城北高等学校の1年生が国際農研を訪問

令和7年4月14日(月)、東京都の城北高等学校の1年生44人と先生1名が、「つくばサイエンスツアー」の一環として国際農研を訪問しました。

令和7年4月14日(月)、東京都の城北高等学校の1年生44人と先生1名が、「つくばサイエンスツアー」の一環として国際農研を訪問しました。

今回の訪問では、まず国際農研が取り組む世界の食料問題や環境問題の解決に向けた研究・開発活動について紹介し、日本がなぜ開発途上地域の農林水産分野の研究推進やその発展に貢献する必要があるのかを、生徒の皆さんと一緒に考えました。

続いて、佐々木和浩主任研究員(生物資源・利用領域)が行っている熱帯地域のイネを対象にした品種改良の活動について説明しました。特に、熱帯地域のコメ生産の現場で大きな問題になっている開花期の高温によって受精ができない現象(高温不稔)を回避するために、朝早く涼しい時間に花を咲かせる形質(早朝開花性)をイネに導入する取り組みについて、大型の人工気象室を利用して得た試験結果等も含め紹介しました。

また、この新しく開発した早朝開花性を持つイネを評価するために、現在バングラデシュなどで行っている圃場試験の写真や現地の研究者との意見交換のこぼれ話なども交えて、リアルタイムで進んでいる研究開発の現場の様子を具体的に話してくれました。

生徒の皆さんは、高温不稔で発生した空籾と通常のイネ籾の違いを触って実感しながら、熱帯地域だけではなく日本でも発生している高温不稔の問題を解決できる可能性を持った新しい品種の開発の話を熱心に聞いていました。

今回の講義を通じて、開発途上地域の食料問題や環境問題、特に農業研究の重要性を身近に感じてもらい、今後の進路を考えるきっかけになればと思います。
 

<参考ページ>

国際農研 Pick up 488. 気候変動による動植物の活動周期と季節のミスマッチ

国際農研 Pick up 572. 高温不稔を軽減するイネ早朝開花性の利用

 

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