜家綾香研究員(生物資源・利用領域)は「オイルパーム農園の持続的土地利用と再生を目指したオイルパーム古木への高付加価値化技術の開発」と題して講義を行いました。この中で、マレーシアのオイルパーム農園とパーム油産業が直面する課題、伐採されたオイルパーム幹が引き起こす環境問題、廃棄物のアップサイクル技術等が紹介されました。
植田佳明研究員(生産環境・畜産領域)は「イネの遺伝的多様性を利用したアジア・アフリカにおけるイネの改良」について講義しました。主な内容は、アフリカのイネ生産における鉄過剰ストレスとリン欠乏の問題、イネの幅広い遺伝的多様性を活用したストレス耐性遺伝子の研究、種子観察や温室での栽培試験の見学です。
圓山恭之進プロジェクトリーダー(生物資源・利用領域)は、植物分子生理学研究の農業への応用について説明しました。写真を多用して、日本と低所得国の農業の違い、共同研究機関の実験施設状況、ラオス等で実施中のプロジェクトを紹介しました。
姜奉廷主任研究員(水産領域)が施設見学を担当し、有用エビ類の卵成熟抑制を解除する方法や閉鎖循環式屋内型エビ生産システム(ISPS)を説明しました。また、稚エビ飼育方法のポイントを解説しました。
今回の訪問を通じて、参加学生のアジア地域への関心が一層高まり、国際農研の研究活動に対する理解が深まったと思います。今回の訪問には、東京大学農学生命科学研究科の院生1名も同行し、学部生との間で有意義な交流が行われました。