未来科学人材アカデミー第7回:福岡県立八幡高等学校理数科2年生がJIRCASを訪問

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令和7年7月31日(木)、未来科学人材アカデミー第7回プログラムとして、福岡県立八幡高等学校理数科2年生19名が国際農研(JIRCAS)を訪問しました。

未来科学人材アカデミー

令和7年7月31日(木)、未来科学人材アカデミー第7回プログラムの一環として、福岡県立八幡高等学校理数科2年生19名が国際農研(JIRCAS)を訪問しました。

同校では、国際的な事業や先端科学・技術に直接触れる機会を通じて、生徒の国際社会や理数分野への興味・関心を高め、進路選択の参考とすることを目的に、理数科2年生を対象とした筑波研究学園都市への研修旅行を実施しています。今回のJIRCAS訪問は、国際的な研究の現場に触れる貴重な機会となりました。

当日はまず、JIRCASの研究活動や国際共同研究の概要について紹介し、世界各国のパートナーと協力して進める研究が社会にどのように貢献しているか、今後ますます重要性を増す国際的な研究に携わる科学人材について、生徒たちと一緒に考えました。また、生徒たちはグループに分かれて、農林水産業研究とSDGs(持続可能な開発目標)との関係について議論を行い、発表を通じて研究がSDGsの17の目標に対して多様な形で貢献していることを共有しました。

続いて、生産環境・畜産領域の西垣智弘主任研究員による講義「アフリカを養うための土壌学の挑戦」が行われました。講義では、農業生産にとっての土壌の重要性や西垣主任研究員が取り組む研究成果の紹介に加え、研究者としてのキャリア形成、研究の楽しさや難しさについても説明があり、生徒たちにとっても大変刺激的なものとなったようです。

特に、土壌の特徴を明らかにするために、西垣主任研究員が世界各地で、人がすっぽり入るほどの穴を掘って土壌を観察してきたという話では、実物大の土壌断面の写真や実際に採取された土壌サンプルが用いられました。これにより、生徒たちは現地での調査活動の重要性や、その魅力について理解を深める様子が見られました。

講義後には、生徒たちから発展途上国の農業やそれに対する研究の取り組みに関する多くの質問が寄せられました。例えば、「干ばつや洪水などの影響を受けやすい途上国の農業生産の不安定さをどのように解決できるか」といった問いに対しては、土壌の観点からの生産安定化の取り組みに加え、JIRCASでは品種改良や栽培技術の改善、社会科学的アプローチなど多様な形で問題に取り組んでいることを紹介しました。

また、同日に開催されていたJIRCASのイベント「のぞいてみよう! 開発途上地域の農林水産」にも参加し、展示や研究員による説明を通じて、JIRCASが推進する農林水産業研究の多様性についても理解を深めました。

今回の訪問を通じて、生徒たちは科学技術の社会的意義や国際協力の重要性を再認識し、自身の進路や将来の目標について考える貴重な機会となったようです。今後も、未来の科学人材の育成に向けて、研究現場に直接触れる機会を提供し、科学技術への興味・関心をさらに高めていきたいと考えています。

 

ミニ講演動画「壌の色が教えてくれること」

 

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