沖縄県石垣市に所在する熱帯・島嶼研究拠点(熱研)では、熱研の研究活動の一端を分かり易く市民のみなさまに紹介し、研究活動を理解していただくとともに研究情報が市民のみなさまの生活の一助になることを期待し、熱研市民公開講座を開催しています。2007年5月に初めて開催した熱研市民公開講座も、今回で46回目となりました。

今回の「イネの『時』を操る品種改良」では、季節の変化に合わせて生長しているイネを栽培するための基礎知識として、品種の早生や晩生を決定する花芽形成の時期・季節、イネの花が開花し受精が行われる時間、それらの「時」を決める仕組みなどについて丁寧に分かりやすく説明いたしました。また、「時」を操る新たな試みとして、夏の猛暑による不稔を回避するため、熱研におけるイネの開花時間を早める品種改良についても紹介いたしました。いつも同じ時期・季節に出穂・開花し、穂が一斉に黄金色になってから収穫されるイネの「時」を感じる仕組みが分かったら、あなたもイネの「花咲か爺さん」になれるかも知れません。参加した石垣市民25人との質疑応答や意見交換では、比較的高温環境で開花するイネの開花・繁殖戦略、イネの開花期間や開花時間の幅、交雑する時のイネの交配方法、品種改良のための交配への雄性不稔性の使用、石垣島で増収させるための育種方法やアイディア、植物の概日リズムを毎日リセットする要因、早朝開花する品種の育成状況、品種改良による栽培地域拡大の解釈などについて、活発な質問や意見をいただきました。また、終了後の会場では講師や熱研職員への追加質問をする参加者もおり、イネの品種改良についての情報を提供する良い機会になりました。これからも、熱研提供のイネ研究情報が石垣市内の稲作農家の生産活動に少しでも貢献することを期待しています。

今後とも、熱研の発信する研究情報などが市民のみなさまのために役立つことを希望しております。

なお、下記のとおり、報道されました。

1.八重山日報2018年12月6日朝刊第6面「品種改良の新たな試み 「早朝開花」で不稔を回避」

第46回熱研市民公開講座にて熱心に聴講する市民

第46回熱研市民公開講座にて熱心に聴講する市民

イネの出穂・開花や品種改良方法などについて活発に質問する市民

イネの出穂・開花や品種改良方法などについて活発に質問する市民