令和7年7月2日(水)、栃木県立佐野高等学校2年29名が「つくばサイエンスツアー」を通じて、国際農研を訪問しました。
佐野高等学校では、文系・理系ともに幅広い進路に対応できるカリキュラムを提供しています。今回の訪問は、生物選択者を対象としたフィールドワークとして実施され、最先端の科学技術に触れることで生徒の科学への興味・関心を高め、進路意識を育むことを目的としています。
当日は、先ず国際農研の研究活動や国際共同研究の概要について紹介し、国際農研が世界中のパートナーと協力して進める研究が社会にどのように貢献しているかを説明しました。また、開発途上地域の食料問題や環境問題にも触れ、生徒たちとともにSDGsの身近な取り組みや、開発途上地域が抱える課題について考える機会を設けました。
続いて、井関洸太朗主任研究員(生物資源・利用領域)が「アフリカ食料生産の未来を変える作物学」と題し、人口増加、栄養不足、気候変動などの課題が深刻な西アフリカ・サバンナ地域における農業研究の重要性について講義しました。現地の人々の暮らしや農業の現状、そして国際共同研究が果たす役割やその可能性について、現場の視点からその魅力を紹介しました。
生徒たちは、研究者になったつもりで西アフリカの農業について考察し、現地のリアルな状況や農業研究の重要性を知ることで、グローバルな視点から科学の役割を考えるきっかけとなったようです。生徒からは、「日本とは異なる環境で暮らす人々の生活や、農業が抱える課題について初めて具体的に知ることができた」「海外での活動に魅力を感じた」といった声が聞かれました。また、「SDGsの目標が実際の現場でどのように取り組まれているのかを知り、より身近に感じた」といった感想も寄せられました。
今回の講義を通じて、生徒たちは科学技術の社会的意義や国際協力の重要性を再認識し、自身の進路や将来の目標について考える貴重な機会となったようです。
井関主任研究員の研究活動を紹介する「西アフリカ・サバンナの環境と農業、その未来—アフリカ最大の農業地帯にて—」のミニ講演動画は、YouTube「JIRCAS channel」でご覧いただけます。
ミニ講演動画「西アフリカ・サバンナの環境と農業」(クリックで再生します)