沖縄県石垣市に所在する熱帯・島嶼研究拠点(熱研)では、熱研の研究活動の一端を分かり易く市民のみなさまに紹介し、研究活動を理解していただくとともに研究情報が市民のみなさまの生活の一助になることを期待し、熱研市民公開講座を開催しています。2007年5月に初めて開催した熱研市民公開講座も、今回で43回目となりました。

今回の「植物バイオテクノロジー今昔物語」では、組織培養や遺伝子組換えなどの植物バイオテクノロジーの農業利用の歴史を振り返りつつ、近年新技術として注目を集めているゲノム編集についても丁寧に分かりやすく説明いたしました。また、干ばつに強い遺伝子組換えイネの育成やイネのゲノム編集技術の開発などの熱研の研究活動についても紹介いたしました。現在、人口増加や環境条件の悪化により、開発途上地域においては必要な食料・栄養の確保がより困難になってきています。その解決に向けた植物バイオテクノロジーの活用が期待されています。参加した石垣市民27人との質疑応答や意見交換では、植物の分化全能性(一部の組織や細胞から完全な個体を再生する能力)、茎頂培養による種苗増殖の実例、遺伝子組換え食品の表示、遺伝子組換え作物使用の世界的動向、ゲノム編集技術の取扱の世界的動向、ゲノム編集後代の活用方法などについて、活発な質問や意見をいただきました。また、終了後の会場では講師へ追加質問をする参加者もおり、最先端技術の情報提供の良い機会になりました。国内外で活用されている技術から国内であまり活用されていない技術について、市民のみなさまの理解が広がることを期待しております。

今後とも、熱研の発信する研究情報などが市民のみなさまのために役立つことを希望しております。

なお、下記のとおり、報道されました。

  1. 八重山日報2018年2月9日朝刊第3面「バイオテクノロジーを身近に 熱研公開講座で石崎氏」
第43回熱研市民公開講座にて熱心に聴講する市民

第43回熱研市民公開講座にて熱心に聴講する市民

植物バイオテクノロジーの各技術について活発に質問する市民

植物バイオテクノロジーの各技術について活発に質問する市民