マーシー・ワイルダー プロジェクトリーダーが2023年度日本農学賞/読売農学賞の受賞者に決定

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水産領域 マーシー・ワイルダー プロジェクトリーダーが、一般社団法人日本農学会の「2023年度日本農学賞/読売農学賞」を受賞することが決まりました。

水産領域 マーシー・ワイルダー プロジェクトリーダーが、一般社団法人日本農学会の「2023年度日本農学賞/読売農学賞」を受賞することが決まりました。

受賞の対象となった研究業績は「エビ類の生理生化学的研究と新養殖技術開発への応用」です。日本農学賞の受賞は、平成18年に岩永 勝 前理事長(現 国際農研顧問)の研究業績「植物遺伝資源の保全と利用のための遺伝育種研究と国際貢献」以来のことです。    

ワイルダー氏は、エビ養殖産業の安定化を図るため、エビ類の生殖・脱皮・浸透圧調節に関する基礎研究に従事し、研究成果を閉鎖循環式陸上養殖技術という天然環境に依存しない持続可能なエビ養殖産業の実用化段階まで応用・普及させています。

学術への波及効果として、世界で初めてエビ類の卵黄タンパク質の一次構造を解明し、十脚類甲殻類全般の卵黄タンパク質の合成部位・プロセシング経路の解明にまで発展させるなど、この分野での世界的な貢献を果たしています。応用面では、ベトナムと共同で、淡水性オニテナガエビの安定的な種苗生産・養殖技術を開発し、稲田養殖の形で貧困農家に広く技術移転し国際貢献に寄与しました。また、革新的な環境調和型バナメイエビ陸上養殖システムを民間企業等と共同で開発し、2007年国内初の第1号の実証エビプラント(新潟県妙高市)、2022年関西電力株式会社資本による大型エビプラント(静岡県磐田市)の立ち上げに寄与しました。

このように、ワイルダー氏は我が国の水産業の発展・国際貢献の両面において、多大なる業績を挙げていることが本賞の受賞にいたりました。


令和5年4月5日に開催される日本農学大会で授与式が行われる予定です。

【日本農学会】
農学に関する専門学協会の連合協力により、農学およびその技術の進歩発達に貢献し、総合統一された農学の発展を目指す連合体として設立されました。昭和4年11月に設立総会が開催され、昭和5年から活動を開始しています。

【日本農学賞/読売農学賞】
日本農学会の前身「農学会」の事業の一つとして大正14年から「農学賞」の授与が行われていました。昭和4年に「日本農学会」が設立される際に全て移譲され、 昭和17年には「日本農学賞」に名称変更、日本の農学研究者間における最高の栄誉として今日まで続いています。読売農学賞は、昭和39年より読売新聞社から授与されています。授賞業績の推薦、選考は日本農学会に委任されており、毎年2月の選考会・総会で日本農学賞の授与が決定され、読売農学賞へ推薦する形式をとっています。

関連URL:http://www.ajass.jp/30_10.html
 

研究室のメンバー(2021年3月撮影、中央がワイルダー氏)

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