令和7年2月18日(火)、タイ、インドネシア、フィリピンの農業青年52名が国際農研を訪問しました。この訪問は「アジア食料生産力向上農業人材育成事業」(実施主体:農林水産省、補助事業者:国際農業者交流協会)の一環として実施されました。訪問では、国際農研の八幡台圃場を活用し、屋内での講義と屋外での見学を組み合わせて、国際農研が実施する活動を紹介しました。
屋外見学では、池浦弘主任研究員(農村開発領域)が、農業に利用できない水を灌漑水として再利用するための技術を検証する施設を紹介し、その原理や活用方法を説明しました。また、佐々木和浩主任研究員(生物資源・利用領域)は、日本や海外で育成されたイネ品種のサンプルを用いて、それぞれの品種の特徴や違いについて説明を行いました。アセアン諸国は水田主体の農業が営まれていることもあり、研修生からは紹介されたイネ品種の特徴や新たな優良品種の開発に向けた取り組みに関する鋭い質問が寄せられました。
屋内講義では、小林慎太郎主任研究員(社会科学領域)が、「みどりの食料システム基盤農業技術のアジアモンスーン地域応用促進事業」(グリーンアジアプロジェクト)の紹介を行いました。特に、このプロジェクトが関係機関と協力して作成した「アジアモンスーン地域の生産力向上と持続性の両立に資する技術カタログ」については、研修生の中にはさっそくダウンロードしたという人もおり、優良技術への関心の高さがうかがえました。
講師たちの熱のこもった説明に対し、研修生からは「国際農研と連携して研究や技術開発を行いたい」といった意見もいただきました。今後、彼らが研修期間中に日本の農家や研究機関から学んだ技術や知識が、アセアン諸国で活用されることを期待しています。